高2 国語 夏目漱石「こころ」【実践事例】(星美学園中学高等学校)

高2 国語 夏目漱石「こころ」【実践事例】(星美学園中学高等学校)

星美学園中学高等学校
島崎 冬彦教諭
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ロイロノートの各機能を用いて文学MAPを作ることで、文章を正確に読みとる力が身につきます。

まず、夏目漱石の『こころ』に登場する「先生」と「K」の下宿の場所を地図上で探すグループワークを行います。
4人1組のグループに分かれ、明治時代の古地図と現代の地図を参考にしながら、本文の記述をもとに場所を特定し、地図に書きこんでいきます。その場所だと思った根拠などもロイロノートのカードに書き込み、発表資料を作成します。それをもとに全体の前で発表します。
発表の際には、本文中のどのような記述から考えていったのか、考えの道筋を話すことをポイントにしました。その後にもうひとつグループワークを行いました。作品に出てくる場所を全部地図上で探し、『こころ』の文学MAPをグループで作成するという作業です。
その際に、ロイロノートの地図機能を用いたり、現在に残っていない建物などは、web機能を使って調べていきました。
作成した文学MAPについて、各グループで発表を行いたかったのですが、今回は時間が足りなかったので、各グループのタブレットにそれぞれのグループが作成した発表用のスライド送信し、鑑賞しました。

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ロイロノート導入のメリット

古地図を画像データ化し、それに直接書き込めるため、発表するときにスクリーンに大きなサイズで映し出せたことが一番のメリットでした。

カードとカードを繋げるだけなので、発表資料の作成に時間がかからず、グループワーク→発表という流れが1時間の中でできたのも大きなメリットになりました。

地図機能で地名の検索やストリートビューなどが簡単にできるため、グループワークの際に大いに役立ちました。このように発表資料の作成が簡単な操作でできるので、時間短縮になり、生徒の意欲を下げることなく、発表まで繋げることができました。


実践の目標

下宿の場所について書かれた文を見つけ、その文を正確に読み取ることができる。

本文の記述をもとに、論理的に考えて結論を導き出すことができる。


実践の場面

1. 課題の説明をする

夏目漱石の『こころ』に登場する、「先生」と「K」の下宿の場所を、本文の記述から読み解き、現実の地図上に探すことが本時の課題だ。地図は作中の時代に合わせて、明治40年代に作られた古地図を用意し、ロイロノートのカードで作成したスライドを用いながら課題の説明を生徒に行った。
この課題を通して、文章を正確に読み、それをもとに論理的に考えていく力を養うことを目的とすることを念頭に置きながら授業を進めていく。



2. 課題を配布する

生徒に課題を説明した後、説明の際に用いたロイロノートのスライドと、明治40年代の古地図の画像データを、ロイロノートの送信機能で生徒のタブレットに一斉送信する。
その際に、データだけではなく、実際に古地図に触れられるよう、プリントアウトしたものも配布した。


3. 発表のための資料をグループで作成する

最初のグループワークでは、「下宿の場所」と、「下宿~帝大の通学路」について考えていく。本文の記述をもとに、配布した古地図に書きこみをしていくのだが、古地図だけでは情報に乏しい部分があるため、現代の地図も同時に使いながら作業を行っていった。現代の地図については、ロイロノートの地図機能を用いることで、古地図との比較も簡単に行うことができた。
地図への書き込みの他に、なぜその場所だと思ったのか、根拠となる考えや、考えにいたるまでの道筋についてもロイロノートのカードに記述し、発表をするための資料として作成していった。



4. 発表資料をもとに、グループごとに発表する

先ほどのグループワークで作成した発表資料をもとに、先生とKの「下宿の場所」と、「下宿~帝大の通学路」の地図上の場所について根拠を踏まえながら各グループが発表を行う。ロイロノートの画面をスクリーンに映し、作成したカードをスライドさせながら発表を行っていった。
その際に、本文中のどのような記述から考えていったのか、考えの道筋を話すことをポイントにし、それぞれのグループが読み解いた内容や、思考、根拠をクラス全体で共有できる場となった。


5. 『こころ』の文学MAPをグループで作成する

次のグループワークでは、作品に出てくる場所を片っ端から地図上で探し、『こころ』の文学MAPをそれぞれのグループで作成していく。
プリントアウトした古地図と、ロイロノートの地図機能を用いながら作成していった。
また、現在には残っていない建物などは、ロイロノートのweb機能を使って調べることで、現在の地図のどの場所にあったかを確認することができた。



6. 文学MAPについて発表を行う

先ほど作成した『こころ』の文学MAPについて、各グループの発表を行った。
今回は時間が足りなかったので、全体の前で発表することはできなかった。
そのため、ロイロノートを使って、各グループのタブレットにそれぞれのグループが作成した発表用のスライド送信し、グループごとでそれを鑑賞する時間を持った。
発表できる時間を持てなかったことは残念だが、全体で発表資料を共有できたので、それだけでも生徒の学習に効果的に働くことができた。



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