高1 国語 「羅生門」を通して小説の読み方を体験しよう 羅生門【授業案】立命館守山中学校・高等学校 國分 美里
学年 / 教科 | 高1/国語 |
単元 | 羅生門 |
指導要領 | 思考力・判断力・表現力 C読むこと |
教科書会社 | 筑摩書房『言語文化』 |
授業者 | 國分 美里(立命館守山中学校・高等学校) |
単元全体
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作成者からのアピールポイント
「羅生門」という文章の巧みさに生徒自身で気づくことができるよう、文章中の情景や変化等をなるべく視覚化できるよう留意し作成ました。
ロイロノート・スクールのnoteデータ
【展開1】小説の読み方について考えよう
高校1年生はじめての小説であるため、「小説の読み方」を意識することを伝える。その際、シンキングツールのダイアモンドランキングを用いる。
共有ノートを使用し、シート(無地)に思いつくものを書き出していく。ある程度意見が出尽くしたら、ツールをダイアモンドランキングに変更し、自分の中での優先順位をつける。
意図は、異なる学習環境や読解方略を学んできた生徒それぞれの読み方を、なるべく数多く共有する点にある。また、出したアイデアをランキング化して、思考を整理することで、その後の読解につなげる。
各班で作成したものを、提出箱に提出・回答共有し、それぞれ確認をする。
なお、教室全体で共有したいトピックは、時、場所、人物、象徴(アイテム)、仕掛け(伏線、文体など)等である。
【展開2】「場」の描写を確認しよう
白紙に羅生門の絵だけを掲載した「羅生門カード」を配布する。そこに、本文から読み取った景物等を絵や文などをまとめる活動である。
意図は、本文の描写を忠実に読み取ることや、「羅生門」の情景描写の巧みさ(視点や動きの変化)に意識を向けることにある。記入の対象とするのは、前半部分(羅生門の上に登る前まで)とし、それは、「場」や「時間」に関する描写が多いためである。
提出箱、回答共有を利用して教室全体で確認をする。意見が割れているものについては本文の描写を確認。
【展開3】下人の心情を確認しよう
本文全体を通しての下人の心情を、折れ線グラフの形にまとめて可視化する。共有ノートを使用した、3人1組での活動とする。共有ノートにする意図は、作業進度を互いに確認し、役割分担等を円滑に行うためである。
心情が変化するポイントについては、予め教員で場面を設定しておき、生徒はその根拠を考える(授業時間数に相当余裕がある場合は、「どこで心情が変化しているか」から考えさせる)。
記入するカード(グラフ)には、各場面に対応する緑の小さなカードをあらかじめ中央に配置しておき、下人の正義感が高まっている時は上へ、盗人になる気持ちが強いときは下へ動かすことで可視化をする。
グラフが完成した後、提出箱、回答共有を用いてクラスで確認する。また、振り返りカードを配布し、記入させることで振り返りを促す。
【展開4】振り返り
これまでの活動を踏まえ、「情報共有カード」を用いて「羅生門」の振り返りを行う。本文の内容面と、展開1で取り扱った「小説の読み方」についても振り返りを行うことで定着をはかる。
各自記入をし、提出箱に提出をして自分やクラスメイトの学びを蓄積する。