高1 国語 漢詩「七言絶句」―王維「送元二使安西」【実践事例】(梅光学院中学校・高等学校)
梅光学院中学校・高等学校
池田 智幸教諭
古典作品への興味関心と、文学的創造力とを養う授業を、ロイロノート・スクールを使って展開します。
王維の「送元二使安西」、別名「陽関三畳」は、詩句を三回繰り返すというのが基本的な朗詠の形となっています。しかし、どの部分をどのように「三畳」するかは古来より定論がありません。どのように「三畳」すれば、別れの情を友人に最も効果的に訴えられるか、この問題についてクラス全員で考えていきました。
生徒は予め「三畳」のアイデアを課題プリントに記して写真を撮り、「提出箱」に提出しておきます。
グループワークでは、各自の「三畳」のアイデアを持ち寄り、討論を行います。その後、グループで話し合った内容をまとめ、各リーダーがプレゼンテーションを行います。
発表を終えた後、数名の生徒に感想を述べさせました。それから、中国人歌手による「送元二使安西」の歌唱を試聴し、自分たちの「三畳」案との比較を行っていきました。
最後に、本単元で学んだことをロイロノートのカードに書き出して「提出箱」に提出し、本時のまとめとしました。
ロイロノート導入のメリット
「回答共有」機能を利用することで、アイデアの共有が容易になりました。
ロイロノートの「この生徒に発表させる」の機能を用いることで、プレゼンテーションが円滑に行えるようになりました。
実践の目標
簡潔かつ整然とした表現構成から、作者王維の元二に対する思いを汲み取ることができる。
本詩の別名に含まれる「三畳」がどのようなものであったかを考えることができる。
作品理解に必要な活動を主体的に行い、他者との協働を積極的に取り組むことができる。
実践の場面
1. 王維「送元二使安西」の朗詠・暗唱を行う
王維の「送元二使安西」は友人との別れの宴席でよく歌われた漢詩で、しばしば詩句を三回繰り返す(=「三畳」)ということが行われた。どのように「三畳」すれば、別れの情を友人に最も効果的に訴えられるかをテーマにして討論することを生徒に伝える。
活動に入る前に、朗詠・暗唱を通じて、作品の内容を深く理解できることを体感する。
2. グループワークを行う
生徒は予め「三畳」のアイデアを課題プリントに記して写真を撮り、「提出箱」に提出する。
グループワークでは、各自の「三畳」のアイデアを持ち寄り、討論を行う。この際、必要に応じて「回答共有」機能を使い、他に魅力的な「三畳」案がないかを探す。
また、生徒が主体的にグループワークに参加しているか教師は確認し、場合に応じて助言を与える。
3. グループリーダーが発表する
グループで話し合った内容をまとめ、リーダーがプレゼンテーションを行う。
この時、教師はリーダーの発表に対して、クラス全体が「傾聴」の態度を取れているかどうか確認する。
4. グループ発表の感想を述べる
各グループのリーダーが発表を終えた後、数名の生徒に感想を述べさせる。
生徒たちには自分たちのグループでまとめた「三畳」のアイデアとの共通点・相違点を意識した上で、感想を述べるように指示した。教師は自らの「三畳」案を発表し、併せて全グループの「三畳」案にコメントした。
5. 「送元二使安西」と、自分達の「三畳」案を比較する
中国人歌手による「送元二使安西」の歌唱を試聴し、中国での「三畳」の実例を知る。そして、自分たちの「三畳」案との比較を行う。
6. 単元のまとめを行う
本単元で学んだことを、ロイロノートのカードにまとめる。
カードは「提出箱」に提出し、教師が確認する。
今回の授業実践事例の指導案、課題プリントは以下のURLから入手できます。