小4 理科 もののあたたまり方 粒子概念を言語化する手立ての実践【実践事例】 (深圳日本人学校)
授業担当者 | 眞鍋 賢治 |
ICT環境 | 1人1台タブレット 1台電子黒板・ロイロノート |
学年 / 教科 | 小学4年生/理科 |
単元 | もののあたたまり方 |
〈実践の概要〉
本単元ではもののあたたまり方について粒子概念のもと予想場面、考察場面で表現することが難しい。そのため、予想場面での思考の共有、ならびに結果の自然事象からの考察場面を表現することに課題があった。そこで、本実践では、画像や撮影した実験動画を参考に自己の課題を明確にし、目標となる自然事象(空気のあたたまり方)可視化し、個別最適化学習レベル3(本校が定義した個別最適化学習の階層性より)を目指した。他者の考えを共有することにより、自分の考えをより深めた。
〈電子黒板やロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
①空気のあたたまり方について、自分の考えをノートに記述し、それを写真で撮影したものをロイロノートにアップし全クラスの児童の考えを共有することが出来た。
②アップされたクラス全員の記述から『「自分の考えに近い考え」「自分の考えと違う考え」の人探し』を行い、個々の言語活動を行った。
③1対1でお互いの説明をタブレットに書き込みながらで行うことにより、質疑を行い考えを深めることが出来た。
④個別の考えを電子黒板で全体化し、クラス全体としての『知』として共有、その考えをもとに実験を行った。
⑤実験結果をグループで話し合い表すことができた。他者の考えをしっかりと共有できているため、その後の考察場面が深めることができた。
〈実践の目標〉
①熱の伝わり方に着目して、金属、水、空気のあたたまり方について日常生活から推論する。
②熱の伝わり方についての考え方について目に見えない粒子概念をもって表現し、実験を計画する。
③熱の伝わり方について、実験計画をもとに考察する。
〈場面1〉第1次【空気のあたたまり方について、金属と水のあたたまり方から推論】
日常の中で『目に見えない空気』のあたたまり方について、生活経験、既習の金属、水のあたたまり方から予想させ、クラス全員でその考えについて共有した。予想を深める際には既習事項との比較することを児童に伝えた。また、自分の考え柱となる考えについてタブレット上にイラストでの加筆をさせた。
〈場面2〉第2次【『「自分の考えに近い考え」「自分の考えと違う考え」の人探し』をしよう】
『「自分の考えに近い考え」「自分の考えと違う考え」の人探し』としてロイロノートで全体化表示された考えから自由に教室中で立ち歩き、1対1で自分の考え、他者との考えをイメージ図をもとに交流した。その際、相手と同じところ、違うところについて考えを整理させ、その根拠となる考えについても併せて確認した。そして、交流後、電子黒板によりクラス全体で共有し、大きくカテゴライズしたものをクラス全体での考え方として共有した。
〈場面3〉第3次【実験結果から考察】
自然事象をじっくりと観察することから実験結果をまとめさせた。その際、ポイントとなる視点が明確になっているため正確に記録できた。煙は『上に動いていた』と共通理解できた。
その実験結果から「空気のあたたまり方」について、自分の考えとの共通点、相違点を中心に話し合いグループでの考察を深めた。
〈授業写真〉
〈成果と課題〉
元来この単元では次の思考場面で共有が難しかった。
以上3点について、ICTの活用をもって実施する事ができた。具体的には、ロイロノートを使用することで、児童が全員の考えを「見る」、その中から「選び」自分の考えを「言語化」交流の中で考えを深めることができた。ロイロノートの共有によって友だちの考えと「比較」することができた。課題としては、考察場面で自分の考えを立証するべく根拠となる自然事象説明が不十分な班もあった。記録となる電子媒体が動画、静止画と場面によって場合わけされることが大切であり、今後研究を深めていく必要があると考える。