高3 総合 ホームルーム活動におけるロイロノート・スクールの活用 【実践事例】(愛媛県立川之江高等学校)
授業担当者 | 村上圭次郎 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 高等学校3年 / ホームルーム活動 |
単元 | 正しい情報の読み取り方 |
〈実践の概要〉
情報化が進む現在において、特に若者にとってSNSは情報を入手するための主要な手段となっているが、その中には真偽が不確かなものも多く、安易に利用することで混乱やトラブルを招いてしまうことがある。そこで、正しい情報を適切に扱うための素養を養うため、ホームルーム活動の時間を利用して、フェイクニュースに関連する事例を取り上げて学習するとともに、小グループに分かれてそれらの事例における問題点について考察した。なお、使用端末はBYODを意識し、生徒らの自身のスマートフォン等を使用させた。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
参照すべきWebサイトのURLをその場で送信できるため、生徒への指示がスムーズである。
生徒一人ひとりの意見をその場で共有できるうえ、その修正も容易である。
シンキングツールを用いることで、意見の出し方やまとめ方がイメージしやすい。
〈実践の目標〉
拡散しやすい情報の特徴や嘘の情報を発信したり拡散させたりする人の心理について考える。
情報を適切に扱おうとする姿勢を身に付けさせることで、情報社会を生きる力を高める。
主体的に考え意見を出し合うブレインストーミングを、実践を通して学ぶ。
〈授業写真〉
〈場面1〉過去の逮捕者が出た事例に学ぶ
「Web」カード作成機能を用いて、フェイクニュースが原因で逮捕者が出た過去のニュースサイトにアクセスした。検索Webサイトを口頭で指定したり、検索エンジンから検索させたりするのではなく、その場で完全に同一のWebサイトに誘導することができるため、注目すべき記述や問題点の指摘をスムーズに行うことができた。
〈場面2〉情報の発信者および拡散者の心理について考える
シンキングツールの「くらげチャート」を用いて、デマを流布した人の心理や、そのデマを拡散させた人の心理について分析し、提出箱に提出させた。人前で発表することが苦手な生徒や、論理的に説明するのが苦手な生徒であっても、短文や箇条書きで自分の意見をまとめることができ、匿名のまま意見を全体に伝えることができた。
〈場面3〉班ごとに決めた主題について、個人の意見をまとめる
事前に班長が決定した、フェイクニュースに関連する事例について班の中で共有し、場面1,2と同様に「くらげチャート」を用いて意見をまとめた。場面4で班の意見として集約するための準備段階の作業であり、操作方法等がまだ不安な生徒も、生徒同士で教え合うことで解決していたようであった。
〈場面4〉班で意見を集約する
場面3で作成した個々の意見を班長に対して送信し、シンキングツールの「フィッシュボーン図」を用いて、心理を『悪ふざけ』、『良かれと思って』などに分類した。まとめ終えたフィッシュボーン図は提出箱に提出した。
〈場面5〉発表を行う
班の代表者による発表を行った。発表中は、画面共有の機能を用いて場面4で提出したフィッシュボーン図をクラス全体で共有し「右上の部分の意見については~」など視覚的な説明も取り入れながら行った。あらかじめ班としての意見がまとまった状態で発表を行うことができたうえ、手元の端末で細かい部分まで確認しながら聞くこともできるメリットはとても大きかった。
〈場面6〉本時のまとめを行う
シンキングツールの「くらげチャート」を用いて、本時のまとめを行った。「なぜ自分がそのような結論に至ったか」をまとめながら制作しなければならないため、ふだん以上に集中して取り組んでいる生徒が多い印象を受けた。制作したまとめは、提出箱に提出し、後日「クラスの意見」としてリスト化し配布した。
〈授業写真〉(場面2~4で生徒が作成したノートの一部抜粋)