小5 理科 「もののとけ方」 問題解決の過程をわかりやすく可視化する【実践事例】 (飯豊町立手ノ子小学校)

小5 理科 「もののとけ方」 問題解決の過程をわかりやすく可視化する【実践事例】 (飯豊町立手ノ子小学校)


基本情報
授業担当者加藤 郁子
ICT環境1人1台タブレット
学年 / 教科小学校5年 /理科
単元「もののとけ方」
hr
〈実践の概要〉
小学5年理科では,年間を通じ,ロイロノートを使って授業を進めた。
問題解決の一連の流れ(「学習問題」「予想」「観察・実験計画」「観察・実験結果」「考察」「結論」「発信」)について,プロセスごとにシートの色を固定することで,「今は何について考えるのか」を,すべての児童がはっきりと意識することができた。
併せて,「学習問題」ごとに,それら思考過程ごとの複数のシートを1枚のシートにまとめ入れるようにした。その結果,児童は,見通しをもって学習を進められるようになり, 問題を科学的に解決するための思考過程の定着がより一層図られた。

〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
表現力が高まること。(動画や写真を,観察・実験記録シートの中に自由にとても簡単に入れられる。)
思考力・判断力が高まること。(観察や実験を動画・写真で記録・表現する際には,児童自らが,相手意識を強くもち,どこに注目して何を記録するとわかりやすく説明できるかを考えるため,一人一人の観察精度が高まる。また,事象を,階層的,構造的に理解することができるようになる。)
学習意欲が高まること。(よりよく表現するための試行錯誤が容易にできるうえ,他者とのシート共有が瞬時にできるので達成感・成就感を得やすい。)

〈実践の目標〉
ものの溶け方について,観察,実験を行い,得られた結果を量的・関係的に捉え比較考察し,表現することを通して,問題解決すること。
特に,ロイロノートの静止画・動画撮影機能を使ったり,表に表したりしながら,条件制御の考え方を使って正しく・わかりやすく記録できるようにすること。

〈授業写真〉

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〈場面1〉単元を通した学習問題を立てる
水に食塩を溶かす様子を観察したり,日常の中の「ものが溶ける」「ものを溶かす」経験を想起したりしながら,疑問に思うことを出し合い,話し合いながら,単元で解決を図る学習問題を整理する。
1つ1つの学習問題について,1枚ずつのフィッシュボーンシートを用意する。それぞれに「予想」を記入する。

〈場面2〉1つ1つの学習問題の解決を図る
2教時からは,1単位時間に1つの学習問題に取りかかる。一人一人が,それぞれの思考過程ごとに,色分けしたロイロノートシートに自分の考えを記載し,瞬時に共有することで,よりよい考えや表現に改善しようとする意欲が高まった。特に,顕著な変容が見られた点は,以下である。
「予想」…生活経験やこれまでの理科実験をもとに,根拠をわかりやすく記載できるようになった。
「実験計画」…はじめはつながった文章で記載していたが,回を重ねるごとに,箇条書きで,順序だてながら端的に記すことができるようになった。
「実験記録」…何をどのように記録すると説明しやすいかを,一人一人が考えるようになった。また,記録の際に相手意識をもつことによって,実験結果から考察に至る過程がスムーズになった。

〈場面3〉単元の学習を振り返り,活用問題に取り組む
単元の最後には,教科書に掲載されている「学んだことを生かそう」の問題を提示し,児童は,自分がこれまでまとめたロイロノートシートを見返しながら問題解決に挑んだ。
結果と根拠を表現する方法には,動画撮影を選んだ。一人一人が,単元全体の実験結果が記されているロイロノートシートを表示しながら,考えの根拠を述べ,問題に対する説明を行った。その説明の様子を,互いに動画撮影し見合うことで,よりわかりやすく説明しようとする意欲が高まった。
これらの活動によって,単元の学習の振り返りが効果的に行われるとともに,理科の学習が自分たちの日常生活につながっていることをより深く実感することができた。
⇧「児童が立てる単元計画シート」     ⇧「写真を入れた実験記録シート」
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