シンキングツールの活用法

シンキングツールの活用法

目次

考えをつくり出す授業デザイン
思考の発散と収束
児童生徒が主体的に考えをつくり出す授業では、思考の 「発散」と「収束」 という2つのプロセスを意識し、それぞれに適したシンキングツールを活用することが重要です。

思考の「発散」
自由にアイデアを生み出し、広げる段階です。拡散的思考、水平思考とも呼ばれます。
Yチャートやフィッシュボーン、くまでチャートなどを使い、関連する情報を増やし、発想を広げることができます。
思考の「収束」
発散した情報を整理・統合して、一つの考えにまとめます。収束的思考、垂直思考とも呼ばれます。
ステップチャートや座標軸、ピラミッドチャートを用いて、アイデアを整理し、論理的に構築します。

発散と収束の授業デザイン
児童生徒が自らの考えをつくり出す過程では、「発散」と「収束」が連鎖的に繰り返されます。ツールの切り替え機能を使い、背景のシンキングツールを変えて、新しい考えをつくり出す授業をデザインしましょう。
「発散の場面」と「収束の場面」をバランスよく取り入れることで、児童生徒が自らの考えを構築しやすくなります。
「発散」に偏りすぎると思考が広がりすぎ、児童生徒は考えをまとめにくくなります。逆に、「収束」に偏りすぎると、創造性が制限され、新しいアイデアが生まれにくくなります。


1. アイデアを出す
トピックを提示し、視点を設定する
シンキングツールを使用してアイデアを出す際には、まずトピック(話題)を提示し、それに対する視点を設定します。
この視点をもとに考えることで、児童生徒は自由にアイデアを出しやすくなり、学習課題の達成につながります。

視点に沿ってアイデアを書き出す
視点に沿ってアイデアを書き出します。この際、共有ノートを使うと、グループで効率的にアイデアを出すことができます。
アイデアを視覚的に整理することで、自分の考えを俯瞰することができ、新たなアイデアも浮かびやすくなります。

情報を集めて整理する
主体的な課題解決には、観察や実験、調査などで情報を集め、目的別に整理・分析することが重要です。シンキングツールを使うと、集めた情報をどこにどう配置すれば良いかがわかり、整理や分析がしやすくなります。

俯瞰してみる
シンキングツール上に並んだアイデアや情報を俯瞰し、課題解決に役立つものを見極めます。また、アイデア同士の関連性を考えながら、どのような考察や結論が導き出せるか考えることも重要です。


2. アイデアを共有する
パターン① 提出箱で共有する・友達の回答を使う
提出箱を使って、児童生徒がまとめたシンキングツールを共有することで、互いの考えに触れ、学びが一層深まります。
提出箱の「使う」機能を活用することで、児童生徒は友達の回答を自分のノートに取り込むことができます。自分の考えに他者の考えを加え、思考を深めることで、思考の収束に向かうことができます。

パターン② 共有ノートでアイデアを出し合う
共有ノートを使うと、グループで1つのシンキングツールを共同編集できます。複数の児童生徒で同時にアイデアを出し合い、整理することが可能です。
各自でアイデアを紹介する時間が不要になり、協働学習を効率的に進められます。

パターン③ 友達とカードを送り合う
他の児童生徒からカードを送ってもらうことで、友達のアイデアを自分のシンキングツールに取り入れることができます。
カードのやりとりが簡単に行えるため、他の児童生徒の意見を取り入れながら、自分の考えをさらに深めることができます。


3. アイデアを構築する
ツールの切り替え
シンキングツールを切り替えることで、異なる角度からアイデアを再構成し、新たな発想を得ることができます。
同じアイデアでも、ツールを変えるとそれまでとは異なるように見えることがあります。異なる角度で見ることで、新たな意味や関係性が見え、新しい考えをつくり出すことができます。
ツールの切り替え機能を活用することで、児童生徒はアイデアを保持したまま背景のシンキングツールを変更できます。これにより、思考の「発散」と「収束」のプロセスを短時間で行うことができます。


4. 考えを説明する
アイデアを整理し、まとめる
カードをつないでプレゼンテーションを作成できます。
思考を整理しながらカードをつなぐことで、発表内容をわかりやすくまとめられます。

考えを説明する
グループやクラスで発表することで、児童生徒は互いのアイデアを知ることができ、学び合いにつながります。
シンキングツールでアイデアが可視化・整理されているため、説明もスムーズに行えます。

意見を比較する
同じシンキングツールで考えをまとめると、意見の比較がしやすくなります。
説明もしやすくなるため、言語活動が活発になります。

このように、シンキングツールで「思考を可視化」することで、児童生徒は自分の考えに気づき、深め、新たなアイデアをつくり出すことができます。


各教科ごとのシンキングツールの活用法
各教科ごとに、シンキングツールをどのように活用するべきか、教科の特性をもとに汎用的な使い方をまとめました。以下のリンクからご覧ください。

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