中1 中2 中3 社会 「現代社会と私たちの生活」 世界へ発信!SDGs世界同時授業~持続可能な社会を目指して~【実践事例】 (蘇州日本人学校)
授業担当者 | 齋藤 暢 下村 豊朗 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 中学1・2・3年生 / 社会 |
単元 | 「現代社会と私たちの生活」 |
〈実践の概要〉
2020年12月,世界各地の日本人学校などをオンラインでつなぐ世界同時授業を行いました。昨年に引き続き,今回は,日本,中国,フィリピンの学校がZoom cloud meetlingを利用し発表しました。他に,米国,ドイツ,トルコ,スイス,メキシコ,インドネシア,コスタリカ,シンガポールの学校,計11カ国の小・中学生と,小・中学部,高等部の児童・生徒,先生方,約1000名が参加し,SDGs(持続可能な開発目標)について,各学校で学んだ内容を発表し合いました。蘇州日本人学校は,貧困や食品ロスの問題を挙げ,中国と日本の取組の違いなどを参加校などに発信しました。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
当日の通信トラブルに備え,各校であらかじめ用意した発表資料と発表動画がロイロノート・スクールで共有することができました。
ロイロノート・スクールを活用すると,資料のやりとりがスムーズにできるため,遠く離れた場所にいながら,同じ教室にいるような感覚で授業に臨むことができました。
SDGsの実現に向けた提言を作成するにあたり,ロイロノートのシンキングツールが大いに役立ちました。シンキングツールを活用することで,考えをまとめやすくなり,新たな考えをつくり出すことができるため,より説得力のある提言につながったと思います。
提言をつくり出す過程で,「生徒自身がより充実した発表を追求する姿勢が見受けられた。」と,学習内容の深まりが生徒の意欲を高めたと思いました。
〈実践の目標〉
児童生徒が持続可能な社会を実現するために,自分自身に何ができるかを考える。
社会参画するための手がかりをつかむ。
発表会を通して,よりよい社会の形成に向けた意欲や態度を身に付ける。
〈授業写真〉
〈場面1〉SDGsについて知ろう
蘇州日本人学校の中学部では,発表に先立ち,SDGsの17項目の情報に関する文献やグラフなどを調べる事前学習をしました。経済,環境,社会の視点から,日本や世界で発生しうる影響についてまとめました。
〈場面2〉グループを作り,テーマを決めよう
社会科の授業では,最初にSDGsについて学習しました。その際,日本ユニセフ協会のSDGsクラブの動画で17の項目について紹介し,取り組みたい番号を3つ選びました。次回の授業では,3年生は全員で,2年生は1人で,1年生は同じ内容を2~3人のグループを作り資料を作成しました。
〈場面3〉発表用のスライドを作成しよう
ロイロノートのテキストやPowerpoint(パワーポイント),keynote(キーノート)を使い,アニメーションや色使いなどを意識しながら,スライドを作成しました。数学科や技術科などで事前に学習していたこともあり,大部分の生徒がスムーズに使いこなしていました。また,時間にゆとりがある生徒は,発表練習を行いました。
〈場面4〉ZOOMを使い,発表を聞いての感想や質問をしよう
離れた場所にいる生徒同士がロイロノート・スクールで意見を交換しました。
各校の発表を通して,異なる地域に暮らしているからこそ気付ける点があること,異なる地域でも同じ課題を抱えていることについて体験的に知ることができました。
提言を作成する場面では,シンキングツールを用いて考えをつくり出しました。提言について相互評価を行う場面でもロイロノート・スクールが活用され,国・地域を超えて深い学びが展開されました。
生徒たちは,友人や資料との対話的,現状の課題や改善方法の主体的,1つのテーマに絞った深い学びを実感できた学習ができました。
当日は講師としてユニセフの皆さんが参加した他,文部科学省の皆さん,海外子女教育振興財団の皆さんも遠隔での視察が行われるなど,遠隔授業の先駆をなす実践として高い注目を集めました。