(白百合学園小学校)~個人の見学報告を共有し、クラスの学習課題を整理しよう~単元名「清水門から見る江戸の町づくり」【実践事例】
授業担当者 | 吉田有希子 |
ICT環境 | 4人以上で1台 |
学年 / 教科 | 小学校4年 / 社会科 |
単元 | 昔から今へと続く町づくり |
〈実践の概要〉
学校の近くにある重要文化財「清水門」を見学し、各自、気になったところをiPadのカメラ機能で撮影しました。学校に戻り、ロイロノート・スクールから写真を取り出し、発見や疑問を書き加えて提出したものを全員で共有しました。その後、シンキングツールに友達のカードも使用して個人の学習課題をまとめたり、「生徒間通信」を用いて友達と情報を交換したりして、クラス全体の学習課題を明確化していきました。「敵から城をどのようにして守るか」、「いかに大きな工事だったか」といった学習課題が生まれ、清水門を作った時代背景、それ以前の学校のまわりの様子、徳川家康の町づくり、清水門がなぜ今まで大切に守られてきたのかなどといった学習内容へと深めていくことができました。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
見学報告が簡単かつ明確にクラス全員に共有でき、クラス全員の考えを整理したり、情報を交換したりすることができる。
単元を通しての学習課題や学習計画、その修正や振り返りなどの記録をしていくことができる。
自分や友達の考えをいつでも閲覧することができるとともに、調べたことや資料の写真を送ってクラスで共有し、互いに学習を深めることができる。
〈実践の目標〉
学校のまわりに江戸時代の文化財が残されていること、また大切に守られていることを知り、昔と今のつながりを考えることができる。
江戸東京の発展につくした人々の願い、苦労、工夫について想像し、感謝や尊敬の気持ちをもつことができる。
〈授業写真〉
〈場面1〉清水門へ見学に行こう(2時間)
学校から徒歩20分ほどの重要文化財の「清水門」を見に行った。清水門のお堀や石垣の刻印、渡り櫓のしくみなどを見ながら、江戸時代にタイムスリップしたかのように夢中になって見学する様子が見られた。気になるところ、すごいと思ったところなど、清水門の中で自分が注目した部分の写真を、iPadで自由に撮影した。
〈場面2〉ロイロノートで写真を提出しよう(1時間)
各々撮影した写真に文字を書き込んだり、テキストに貼り付けたりして、見学で気付いたポイントが分かるカードに編集したものをロイロノートの提出箱に提出した。その後、全員の提出内容を共有し、同じところに注目している人がいることや、自分が気付かなかったおもしろい発見などを分かち合った。
〈場面3〉クラゲチャートで自分の学習課題を作ろう(1時間)
前時の提出箱から自分と同じ疑問を持っている友達や、興味深いところに注目している友達のカードを複数枚選んで「使用」したの写真から自分の「学習課題」を決定し、シンキングツールのクラゲチャートの上の部分にテキストで入力する。また、学習課題の下の〇の1つに、自分なりの予想を書いて提出箱に提出したらに、隣の友達のクラゲチャートを「使用」し、クラゲチャートの〇の1つに自分の考えや予想を書き足して、「生徒間通信」で送り、情報交換をした。
〈場面4〉学習課題について調べていこう(3時間)
はじめは、クラスでも注目している児童が多い「清水門の役割」に関する学習課題を取り上げた。次の時間は「石垣の刻印・工事」に関する学習問題を扱った。最後の1時間でその他の学習課題を解決した。途中で提出したクラゲチャートの〇に考える手立てやわかったこと、資料などを追加して個人の理解も深めていった。
〈場面5〉学習をふりかえろう(1時間)
清水門の工事がいかに大工事であったか、今まで重要文化財として残っている意味を考え、江戸東京の発展の始まりがここにあることを理解した。最後に最終的な自分のクラゲチャートを提出し、皆で共有して学習を振り返った。