株式会社ゲオホールディングスは、お客様の身近な暮らしを豊かに、楽しくすることを目指し、数々の事業を展開するグループ会社です。ゲームやスマートフォンなどの買取販売および新品販売、DVD・CD・コミックのレンタルを行うメディアショップ「GEO」の運営をはじめ、リユース事業「セカンドストリート」やモバイル事業なども手がけています。
その中で、「セカンドストリート」は店舗数や顧客数が伸び続けている成長著しい事業です。事業成長に比例してお客様からの問い合わせ件数も増えてしまっていることに悩んでいました。自己解決できる疑問点はWeb上で解消していただき、スムーズにサービスを利用していただくことを目指してHelpfeelを導入。問い合わせ件数は横ばいに落ち着き、お客様が自己解決できている状況がうかがえています。
また、カスタマーサクセスの伴走によって社内の運用体制も整い、データ分析をもとに改善策を打つというサイクルを回せるようになりました。さらに問い合わせ削減だけでなく、売上アップにつながる施策にも着手しています。
Helpfeelの導入理由や活用方法、効果について、WEB事業部 WEB事業企画課の内村 圭汰様に話を伺いました。
事業成長に比例して、問い合わせ件数も増え続けてしまった
── はじめに、WEB事業部 WEB事業企画課における内村様の業務内容を教えてください。
WEB事業部はWebの力でゲオグループのビジネスにおける価値を生み出すことをミッションに、Web事業全般の企画、テスト、各事業部との調整および導入を行っています。
コロナ禍に入ったタイミングで、ゲオグループとして店舗だけでなくWeb戦略にも本腰を入れる方針が掲げられ、WEB事業部の前身となる部門が立ち上がり、今に至ります。
また、Webにまつわる施策のほかに個別のプロジェクトが進行する場合もあり、私は現在、通常業務と並行して「セカンドストリート」の専門店立ち上げを担当している状況です。
── Helpfeelを導入する前、「セカンドストリート」事業ではどのような課題を抱えていましたか。
ありがたいことに店舗数や顧客数が順調に増え、売上も伸びていたのですが、比例して問い合わせの数も増え続けていたことが課題でした。Webサイトに載せているような簡単な内容の質問も多く寄せられていたのです。
現在の「セカンドストリート」のWebサイトは2023年春にリニューアルしたもので、以前のWebサイトにあったFAQページは検索機能がなく、Q&A形式で「よくある質問」をテキストで書いているだけでした。また、チャットボットも設置していたものの、階層を一つずつ進んでいく形式だったこともあり、お客様が欲しい情報を探しにくく、疑問を解決できないことが多く起きていたのです。当時は社内のリソースも十分ではなく、問い合わせ件数や経路を精緻に分析して改善するサイクルも回せていませんでした。
Webサイトで疑問点を解消できなかったお客様は、問い合わせフォームもしくは電話でお問い合わせいただくことになります。これらの問い合わせはカスタマーセンターが対応するほか、全国にある各店舗の電話番号へ直接問い合わせるケースも増えてしまっており、現場の店長からも、店舗スタッフの負担が大きくなっているという声があがっていました。
こうした課題を抱えていたため、Webサイト上でお客様が疑問を解決できるようにするとともに、データ分析をして問い合わせ状況を把握しながら運用する体制を整えたいと考えていました。
── 課題を解決するために、社内でどのような検討をされましたか。また、最終的にHelpfeelを導入した決め手を教えてください。
Webサイトをリニューアルするタイミングで、この課題を解決策を打つことになりました。
当時運用していたチャットボットに代わる機能の導入を考えたこともありましたが、具体化には至りませんでした。その後、チャットボットを使い続ける選択肢も残しながら、FAQシステムの導入を検討し始めたのです。
その中でHelpfeelを知ったのは、上長と一緒に参加したカンファレンスがきっかけでした。その場でサービスの概要をお聞きし、後日、詳しくご説明いただいたという経緯です。
費用面、運用面など複数のポイントから他社のFAQサービスとも比較検討し、最終的にHelpfeelを導入することに決めたのは、検索精度の高さに惹かれたからです。表記揺れにも対応していて、検索するお客様が「さまざまなキーワードで検索しても、欲しい回答に辿り着けない」状況を解消できるのではないかと思いました。
多くお問い合わせいただく買取に関する質問については、お客様が検索時に入力するキーワードに完全に合致する記事を用意できていないことを以前から感じていたので、Helpfeelに期待が持てたのです。
さらに、オプションで問い合わせフォームにもHelpfeelを設置しました。問い合わせフォームに質問内容を入力している最中に、回答になりうる記事の候補を表示できるので、お客様への大きな提供価値になると感じました。この点は、社内の上層部に報告する際にも重視したポイントです。
