高3 社会/地歴公民 公正な分配方法を考える〜生徒会予算の分配から〜 財政の仕組みとはたらき【授業案】立命館守山高等学校 峯松健太朗
学年 / 教科 | 高3/社会/地歴公民 |
単元 | 財政の仕組みとはたらき |
指導要領 | 現代日本の政治・経済 財政の働きと仕組み及び租税などの意義 |
教科書会社 | 第一学習者 |
授業者 | 峯松健太朗(立命館守山高等学校) |
単元の一部
解説動画
作成者からのアピールポイント
生徒が身近なクラブ予算をテーマに公正な分配を考えるため、議論が活発になります。また、何に基準を置くかによって公正の定義が変わるため難しいことを理解し、国政の財政を学ぶ導入にはとても良いと思います。
ロイロノート・スクールのnoteデータ
【展開1】班とルール説明
共有ノートを準備。20人想定。
事前にグループを作成する。4人5グループ
① 5クラブの主張(事前に決めておく)
全ての部活に一律同じ額だけの予算を分配×4名
人数が多いクラブに多く分配×4名
生徒会予算廃止(帰宅部)×4名
実績、強いクラブに多く分配×4名
自己負担金の多いクラブに多く分配×4名
※40人の場合はそれぞれのクラブをもう一つ追加する
プリントを使用し、現時点で生徒会予算を公正に分配する方法を記述させる。
生徒は自分達が支払っている生徒会予算の分配をあまり知らない。これは税金を納め、政府が国のためにどのように分配しているかも知らない。そのため、身近なクラブ費を自分達で公正に分配するために討論会という形を取り、それぞれのクラブの事情を知り、公正に分配する難しさを体感し、次回の授業で国レベルで分配を体感する。
【展開2】クラブの主張を通すための作戦会議
展開1で示した①の5つのグループに分かれる
クラブの主張を確認する
展開3の討論会で所属するグループの主張を通すために作戦を立てる。
その際、主張をまとめやすく、全員が確認できるように共有ノートに事前に各グループに1枚ロイロカードを準備しておく。
下記のカードをグループごとに用意する
シンキングツールKWLでクラブの主張や反論を可視化するために使用する
【展開3】クラブ費の分け方討論会
ジグソー法を用い、各クラブ1人ずつ5人4グループになる
共有ノートにあらかじめ下記のシンキングツールを準備しておく
討論会を始める。
討論会で議論を活発にするためにシンキングツールの座標軸をを使用し、序列化し、議論を活発にさせる
※分配に関しては組み合わせなどの工夫も認める
例、一律金配布と人数に合わせて分配など
【展開4】発表とまとめ
各班の公正なクラブ費の分配方法をシンキングツールダイヤモンドランキングを示しながら理由とともに発表。
それぞれの班で違いを共有する。
まとめとして、お金を分配することが政治家の仕事であり、その先に経済があることを説明。そのため政治と経済は切り離せないことを理解させる。
最後に展開1で考えた最初の分配方法と様々な意見を聞いた後の分配方法の違いについて個人でメタ認知させ、プリントをロイロノートに提出。
この授業は4時間構成の1時間。この後の授業は財務省の授業。規模を拡大し国の予算決め体験。政治に興味を持ち、4時間目に税金問題を考える。財政教育プログラムの身近な問題を取り上げた導入の授業である。