高1 国語総合イ わらしべ長者の経済学 2人でミッションをこなしながら内容理解【実践事例】 (名古屋市立山田高等学校)
授業担当者 | 小川亜希子 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 高校1年 / 国語総合イ |
単元 | わらしべ長者の経済学 |
〈実践の概要〉
「わらしべ長者の経済学」について、その日の授業で取り組む内容をカードにして初めにすべて送信し、ペアで取り組ませることで、対話的な協働学習を目指す。授業の最後には自己評価表を提出させる。
カードは、漢字の読みの確認→教科書本文の音読→教科書本文の読解→答え合わせなどというような流れになっており、ポイントとなる場面で教員が全体にむけて話をしたり、板書をしたりする。板書する内容も、カードや写真にして配信することができる。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
従来「わかりません」と答える生徒が続出していた現代文の記述問題について、解答率が上がった。
backspaceキーですぐに直せるという安心感からか、解答に取り掛かるのが早くなった。
板書の手間が省ける。ノートに控えてほしい事柄は、写真に撮影して送信すればよい。生徒にとっても、どれくらいの量を書くのかすぐに眺められるため、ノートのスペースを考えながら写すことができる。
〈実践の目標〉
教員が話す・板書する時間をできるだけ減らし、生徒同士による学びあいの時間を増やす
教員が授業初めに送信したミッションカードに従って授業が進行することにより、生徒は授業の見通しをたてやすくなる
ペアで相談してから入力・解答提出することにより、単語を整理して文章にしたり、相手を納得させる文章を書いたりする練習をする
〈授業写真〉
〈場面1〉本時の目標
生徒は2人ずつペアをつくり、本時の目標・ミッションカード・評価表などがまとめられたカードを受信して、授業への見通しをたてる。カードは、漢字の読みや意味の確認、教科書本文の音読などといったウォーミングアップのようなものから始まり、しだいに教科書本文の読解などといった、要旨に迫るような流れになっている。
〈場面2〉ペアワーク(ウォーミングアップ)
「2人で交代しながら○~○段落を音読しよう」「教科書に線を引き、ペアで解答を確認した後、写真撮影して提出しよう」など、比較的取り組みやすい課題を提示する。ペアごとに進み具合に差がでるため、時間調節のための指示「関係のあるwebページを閲覧していてください」「次の内容をノートに写して待っていてください」なども盛り込んでおく。
〈場面3〉ペアワーク(内容読解)
教員は、教科書の手引きにあるような内容理解にかかわる設問をカードにし、2人の連名で作成させる。なお、提出は2人のうちどちらかでよいこととする。
現代文における記述解答に、手書き入力は相性が悪い。また、テキスト入力も字の大きさの設定を生徒に任せていてはバランスが悪いという経験から、入力フォームのようなものを教員側で予め設定しておくことにした。
〈場面4〉ペアワーク(相互評価)
ペアで担当Aと担当Bとを予め決めておく。難易度が同じくらいのA専用の設問とB専用の設問とがあるため、解答役と採点役とに分かれて口述試験を行う。採点基準に従って0-3点をつけ、合計点をだした後提出する。
〈場面5〉ペアワーク(身近な例を考える)
現代文で評論を読んだ後には、その視点を以て身のまわりの事象を見直す時間をとりたい。本教材では、人生で本当に価値のあるものについての考察を通じて、自らの日常生活に対する理解を深めることを目指す。
「こういう人物こそ、人生で本当に大きな利益を得られる」という記述について、①「こういう人物」とはどのような人物か、②「こういう人物」が「人生で本当に大きな利益」を得るとはどうなることか、具体例を挙げる、③あなたにとっての「人生で本当に大きな利益」とは何か、という3枚の設問カードについてペアで話し合い、また全体でも共有する。
〈授業写真〉