高1 国語 ディベート――論理的に主張を組み立てる―― ペーパーレスで準備の手間を大幅に削減。資料を有効に活用し主張につなげることに比重を置いたディベートを目指す 【実践事例】名古屋市立桜台高等学校 小林真緒

高1 国語 ディベート――論理的に主張を組み立てる―― ペーパーレスで準備の手間を大幅に削減。資料を有効に活用し主張につなげることに比重を置いたディベートを目指す 【実践事例】名古屋市立桜台高等学校 小林真緒


基本情報
授業担当者小林真緒
ICT環境1人1台タブレット
学年 / 教科高1 国語総合イ
単元ディベート――論理的に主張を組み立てる――
hr
〈実践の概要〉
「日本は飲食店にドギーバッグを義務付けるべきである」という論題で簡易ディベートを行いました。
40人を5人ずつ8グループに分け、肯定派と否定派に分かれて準備を行ってきました。今回は資料をあらかじめ教員が準備し、「資料をどう扱って論理的な主張を展開するか」に焦点を当てました。
前時では4グループが試合を行い、教員からの講評として良かった点と課題を振り返りました。その結果、本時の第二試合では「資料の出典を明らかにする」「視覚的にわかりやすいデータを準備し、提示する」「尋問を想定し、切り返せる資料を用意する」ことを工夫したグループが出てきました。

〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
・約300枚分のペーパーレス化による教員の負担軽減
ディベート自体の説明、立論や尋問等のワークシート、司会者の進行台本、ディベートの判定員が用いる判定シートなど、もろもろの資料をすべて電子化したため、印刷、配布、回収の手間がなくなりました。教員も生徒も手元が常にすっきりしており、全資料がロイロにあるので、なくしたり探したりすることがなく自分のペースで見返すこともできます。
・教員側の説明のしやすさと、生徒側の聞きやすさ
生徒への「画面配信」機能を使うことで、生徒も大量の資料に目移りすることなく説明を聞くことができます。
・ディベート資料を各デバイスで提示、共有できる
従来は統計データなどの資料を模造紙に大きく書かせていましたが、「資料箱」機能で共有することができるため、教員側はペン類や模造紙の用意をする手間がなくなりました。生徒側は模造紙に書く資料作成時間が削減されたことで、資料を集めたり取捨選択したり立論や尋問を練ることに集中できました。かえって教員が用意した以上の資料を探すことにつながるグループも多く、内容が充実しました。
・動画で記録ができる
従来は学校備品のデジタルビデオカメラでディベートの様子を記録していましたが、ロイロノートで撮影も提出もできるため、学校備品のデジカメや三脚を借りる手間がなくなりました。記録されている緊張感がディベートの雰囲気を盛り上げました。

〈実践の目標〉
資料を用いてグループの立論を論理的に展開することができる。
自身の主張と対立する主張を想定することができるようになる。

〈授業写真〉

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〈場面1〉司会係やタイマー係などに仕事内容の確認
「資料箱」に進行台本があり、生徒は進行台本を確認しながら司会を行う。
タイマーも進行台本を見ながら、司会のタイミングに合わせて時間を計測したり、ベルを鳴らしたりする。
教員がタイマー係に口頭での仕事の確認をし忘れたが、「資料箱」に入れてあった仕事内容を各自で見てスムーズに行うことができた。

〈場面2〉ディベータ―による立論
教員があらかじめ用意した資料は文字ばかりの資料であったが、各グループが視覚的にわかりやすいグラフを準備した。「資料箱」の機能を用いて、ディベータ―と判定員が資料を共有することができた。
(左:教員準備資料 右:生徒が立論で用いたグラフ)

〈場面3〉立論や尋問、応答ごとに判定員は判定シートにメモ
ロイロノートの「資料箱」に判定シートを入れておき、判定員は各自ロイロ上で判定を行う。判定の仕方についても「資料箱」に説明カードを入れておくことで、視覚的にもわかりやすくなり説明の時間が短縮できた。
(左:説明カード 右:判定シート)
〈場面4〉記録係は動画撮影する
動画でディベートを記録し、あとで提出させる。動画は、今後の授業でディベータ―自身が振り返りをしたり、教員が評価したりする際に活用する。
また、記録されていることがディベートに緊張感をもたらし、生徒の言葉遣いやマナーに自然と影響を与えた。
〈場面5〉作戦タイムと論戦、最終弁論
資料やデータを見ながら、ここまでのディベートを踏まえて作戦を立てる。
尋問に対しうまく応答できなかったところや、時間が足りずに伝えきれなかったところをカバーするために、誰がどの資料を使って話すかチームごとに深めていく。
〈場面6〉判定結果発表、講評、判定シートと記録動画の「提出」
判定員による結果発表の後、教員からの講評を行った。まず全体として、わかりやすいデータを準備でき、それが立論と対応できていたことを伝えた。次に各グループについて、尋問を想定した上で切り返せる過去の事例やデータを準備できていたかどうかが勝敗を分けたことを伝えた。
その後、判定シートと記録動画を提出させた。
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