中3 数学 「もし、自分が病院職員だったら混雑を解消するために、どのような提案が考えられるか。」 データの活用(課題学習)【実践事例】福島県白河市立表郷中学校 菊田 和貴

中3 数学 「もし、自分が病院職員だったら混雑を解消するために、どのような提案が考えられるか。」 データの活用(課題学習)【実践事例】福島県白河市立表郷中学校 菊田 和貴


基本情報
授業担当者菊田 和貴
ICT環境1人1台タブレット
学年 / 教科中学校3年 / 数学
単元データの活用(課題学習)
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〈実践の概要〉
令和2年度全国学力・学習状況調査8「病院の待ち時間のデータ」を活用し、標本調査の単元の学習後に本単元(総4時間)を設定した。本単元を設定することで、これまでの統計分野の学習内容との接続と学び直しを図り、一連の問題解決過程(問題の設定、見通しや計画、データの整理、データの分析、結論)を単元内で繰り返すことで、統計的な問題解決のプロセスそのものやそのよさを実感できるようにした。単元内のそれぞれの時間において、ロイロノートを効果的に活用することで、生徒のさまざま考えを共有し、深化させることができた。

〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
全生徒への一斉送信、web統計ソフトを用いてのデータ整理。
問題設定や振り返りの場面での個人の考えの共有。
自分の考えを他者に伝える際に、数値やグラフのどこに着目したのかを書き込みながらの説明。

〈実践の目標〉
「統計分析方法」の実践的なツールとしてロイロノートやweb統計ソフトの使い方を理解し、実践する。
協働的な活動により問題解決能力やコミュニケーション能力を育成する。
自分の考えを他者にわかりやすく伝えるために、数値やグラフを用いて根拠を明らかにしながら説明する。

〈授業写真〉

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〈場面1〉問題の設定と計画、金曜日の待ち時間のデータの整理(1時間目)
初めに病院に関する困りごとを各自が考え、次に「ある病院では待合室が混雑していて来院者が困っています。もし、自分が病院職員だったら混雑を解消するために、どのような提案が考えられますか。」について、ロイロノートで各自が自分なりの考えを記入し共有した。提案の中から数学の問題に焦点化し、今後どのようなデータの収集・整理・分析が必要かを考えた。金曜日の来院者数や待ち時間のデータを提示し、データを整理し、分析する方法(代表値を求める、ヒストグラムで表す)について検討した。

〈場面2〉金曜日の待ち時間のデータの傾向の読み取りとさらなる問題へ(2時間目)
受付をした時間帯ごとの金曜日午前中の来院者数に関するデータ(令和2年度全国学力・学習状況調査問題)について、度数分布表、ヒストグラム、相対度数等をもとに、その傾向を読み取り、来院者への提案を考え、ロイロノートを活用し共有した。

〈場面3〉曜日ごとの待ち時間のデータ整理とデータの傾向の読み取り(3時間目)
曜日ごとの待ち時間のデータ(指導者が準備)から、どの曜日が混んでいるかを予想した後、統計ソフトを使ってデータを整理した(度数分布表、代表値、ヒストグラム、度数折れ線、5数要約、箱ひげ図)。火曜日、水曜日、木曜日に絞って、その待ち時間の傾向を5数要約と箱ひげ図を用いて比較した。

〈場面4〉曜日ごとの待ち時間の読み取りとさらなる問題へ(4時間目)
各曜日の待ち時間の傾向について、箱ひげ図のどこに着目したのかをロイロノートを活用して書きこみながら説明する活動を行なった。その傾向をもとに、来院者への提案を各自が考え、全体で共有した。よりよい提案をするためには、他にどんなデータを収集したり整理したりしてみたいか、さらなる問題について考えた。
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