(愛媛県立新居浜西高等学校)民主主義の問題点について考える―多数者の専制を通して―【実践事例】

(愛媛県立新居浜西高等学校)民主主義の問題点について考える―多数者の専制を通して―【実践事例】


基本情報
授業担当者清水 隆弘
ICT環境本校160台 授業時1人1台タブレット
学年 / 教科高校1年生 現代社会
単元基本的人権と法の支配
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〈実践の概要〉
最初に模擬選挙演説を生徒に聞かせて、投票をロイロノートで実施させた。また、投票した理由や投票された候補者それぞれのメリットとデメリットを班で考察させ、発表させた。さらに、班で考察を深めた意見を基に、再び選挙演説を聞かせ、熟慮した上で最終投票を行わせた。

〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
一度に生徒全員の意見を確認できる。
投影された画面に生徒の意見を、直接反映できる為、生徒が多くの意見を参考にすることができる。
意見を発表しにくい生徒の意見が反映される。

〈実践の目標〉
多数者の専制について理解し、少数派の意見を尊重する態度を身に付けさせる。
必ずしも、多数者の意見が正しいわけではないことを考察させる。
多数者の専制が、歴史上、人権侵害や戦争の拡大を招いたことを理解させる。

〈授業写真〉
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〈場面1〉選挙演説を聞き、投票を行う
社会貢献や教育・福祉政策に重点を置くA候補と、極端な政策で民意を引き付けようとするB候補の演説を聞かせ、最初は深く考察せずに、ロイロノートで投票を行わせた。A候補は黄色、B候補は赤のシートを提出箱に提出させ、一目で何票入っているか分かるようにした。

〈場面2〉投票した理由を発表する
なぜ自分が、投票を行った候補に票を入れたのかについての理由をロイロノートで記入させ、提出させた。「消費税は高くなるが、老後の生活が保障されると安心だから」「A候補の公約は長期的に効果が出るものが多い」「消費税がなくなることは、国民の負担が減ると思った」などの意見が聞かれた。

〈場面3〉A候補とB候補の長所と短所を班で考え、発表する
2人の候補の長所と短所について、各班で考察させた。様々な意見に触れ、自分の意見について多角的に考察させることが目的であった。生徒は現実的かつ具体的に将来について考察できていた。特に、消費税の撤廃を訴えるB候補の政策に対して、「社会保障が十分に浸透しない」や「国民の負担は減り、消費が活発化」するなど多くの意見が寄せられた。

〈場面4〉選挙演説を聞き、投票を行う(2回目)
班で熟考した内容を踏まえ、もう一度2人の候補者の演説を聞かせた。自分の意見を整理する時間を与え、ロイロノート上で投票させた。

〈場面5〉まとめ
戦時中の多数者の専制の状況を確認し、多数派の意見に流されないよう、判断基準を明確に持って、行動に移すことの大切さを説いた。また、少数派の意見にも耳を傾け、正しい価値判断ができるように、努力していくことを伝えた。

〈授業写真〉
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