(桐朋中学校)ロイロノートとZOOMの合わせ技で、英作文をオンライン授業でライブ添削【実践事例】
授業担当者 | 田中敦英 |
ICT環境 | 1人1台タブレット(休校期間中のオンライン授業として、自宅にて) |
学年 / 教科 | 中学3年/英語 |
単元 | 英作文演習 文型・現在完了 |
〈実践の概要〉
COVID-19による休校期間中、学校設定科目「中3英語演習」の目標の一つである「中学既習事項の運用力の強化」を、ZOOMによるオンライン授業で双方向的に実現できないか模索する中で生まれた取り組みです。本校自主教材に収録された英作文問題について、短いポイント解説をした後、生徒が各自で取り組む時間を作り、ロイロノートの提出箱に提出するよう促します。その後、正答例と提出された複数の解答を画面に表示し、それぞれの解答のよかったところ、複数の解答に共通して気をつけるべきまちがいなどをZOOM上で解説する、という流れで進めました。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
休校中のような状況でも、課題配信とフィードバックが可能な基本機能が充実していることにより、学びの営みを継続することができる。
生徒たちの提出状況が一斉に把握でき、課題配信のペースが調節しやすい。
「テキストカード」と「手書きを写真に撮ったもの」どちらも提出可能なので、課題へ取り組むハードルが下がり、多くの生徒が取り組むことができる。
提出箱の「共有」機能によって、オンラインでも生徒たちの解答例を一画面で見ながら授業を進めることができる。
〈実践の目標〉
既習事項を活用して英作文をすることで、自分で文を生み出しアウトプットする力をつける。
同学年の他の生徒の作例も見ることで、自分の作例を客観的に見る視点を育てる。
〈授業写真〉
〈場面1〉ポイント解説を聞き、作文にトライ
生徒たちは、まずはZOOMによるオンライン授業(時間割を設定してのリアルタイム配信)で、テーマになっている項目についての解説を聞きます。既習の事項でも、作文するとなると理解があやふやな部分があるため、既に学んだ教科書の例文などを複数見ながら注意点を確認します。その後、英作文問題に取り組み、提出箱に提出します。
〈場面2〉オンライン授業で、複数の作例比較から学ぶ
提出は、用意された解答用紙風のテキストカードに記入しても、手書きしたものを写真に撮影してもかまわない形になっています。提出後、教員が選んだ複数の生徒の解答例をZOOM上で見ながら、それらの良い点・改善点についてのライブ解説を聞き、別解の可能性や共通して間違えやすいところを確認します。
〈場面3〉解説を参考に、自分の作例を添削
解説と複数の作例を参考に、自分自身の作例を検討し、文法・語法的に正しいか、場面に応じた適切な表現になっているかなどを確認します。
〈場面4〉質問があれば個別にカードで送信
自分の書いた英文が正確で適切なものであるかどうか、解説だけで判然としないときには、質問カードを教員に送信することで、質問ができます。教員は学年に2名担当者がいるので、比較的早くフィードバックを受けることができます。
〈場面5〉復習の仕上げに、例文の音読
扱われた項目の復習の一環として、上記自主教材に収録された例文を音読します。ZOOM上のオンライン授業の中でも、授業担当の教員から発音・区切り方・文のアクセントなどのコーチングがあり、リピートする時間が確保されています。
〈場面6〉例文音読はカードにして提出
例文の音読は、ロイロノート上でカードにすることで提出可能になります。録音の提出に伴って「聞かれる」ことを意識することで、録音前に自然と何度も声に出して練習することになります。また、提出前に自分の音読を聞くことで、自分の発音の癖や読み間違いなどに気づき、音声の客観的な分析力が身につきます。