高2 地学基礎 実験を通して密度差による海水循環について理解させる【実践事例】(愛媛県立松山西中等教育学校)
授業担当者 | 宮﨑雄一 |
ICT環境 | 1台 / 4人以上で1台 |
学年 / 教科 | 中等教育学校5年生(高校2年生)/地学基礎 |
単元 | 海水の循環 |
〈実践の概要〉
まず、温度差による海水の対流について実験結果を予想させ、各班の考えを発表させる。さらに検証実験①を行い、結果をタブレット端末の動画機能で撮影させて提出させ、実験結果と知識が結びつくようにさせる。次に濃度差による対流を理解させるため、実験方法を各班にデザインさせ、検証実験②を行う。うまく結果が出なかった班については、実験方法から考えさせ、再実験により濃度差による層構造の形成を理解させる。2つの実験から海洋の深層循環の原因を理解させ、結果として熱の輸送が地球規模で起こることを考察させる。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
結果を図や文章で残していたが、動画で残せるので後で見返して、確認できる。
実験結果の提出も簡単なので、集約したものを全員で共有でき、また実験の進捗状況を教員が掌握することもできる。
対流現象など空間と時間の中で変化する現象を扱うことができる。
〈実践の目標〉
海洋の層構造を理解させる。
実験を通して、密度差による海水循環について理解させる。
思考力・判断力、表現力を高めさせる。
実験結果をタブレットで撮影している様子 生徒たちが提出した動画
〈場面1〉本時の目標を確認させ、海洋に関する知識を確認する
本時の検証実験①、②は、ロイロノートを使用して実験結果を記録、提出をしてクラス全体で共有しながら学習を深めることを理解させる。検証実験①、②の動画の撮影では、無色透明な水溶液では観察や撮影が困難なので水に色をつけて見やすいようにさせた。海洋の層構造と水温、組成について既習内容を確認させる。
〈場面2〉検証実験①温度差による対流について実験結果から理解する
科学的な根拠に基づいて予想を立てさせ、検証実験①を通して知識と結びつくようにさせる。温度差のある海水を混合するとどのような現象が起こるかを班ごとに予想させて、発表させたのち検証実験①をさせ、実験結果については動画にて撮影し、終了した班から提出させ、他の班の結果と比較検討させ、熱対流について理解を深めさせる。
〈場面3〉実験②濃度差による層構造について実験結果から理解する
食塩水の密度差を生じさせ、またそれが層構造を形成できるように、実験方法をデザインさせる。検証実験①とは異なり、詳しい実験方法は指示せずに自分たちで考えさせ、どのように工夫をすれば実験が上手にできるかを班ごとに実験を顕著な結果が出るまでやらせ、撮影した動画で確認しながら実験方法を検討させる。密度の差を大きくすることで結果が導けることから、層構造の形成と対流の関係を理解させる。
〈場面4〉海洋の大循環について理解する
本時の実験結果から、海洋の大循環には温度差と濃度差が大きく関わっていることに気付かせる。その上で、海洋の深層循環の図から海流の向きや起点になる場所を読み取らせ、その成因と本時の実験結果を結びつけて理解を深めさせる。