高2 現代社会 社会保障と国民福祉 今後の日本社会にとって望ましい社会保障制度の在り方について考える授業【実践事例】 (愛媛県立宇和島東高等学校)
授業担当者 | 松﨑 安紀 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 高校2年/公民(現代社会) |
単元 | 社会保障と国民福祉 |
〈実践の概要〉
現代社会の授業においては毎回ロイロノートを使用しています。本時の授業(社会保障と国民の福祉)では、日本の社会保障制度と他国の社会保障制度を比較し、少子高齢化の進む今後の日本においてどのような社会保障制度が望まれているかを考えることを目標として行いました。
毎回の授業で心掛けていることは、現状に起こっている社会問題について、他者の意見に耳を傾けながら、自分なりの考えを持つようになるということです。「他者の意見に耳を傾ける」という部分で、多くの意見を集約できるロイロノートが有効だと思い、活用しています。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
板書の時間が短縮でき、話し合いや発表を充実させられる。発表が苦手な生徒でも、自分の考えを伝えることができる。
提出箱に出した課題が蓄積されていくため、これまでの学習の振り返りができる。
必要な資料の提示がスムーズに行え、紙媒体での配布の必要がない。
〈実践の目標〉
社会保障制度の国による違いを知る。
今後の日本社会に求められる社会保障制度について考える。
自分が考えたことや、資料を見て気が付いたことを、他の人に説明することができる。
〈場面1〉本時の目標の確認
前時では、「社会保障制制度はなぜ必要か」ということを、グループワークを通して学んだ。本時の授業では、少子高齢化が進み、社会が変わっていく中でどのような社会保障制度が望ましいかを考えることが目標であることを説明する。
〈場面2〉理想とする社会保障制度
望ましい社会保障制度について、高サービス・低サービス・高負担・低負担の4つの指標を示したグラフに、各自が望む点を記入し、ロイロノートで写真を撮影し提出させる。全員分の意見を映し出して確認すると、ほとんどの生徒が高サービス・低負担を理想としていることが分かった。
〈場面3〉日本の社会保障制度を予想する
場面2と同様にして、「実際の日本の社会保障制度はどのあたりの点にあると思うか?」と問いかけ、予想する点を書き込ませた。高負担・高サービスもしくは高負担・低サービスと予想している生徒が多く、現時点での認識を確認することができた。
〈場面4〉社会保障制度の他国との比較
医療・雇用・介護に関する問題に対して、日本・アメリカ・スウェーデンの3か国ではどのような保障があるのか?に関するクイズを出題する。その結果と、ロイロノートで配布した資料(世界の社会保険料・税金の負担率、高齢化率のグラフ)をもとに、日本・アメリカ・スウェーデンの社会保障の特徴をメモする。他国と比較することで、日本の社会保障制度の特徴を知る。
〈場面5〉今後の日本の社会保障制度について
社会保障制度は、家族(F)、政府(G)、市場(M)の3つの主体が、どれだけ役割を果たしているかによって、大きく3つのパターンに分けられることを説明する。日本は家族(F)依存型の社会保障制度にあるが、この問題点について挙げ、理想とする社会保障制度を再度考える。ロイロノートで提出させ、何名かの生徒に理由とともに発表をさせ、まとめとする。