社内Q&A(FAQ)とは、社内のよくある質問に対応する回答のこと
社内Q&A(FAQ)とは、社内で発生したよくある質問とそれに対する回答を、体系的に整理したものです。
本来、Q&Aは「質問と回答」のセットを意味しています。その中で、実際に来た「よくある質問(と回答)」を「FAQ」と呼びます。ただし、Q&AとFAQは、現代においてはいずれも「よくある質問(と回答)」を指す言葉として扱われるのが一般的です。
社内Q&A(FAQ)には、「社員の問い合わせ対応用」と、「ユーザーからの問い合わせに対してコールセンターのオペレーターが電話応対する際、回答を支援する目的用」の2種類があります。この記事では、社内FAQを中心に解説します。
▼社内FAQについては、下記のコラムで詳しく解説しているのでご一読ください。
社内FAQをExcelで作るメリット
社内FAQをExcelで作成すると、いくつかのメリットがあります。ここでは、社内FAQをExcelで作るメリットを解説します。
FAQを無料で作成できる
社内FAQをExcelで作成するメリットのひとつに、無料で作成できることが挙げられます。Microsoft Officeはほとんどの企業で導入されており、Excelはビジネスシーンで日常的に用いられている代表的な表計算ソフトです。
Microsoft Officeが導入されていなければ初期費用はかかるものの、すでに導入されていれば、FAQ作成という目的であっても、別途費用がかかることはありません。「FAQを作成したいがコストはかけられない」という場合には、特にありがたい存在といえます。
また、「とりあえずFAQを作成して社内の反応を見たい」という場合にも、Excelは有効といえるでしょう。
操作性になじみがあるため、特別な研修が不要
Excelは、日常業務で使われることが多いソフトです。ほとんどの人にとって操作性になじみがあるため、特別な研修を設定する必要がないのが、社内FAQをExcelで作成するメリットといえます。
新たなツールやシステムを社内で普及させるには、どうしても習熟させるための研修やトレーニングが必要となり、工数もかかります。Excelで作った社内FAQなら、その必要がありません。
社内FAQをExcelで作るデメリット
社内FAQをExcelで作成する場合、決してメリットばかりではありません。続いては、社内FAQをExcelで作るデメリットについて解説します。
検索機能が弱い
社内FAQをExcelで作成するデメリットとして、検索機能の弱さが挙げられます。Excelは本来集計をしたり、グラフ化したりするのを目的としたソフトであり、検索性は想定されていません。
そのため、例えば複数のキーワードで検索する場合、ひと手間かかります。また、求める回答を探す場合に、時間がかかることもあるでしょう。特に、即答性が求められるコールセンターでは、Excel作成による社内FAQは不向きといえます。
FAQ増加などでデータが重くなり、動作が鈍くなる
Excelで作成した社内FAQは、FAQを増やすごとにデータが重くなるのがデメリットといえます。重くなったExcelは起動や動作が緩慢になり、急いで回答を探したいときなどにストレスを感じるでしょう。それにより、社内FAQとして活用されなくなるおそれもあります。
なお、処理に時間がかかる関数やマクロを組み込んでいたり、図版や動画を挿入していたりすると、さらにExcelが重くなるので注意が必要です。
見やすさに欠ける
Excelによる社内FAQは、表計算ソフトという性質上、テキスト中心の構成となるため、見やすさという観点で見ると問題があります。デザインの自由度も低く、ひと目で求める回答を見つけられるとは言い難いのはデメリットです。
Excelを使って見やすいFAQを作成するには、後述するように目次を設けたり、カテゴリー分けをしたりといった工夫が必要です。
社内での共有や管理がしにくい
社内FAQをExcelで作成した場合、社内において共有や管理がしにくいのもデメリットです。
具体的には、使用するExcelのバージョンによって共同編集ができなかったり、他者による更新内容がリアルタイムで見られなかったりすることが挙げられます。
また、編集時のルールなどを統一しておかないと、検索時に問題が生じることもあるでしょう。社内FAQを作成する場合には、共有や管理のしやすさも考慮する必要があります。
社内FAQをExcelで作成するときのポイント
社内FAQをExcelで作成する場合、少しでも見やすくなるようにポイントを押さえておきたいところです。ここでは、社内FAQをExcelで作る際に、見やすくするためのポイントについて解説します。
目次をつける
社内FAQをExcelで作成する場合、目次をつけることで目的のFAQを探しやすくなります。目次の項目ごとに回答へ飛ぶハイパーリンクを設定しておけば、必要な回答へすぐにたどりつくことができるでしょう。
カテゴリーごとにシートを分ける
カテゴリーごとにExcelのシートを分けるのも、社内FAQ作成時のポイントです。シートを分けることで、目的のFAQを探すのにスクロールし続ける手間が軽減されるでしょう。
