高2 地理B オセアニア地誌 オセアニア州の地図作成【実践事例】 (日本大学山形高等学校)
授業担当者 | 野口 敏広 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 高校2年/地理B |
単元 | オセアニア地誌 |
〈実践の概要〉
高校2年・地理Bの世界地誌分野の学習では,単元全体の導入として,学習する地域の地図作成を各単元の最初の時間に行っている。これまでの授業では,最初に白地図プリントと,白地図に書き込む内容を指示するための地形名や都市名が書かれたプリントを,教員が生徒に配布した。次に,生徒は指示された対象を地図帳で探し,その名称を色鉛筆やペンを用いて白地図に書き込み,地図作成を行っていた。本校でもタブレットが導入されロイロノートの使用環境が整ったため,ロイロノートで白地図の配信を行い,地図作成に取り組ませた。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
地図へ画像等の添付が可能となり,より地域の特性をイメージしやすい地図が作成できる。
修正が容易になり,よりよいものを作成しようとする創造力が高まる。
他の生徒が作成した地図と比較,検討や共有が容易となった。
〈実践の目標〉
オセアニア地域の主な地形や都市を理解する。
地誌学習を行うにあたり,地図作成を行い地域の概要を把握する。
画像やイラストを活用し,オリジナルの地図を作成する。
〈場面1〉はじめに(作業内容の指示)
白地図の配信とプリントの配布を行い。その後,次の作業内容を指示し,地図作成に取り組ませる。①プリントの対象物を地図帳で探し,白地図に書き入れる。②対象物の表現方法(図形,色)は自由である。③Webで検索した画像等も使用できる。④英語での作成もできる。⑤完成品は,授業で公開する。⑥友人と相談もできる。
〈場面2〉地図作成①
地図作成の要領が分からない生徒も多いため,先輩が作成した他地域の地図を見本として提示する。見本を提示すると対象物の表現方法がイメージでき,地図作成に取り組みやすくなる。例えば,都市を書き入れる時は,首都と他の都市で色を使い分けるなど視覚的な工夫をしたり,吹き出しで都市の一言コメントを書く生徒もいる。
〈場面3〉地図作成②
例えば,砂漠を表現する時は黄色で着色をしたり,また,全体的な着色はせずに細かい点を用いるなど,生徒によって表現方法は様々である。紙での地図作成と比べた利点は,画像等の使用が出来ることである。画像添付は視覚的な効果はもちろん,添付するためにWEB検索をすることで,都市に関する情報も得られることである。
〈場面4〉おわりに(完成した地図を見て)
当初は地図作成に不安を感じていた生徒も,完成した地図を見て地図作成の面白さを感じることが多い。また,地図を見ながら,砂漠気候が広がるオーストラリア内陸部に,なぜ都市(アリススプリングス)が形成されたのかなどいう質問をする生徒もいて,地理的事象を考察する上で地図作成が有効な手段の一つであると考える。