高2 古典「旅立ちの心情を想像する」~唐詩に描かれた作者の心情を読み取らせる~【実践事例】(愛媛県立松山商業高等学校)
授業担当者 | 窪田 智弘 |
ICT環境 | 1人1台スマホ(BYOD) |
学年 / 教科 | 高校2年 / 古典A |
単元 | 漢詩『峨眉山月歌』李白 |
〈実践の概要〉
李白の漢詩『峨眉山月歌』について、結句「思君不見下渝州」を「君」に注目させながら詩の主題を読み取らせた。「君」が具体的に何を指すのかを考えアンケートカードを用いてクラス全体で意見を共有し、「君」とは家族や恋人といった人を表すのではという考えと、李白が愛した月を表すのではないかという考えの二つがあることを確認した。さらに、「君」について李白にどんな思いを抱かせるものなのかを考えてカードにまとめ、全員の考えをベン図を用いて分類することで「月」と「人」とに共通する李白の思いを探し出し、詩の主題である故郷への思いを読み取らせた。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
クラス全員の意見をその場で共有することができる。
発言に消極的な生徒も自分の考えをクラス全体に発信しやすくなる。
他の人の考えを手軽に確認することができ、それを参考にすることで考えをさらに深めることができる。
〈実践の目標〉
唐詩に描かれた作者の心情を読み取らせる。
〈授業写真〉
〈場面1〉「君」とは何を指すのか、アンケートに回答する
結句「思君不見下渝州」の「君」について具体的に何を指すのかを考えさせた。また、アンケートの結果から「君」は家族や恋人等の人であるとする場合と、李白が愛した月であるとする場合の二つの考え方ができることに気付かせ、次の活動に向けた課題意識を持たせた。
〈場面2〉「君」とは李白にとって、どのような存在なのか考える
前の活動で考えた「君」が具体的に表すものについて、「人」と「月」それぞれの立場から李白に何を思い出させるものであるかを考えさせた。提出箱に提出させる際には「人」と「月」とそれぞれの立場ごとにカードの色を分けて提出させることで考えの立場が一目でわかるようにした。
〈場面3〉「君」に込められた李白の思いを探る
ベン図を用いることで「月」と「人」といった一見すると全く別の二つの考えの共通点を可視化させることができ、詩の主題である作者の思いに対する理解を深めることができた。
〈授業写真〉