高1 数学 二次関数 2次関数の最大値・最小値について両端の定義域が動く【実践事例】(愛媛県立松山南高等学校)
#実践報告 #授業実践事例
授業担当者 | 新海孝則 |
ICT環境 | 2人1台タブレット |
学年 / 教科 | 高等学校1年 /数学Ⅰ |
単元 | 2次関数 |
〈実践の概要〉
2次関数の場合分けを行う最大値・最小値を求める問題は、苦手と感じる生徒が多く、生徒が視覚的に理解しやすい環境で問題に取り組ませることが効果的であると考えた。これまではパソコンで作成したアニメーションをプロジェクタで映し、生徒が理解するように授業を進めていたが、タブレットのロイロノート・スクールのアプリを活用することで、タブレット1台1台にアニメーションを配信することができ、生徒自身がグラフを動かすことができるようにした。また、モールを利用して放物線と定義域の位置を生徒自身の手で動かしながら考え、思考の過程をタブレットのカメラ機能を利用し、ロイロノート・スクールの提出箱に写真を解答として提出するグループも存在した。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
生徒各自が自分自身でアニメーションを操作でき、主体的に取り組むことで、理解させることができる。また、画面配信を行うことで教師が一斉に説明を行う際にも活用することができる。
1時間の授業で使ったプリントや解答をロイロノート・スクールで管理しているので、生徒が自宅でスマートフォン等を用い、家庭学習をスムーズに行うことができる。また、欠席した生徒に対してもフォローしやすい環境を用意できる。
宿題の実施状況の把握がしやすく、事前に生徒の解答を見ることができるので、授業で宿題の解説をする際に実態把握した上で授業の構成を工夫することできる。
〈実践の目標〉
アニメーションを利用して生徒にとって思考が深まりやすい環境を整備することで、生徒一人一人の思考力及び理解力を高める。
視覚の情報から2次関数のグラフの特徴を理解することができるので、グループ活動を行うことで、数学が苦手な生徒にとっても考えやすく取り組みやすい雰囲気を作る。
活動する場面と思考する場面の双方で有効活用することができるので、やり方を試行錯誤しながら、生徒にとってよりよいものを追求することができる。
〈場面1〉前回の学習の復習
前回の授業の復習をスライドを使って見せることで短時間で行うことができる。数学の授業で新しいことを学ぶときに、前回学んだことを利用して考えを広げていくことが多いので短時間で復習できることは学習内容の定着度を上げることにつながる。また、生徒に前回の復習の内容のPDFファイルをロイロノート・スクールを用いて配布することで、授業の中で生徒が必要な場面に応じて、フィードバックしながら学習を進めることができる環境を提供することができる。
〈場面2〉本日の授業の問題
本日の授業の問題を提示し、今まで学習したことについて、理解している内容の確認と理解できていない内容の確認を行う。以前学習した問題を提示し、生徒の理解の程度を確認しながら進めることができる。本日の授業の問題と学習した問題の違いに気付き、その違いをヒントとして生徒の思考力を深めていく。
〈場面3〉グループ活動で利用
各グループで問題の解答をまとめる。まとめ方に関しては、教師が指定するのではなく各グループで考えた方法でまとめさせる。ノートでまとめたものをカメラで撮影するグループ、モールを2次関数のグラフと見立て、カメラで撮影してペイント機能を利用してまとめるグループ、ジオジブラのアニメーションをスクリーンショットで撮影しまとめるグループなど、それぞれのグループで意見を出し合いアクティブ・ラーニングを行うツールとしてロイロノート・スクールを利用できる。また、自分の考えを人に伝える力を養うことにもつながり、表現力の向上につながる。
〈場面4〉グループ活動での意見を共有
提出箱に提出した解答を比較しながら、画面配信し、それぞれの良さを共有する。その結果、授業の内容の理解力と表現力の向上につながる。様々な解答に触れることが難しかった従来の授業と比べると多様な解法に触れることができ、柔軟な発想につながりやすい環境となる。
〈場面5〉授業のまとめ
授業の中で今日学んだことをまとめ、生徒と確認する。これは、授業の中で最も大切なことであり、限られた時間の中で行うためには、短時間でいかにコンパクトにまとめることができるかが重要である。そのため事前にまとめを作り、準備することができる。
〈場面6〉宿題を提示する
問題演習を宿題として行い、取り組んだ記録を撮ってロイロノート・スクールで提出する。生徒には、本日授業で利用したPDFファイルやアニメーションなどを配布し、家庭学習の強化に努める。生徒の中には、家庭でロイロノート・スクールを利用することができない生徒もいるので、その場合は、配布するものと同じものをコピーして渡すことで、不公平感が出ないように配慮する。