ただし、カテゴリーの分け方やFAQの振り分けが適切ではないと混乱を招きかねないので、注意したいところです。
管理者を定める
社内FAQをExcelで作成する際には、管理者を定めておくことも大切です。管理者を明確に定め、定期的に更新することで情報更新のルールが統一され、検索時にノイズとなるFAQが表示されにくくなります。また、共同編集による誤った削除や表記不統一といったトラブルも、軽減されるでしょう。
なお、情報更新の作業が管理者の負担となる場合には、権限を複数の担当者に分散することも検討してください。
目的を明確にする
作成時のポイントとして、社内FAQを作成する目的を明確にしておくことが挙げられます。社内FAQが各部門共通で作成されていると、さまざまなFAQが混在し、求める回答が探しにくくなることが考えられるからです。
社内FAQは、部門間の連携用や新入社員のサポート用、もしくはユーザーからの電話応対支援用といった目的ごとに作成するのがおすすめです。その際に、どのように社内FAQを運用していくか、ルールも明確にしておきましょう。
Excelを使った社内FAQの作成方法
社内FAQをExcelで作成するには、どのような段取りを踏んで行えばいいのでしょうか。ここでは、Excelを使って社内FAQを作成する方法について、順を追って解説します。
1. 質問を集めて整理する
社内FAQを作る際には、まず質問を集める必要があります。
重複したり類似したりしている質問を整理した上で、実際によくある問い合わせを抽出します。抽出の際には、問い合わせ件数や重要度で、優先順位をつけるようにしてください。
2. 質問に対する回答を作成する
社内FAQを作るにあたっては、質問に対する回答の作成が必要です。回答は簡潔でわかりやすい表現を用いて作成しましょう。また、関係部署などに問い合わせ、正確で誤解のないものにする必要もあります。
なお、最初からすべての質問と回答を網羅しようと思うと、なかなか社内での公開や共有に踏み切れません。まずは、簡単な質問と回答を作成し、スモールスタートするのがおすすめです。
3. 共有後は定期的に更新・改修する
Excelで作成した社内FAQは、共有する際にメールや社内ネットワークなどで積極的に認知してもらうようにしてください。せっかく作っても、社内で使われなければ意味がないからです。
なお、一度作成して公開・共有したら、そこで終わりではありません。定期的な更新や改修も不可欠です。定期的に情報の更新や見やすさ向上のための改修を行い、古くて誤った回答が混在したり、見にくさで使われなくなったりしないように注意してください。
Excel以外の社内FAQの作成ツール
社内FAQは、Excel以外でも作成可能です。ここでは、Excel以外の社内FAQの作成ツールについて解説します。
Google スプレッドシート
Google スプレッドシートは、社内FAQを作成するツールのひとつです。Excelと似た機能を持つため、Google アカウントを持っていれば無料で使用できるというメリットがあります。
ただし、Google スプレッドシートは基本的にオフライン環境では使えません。また、「FAQが増えたり関数を組み込んだりすると重くなる」「検索機能が弱い」といった、Excelと同様のデメリットがあることに注意が必要です。
チャットボット
AIを活用した自動会話用プログラムであるチャットボットも、社内FAQを作成するツールとして挙げられます。チャットボットは、作成用テンプレートが用意されているものも多く、比較的簡単に作成可能な点がメリットです。
なお、チャットボットの導入・運用には、手間や時間がかかる傾向があるので注意が必要です。また、チャットボットのタイプによるものの、すべての質問に回答できないこともデメリットといえます。
FAQシステム
検索性が高い社内FAQを作成する必要があるなら、FAQシステムを活用しましょう。FAQシステムは、Q&AやFAQの作成・運用に特化したシステムであり、誰でも簡単に見やすいFAQが作成できます。
「Helpfeel」のように生成AIを活用し、メールやメモ書きのほか、PDFからFAQのドラフト(草案)を使って、社内FAQを作成できるシステムもあります。
社内FAQはFAQシステムで作成して、利便性を高めよう
社内FAQは、社内のよくある問い合わせに対する回答をまとめたものです。Excelで作成することで、簡単かつ低コストで形にできます。
ただし、ExcelによるFAQは、検索性や操作性のほか、視認性などに問題を抱えたものになる可能性があるため、注意が必要です。
社内FAQを効率的に作成するなら、FAQシステムが最適といえるでしょう。
例えば、検索型FAQシステム「Helpfeel」を利用することで、生成AIを活用した独自の特許技術「意図予測検索」が可能になったり、メールの文面やPDFから、AIがFAQのたたき台を作成してくれたりします。
誰にとっても使いやすいFAQを構築するため、「Helpfeel」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。