高1 情報 「フェイクニュースを考える」【実践事例】(東奥義塾高等学校)井上嘉名芽
授業担当者 | 井上嘉名芽 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 高校1年/情報(社会と情報) |
単元 | メディアリテラシー |
〈実践の概要〉
私たちは新聞やテレビ、ラジオ、Webなどのマスコミから発信された情報を得るときに、その発信した意図を正確にくみ取り、適切に取り扱わなくてはならない。また、私たち自らが情報の発信者として責任を持つ必要がある。普段はTwitterやInstagramなどで情報発信している生徒も多いが伝達の怖さを今一度考える必要がある。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
直感的に操作ができる。
シンキングツールの授業実践事例を使用することで思考の可視化が簡単にできる。
提出箱を利用して生徒の思考をクラス全体で共有できる。
〈実践の目標〉
物語を題材に主人公を変更して「挿絵」や「文章」に対する「見出し」を考える。
見出しが違うと同じ挿絵の意味合いが大きく変わることを確認する。
情報の発信者としての責任を再認識する。
〈場面1〉ウェビングを使用して関連づける
「情報の伝え方」をキーワードにしてウェビングを使用して関連づける。
まずは、情報の伝え方は身近なスマホを発信元として考えることから始まり、インクルーシブ教育の観点からも発想する。
〈場面2〉ダイヤモンドランキングを使用して順位づける
「情報の伝え方」についてダイヤモンドランキングを使用して本校生徒の利用頻度の高いものから順位づける。
展開1のウェビングからシンキングツールを切り替えてダイヤモンドランキングを使用する。上位にはTwitterやInstagramをはじめスマホを媒体としたトピックが多くあることを確認する。
〈場面3〉「It's Media」の風刺画を見てフェイクニュースを考える
情報の切り取り方の違いで大きく報道が変わってしまうことを確認する。情報伝達のあり方についてイメージする。情報発信の3要素として「見出し」・「挿絵」・「文章」が挙げられることを確認する。「It's Media」も3つの要素で説明されていることや、風刺画内の実際の場面とモニターを通した場面で伝える内容が全く反対になることを確認し,情報発信者の主観が大いに左右することを確認する。 展開2で各生徒達が最上位に来ている情報伝達手順もこの3つの要素を意識しなくてもほぼ入力していることを確認させる。
〈場面4〉キャンディーチャートを使用して考えを見通す
キャンディーチャートを使用して主人公を変更して「挿絵」と「文章」に対する「見出し」を考え見通す。
「桃太郎」(一般社団法人国際デジタル絵本学会)を題材にして同じ「挿絵」と「文章」の組み合わせを使い、1つ目は一般的に知られている物語の見出しを考え、残り2つは主人公を変更してフェイクニュースを考える。
〈場面5〉Yチャートを使用して多面的に見る
Yチャートを使用して多面的に見て,「見出し」に込められた思いについてPMIを使用してまとめ,フェイクニュースがうまれるニュアンスを感じ取る。
場面4のキャンディーチャートからシンキングツールを切り替えてYチャートを使用する。Yチャートを使用して「見出し」を変えるだけで同じ「挿絵」と「文章」を使用しているのにもかかわらず、物語の印象や物語の内容すら全く変わって伝わってしまうことを確認する。同時にYチャートからシンキングツールを切り替えてPMIを利用し、その「見出し」を考えた思いをまとめフェイクニュースが生まれる原因を考える。そして,「見出し」が違うだけで簡単に情報伝達内容が変化してしまう怖さを感じとる。普段自ら発信する内容は本当に正確な情報を伝達できているのか今一度、各自考える。
〈場面6〉フェイクニュースを友達に伝達する
作成したフェイクニュースを友達に伝達しその「見出し」に込められている思いも伝える。その後お互いにカードを交換し、データチャートに気に入った6枚のカードを集める。アウトプットとまとめとして,誰もが知っている物語も見出しによって大きく変わることを確認して今後自分自身が情報発信するときに気をつけなければならないことをまとめる。
〈場面1〉~〈場面3〉
〈場面4〉~〈場面6〉
〈授業写真〉