高2 国語 ディベート(討論会)を行おう【実践事例】(日本体育大学柏高等学校)
日本体育大学柏高等学校
福田 吉高教諭
ロイロノート・スクールで行う協同学習を通じて、洗練された主張を生み出す授業を実現します。
論争的なテーマについて、肯定側と否定側に分かれてディベート(討論会)を行います。
このクラスでのテーマは、「高校生がアルバイトをすることを禁止すべきである」というもの。
肯定側は青のカードを、否定側は赤のカードを用いて、それぞれグループに分かれて立論を1つ作成し、ロイロノート・スクールで教師に提出します。
グループの話し合いが行われている最中に、議論の進展状況を教師がチェックします。
グループの議論が深まってきた段階で、ロイロノート・スクールで解答を教師に提出させます。
否定側、肯定側、それぞれの立論を確認し、立論は核となる主張なので、ある程度抽象的な主張でなければならないことを指摘しました。
また、立論はあくまでも骨太の主張であり、それを支えるのが具体例であったり、データであったり、論理的な整合性であることを説明して本時を終えました。
ロイロノート導入のメリット
ロイロノート・スクールで、生徒の考えや発表内容をカードにして教師に送信できるので、簡単に生徒の考え方を知ることができるようになりました。
生徒の解答を一覧表示したり、生徒個人、個人にそれぞれの考え方をカードにして送信できるため、簡単にクラスの意見を共有できるようになりました。
実践の目標
客観的、説得的で根拠のある主張を述べられるようになること。
実践の場面
1. 立論の作成手順を説明する
ロイロノート・スクールを用いて立論を作成する手順を教師が説明する。
このクラスのディベート(討論会)のテーマは、「高校生がアルバイトをすることを禁止すべきである」というもの。
肯定側は青のカードを、否定側は赤のカードを用いて、それぞれグループに分かれて立論を1つ作成し、ロイロノート・スクールで教師に提出する。
2. グループに分かれて立論を作成する
生徒は、教師の指示を受けて立論の作成に入る。
立論を作る初めての場面なので、議論はまだ活発ではなかったが、自分たちで議論をして立論を作成しようとするグループと、インターネットにおける議論などを参考にしながら作成するグループとの2つのグループに分かれてそれぞれ立論を作成した。
3. 議論の進捗状況をチェックする
グループの話し合いが行われている最中に、議論の進展状況を教師がチェックする。
そのまま話し合わせて良いグループと、そうではないグループがあった。
完全に議論が進んでいないところはなかったが、話が具体的すぎたり、自己の偏見などが入っていて、今後の展開を考えると議論が発展しなさそうな場合には教師が介入して、議論の軌道修正を行った。
4. 立論を教師に提出する
グループの議論が深まってきた段階で、ロイロノート・スクールで解答を教師に提出する。
否定側の赤のカードの方が多く送られてきた。すなわち、「アルバイトは禁止すべきではない」という主張の方が組み立てやすいことが分かった。世間一般の高校でもアルバイトの完全禁止をしているところは少ないことからも、否定側の方が一般的には論理構成がしやすいことが分かる。
5. 否定側の立論に対して、教師がコメントをする
否定側の立論が早く完成していたので、まず否定側から立論を確認した。
立論は核となる主張であるので、ある程度抽象的な主張でなければならないことを生徒に説明する。
「バイトをすることで上下関係が身に付く」という主張と、「バイトをすることで社会勉強になる」という主張を比べた場合、この2つの主張は独立したものではなく、前者が後者に含まれる関係であることを指摘した。
6. 肯定側の立論に対して、教師がコメントをする
否定側の立論にコメントする間に、肯定側の立論も提出されてきたので、肯定側にもコメントを加える。ここでも否定側と同様の指摘をした。
「バイトで帰りが遅くなったときの危険性」という主張があったが、具体的すぎるので、「アルバイトをすることの危険性」としてまとめることができると指摘した。
立論はあくまでも骨太の主張であり、それを支えるのが具体例であったり、データであったり、論理的な整合性であることを説明して本時を終えた。