カスタマーサクセスの伴走によって、データをもとにした改善を回す体制が整った
── Helpfeelを導入し、どのようなことを目的にして運用を始めましたか。
FAQに載せている基本的な内容については、Web上でお客様が欲しい情報に難なく辿り着ける状態をつくることを目指しました。商品に不具合があった、あるいは会員登録中にエラーが出たといった問い合わせは個別対応が必要になるので、カスタマーセンターのスタッフがこうした対応に集中できるようにしたいと考えていたのです。
導入にあたってはHelpfeelのカスタマーサクセスと相談し、問い合わせ件数を30%減らすことを目標に置きました。
運用体制としては、私およびカスタマーサポート部門などの5名で行っています。記事を作成したり、システム設定をしたりすることは私がメインで担当し、内容ごとに現場に詳しいメンバーの確認をとりながら進めています。
── Helpfeelのカスタマーサクセスへのご感想もお聞かせください。
運用全般においてアドバイスをいただいており、とても助かっています。月次でデータを見ながら、多く検索されている内容についてはFAQ記事を充実させるなどの改善策に着手できているのは、カスタマーサクセスの貢献あってこそです。
軽微な改善であればカスタマーサクセスとの定例ミーティングの時間内で対応を済ませられますし、他部門との調整が必要なタスクについては運用メンバーでミーティングをし、施策を進めるサイクルが回せています。
以前、チャットボットを導入していた時期は、データを分析し、そこから示唆を出したり異常値をキャッチアップしたりしながら施策に繋げることができていなかったので、運用体制が大きくアップデートできました。
自己解決できる問い合わせは着実に減少。FAQ記事から買取ページへの導線をつくり、流入が10倍に
── Helpfeelを導入してからの具体的な効果を教えてください。
導入して1年強が経ち、着実に効果が見られています。この1年で約50店舗オープンして顧客数も増加している中、問い合わせ件数はほぼ横ばいで推移しており、自己解決できる内容の問い合わせは減っています。
また、導入して数カ月後から、オーガニック検索で直接FAQページに流入する傾向が見られるようになりました。特に多いのは、買取と支払方法に関する内容です。
この傾向は、個別の記事を充実させてきた施策の成果が出てきている証だと思いますし、お客様がインターネット検索からピンポイントで欲しい情報に辿り着けるようになっており、大きな価値を生み出せていると捉えています。
さらには、買取ができない商品を説明する記事へのアクセス数が多いことが明らかになったので、その記事に買取方法や買取アイテムを掲載しているページへの導線をつくりました。この導線を設置してから、買取のページへのアクセス数が10倍に増えたのです。このように、問い合わせ削減だけでなく、売上アップにも繋がる施策が打てています。
── 直近で、次に着手したいと考えている施策などはありますか。
「セカンドストリート」のWebサイトへ訪れるお客様の利便性は確実に向上しつつあるので、直近では店舗への問い合わせも減らせるよう施策を打っていきたいと考えています。
サイトリニューアル時には店舗にもお知らせを掲示したものの、FAQの具体的な使い方までは周知できていません。店舗へお越しになるお客様にもFAQの存在をもっと知っていただき、目標数値の達成を目指したいと思います。
お客様にとってのマイナス体験を排除し、コンバージョン率を上げていきたい
── 今後の展望をお聞かせいただけますでしょうか。
まずは、お客様が煩わしさを感じないよう、わからないことをスムーズに解決して、気持ちよくサービスをご利用いただける環境づくりを引き続き進めたいと思います。
そして、一部着手しつつありますが、問い合わせ削減だけでなく売上を増やすための施策もさらに推進したいです。先ほど挙げたように買取ページへの流入が増えているので、遷移先のページにどのような情報があればコンバージョン率が上がるのかなどは、これから具体的に検討したいと考えています。
こうしてデータを活かしながらさまざまな施策を積極的に試してみて、効果があったものはゲオグループ全体へ展開し、WEB事業部としての役割を果たしていきたいと思います。
── 最後に、同様の課題を抱えている企業様にメッセージをお願いいたします。
お客様が疑問を解決できないといったマイナスの体験が生まれているのであれば、できる限り迅速に解決すべきだと考えています。わからないことがある状態が続いたお客様は、すぐ別のサービスに移ってしまうからです。この意味において、Helpfeelは自己解決を促せる大きな価値のあるサービスだと思います。
そして、運用にあたってはカスタマーサクセスの手厚い伴走支援があるので、我々がそうだったように、自社のリソースだけでは運用に不安があるという企業であれば、導入する価値があるのではないでしょうか。