(親和女子高等学校)反転授業の実施。「教わる」から「学ぶ」へ【実践事例】
授業担当者 | 梅﨑 瞭 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 高校1年 / 生物基礎 |
単元 | 遺伝子とそのはたらき |
〈実践の概要〉
本校では、どれだけ丁寧に面白く解説を行っても、受験時に高校1年生の内容を忘れている生徒が多いと
いう現状です。ならば、「学び方を鍛える」ことこそ生徒にとって最高の授業なのではと考え、反転授
業を始めました。
クラスを6つのグループに分け、毎授業ごとの担当テーマを決めます。担当テーマについて生徒たちは事
前にそれぞれで学び、授業では学んだ内容を他の生徒に伝えます。教科書、資料集だけでは不安という
声にこたえるためにロイロノート上で解説動画を教師が作り、資料箱に入れています。生徒たちは解説
動画も含めて様々なものを活用しながら各々学んできた状態で授業をむかえます。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
反転授業を始める際の不安の声に対応できる。
容量無制限のため、解説をテスト前、受験前など様々なタイミングで見ることができる。
解説を手軽に作ることができる。
〈実践の目標〉
生徒の意識を「教わる」から「学ぶ」に変える。
コミュニケーション能力、表現力など生きていくのに必要な力を鍛える。
授業内で生徒がアウトプットする時間を増やす。
〈場面1〉なぜ反転授業をするのか説明する
反転授業の流れ、反転授業と講義型の授業のそれぞれのメリットを説明する。インプットよりもアウト
プットを増やす方が効率的な学習になること、これからの社会では思考力、判断力、表現力のある人間
が求められていることなどを説明した上で、反転授業の方が生徒たちの人生において価値のある時間を
作れる可能性があることを伝えた。
こういった説明を丁寧に行い、生徒たちに「やる価値」を感じてもらうことがとても大切だと考えてい
ます。
〈場面2〉教師による解説カードの作成
ロイロノートを使用し、カードに解説を録音していく。動画ではなくそれぞれのカードに録音をするこ
とにより、生徒たちは聞きたい部分だけを聞くことが可能。また、教師側としてもカードごとに録音す
ることによって、説明が長くなりすぎることを避けられる。完成した動画は資料箱に保存し、生徒がい
つでも使える状態にしている。
〈場面3〉グループ分け、担当内容決め
1クラスを6つに分ける(1グループ5、6人)。授業で扱う内容をいくつかに区切り、提示する。各授業で
は3つの内容を扱い、全グループが3つのうちどれか1つの内容を担当する(毎回、同一内容を担当するグ
ループが2つずつ存在)。単元の最初に、いつどの内容を発表してもらうかを示し、担当内容を決める。
決まった担当内容について、生徒は授業までにそれぞれ学んでくる。
〈場面4〉授業内の活動1 発表準備
授業開始から15分間は発表準備の時間としています。それぞれ学んできた内容をどう説明するのか話し
合います。発表形式は自由にしていますが、ホワイトボードを活用する生徒が多いです。教師は質問が
あれば答えます。「これどういう意味ですか?」という質問ももちろんありますが、「なぜこうなって
いるんですか?」という質問の方が圧倒的に多く、今までよりも深く学ぼうとする姿勢が見えます。
〈場面5〉授業内の活動2 発表
5分×4回発表の時間をとります。それぞれの生徒は発表を1回、他の生徒の発表を3回聞きます。発表準
備はグループでしましたが、発表時は1人もしくは2人で行います。教師は質問があれば答えます。
〈場面6〉授業内の活動3 ふりかえり
10分程度ふりかえりの時間をとります。説明を聞いて抱いた疑問について議論したり、ノートにまとめ
たり、問題を解く時間としています。また、余裕のあるグループは次回の内容について話し合っていま
す。教師は質問があれば答えます。