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SBIいきいき少額短期保険の社名が入った看板

顧客からのWeb問い合わせを最大約3割削減。機能と実績を評価し、社内FAQにも追加導入

SBIいきいき少額短期保険株式会社

業界:金融・保険・FinTech

使用用途:顧客向けFAQ

課題:社内業務を効率化したい問い合わせを削減したい

記事の要約
  • 契約前後の手続きにあたって不明点をより素早く自己解決できるよう、保険会社のマーケティング部門が自社サイトで運用する顧客向けFAQツールの見直しを検討

  • 検索性やメンテナンス性などを評価してHelpfeelの導入を決定。導線を増やす機能を活用してFAQ利用者を倍増させ、Webフォーム経由の問い合わせを最大約3割抑制

  • 伴走支援のもとでチューニングを重ね、FAQ利用者が求める回答にたどり着ける割合(FAQ記事到達率)を80%以上まで改善

  • 社外向けFAQとしての成果を踏まえ、社内FAQとしても追加導入予定。今後は部門間連携を通じたさらなるブラッシュアップや、FAQを起点にした購買行動の創出などが期待されている

カスタマーサポートのデジタルシフトでは、「顧客層が幅広い」「複数部門が関係している」などの事情から、現行の体制を大枠で維持する戦略がよくみられます。もっともそうした場合でも、顧客の自己解決に役立つチャネルを充実させ、できる範囲でタッチポイントを増やしていけば、将来まで見据えた顧客体験向上や業務効率化を着実に進めることが可能です。

死亡・ペット保険などで18万件以上(2023年3月現在)の契約を保有するSBIいきいき少額短期保険株式会社は、2023年8月にHelpfeelを導入。重要な手続きを電話で受け付ける基本的な体制はそのまま、増えつつあるオンラインのユーザー向けにFAQを強化し、導線を増やしたところ、顧客からのFAQの閲覧数は2倍に増え、Webフォーム経由の問い合わせを最大約3割減らすことに成功しました。さらにこの成果を踏まえ、コールセンター部門の社内FAQとしても追加導入を予定しています。

FAQの強化に至る経緯や、Helpfeelを選んだ決め手、得られた効果や今後の展望を、同社の中村 勇稀様(ダイレクトマーケティング部 ダイレクト営業グループ 主任)に伺いました。

ネット申込の伸長に合わせてWebの顧客体験向上を目指す

―― はじめに、中村様のご担当業務についてご紹介ください。

私が所属するダイレクト営業グループは、マス広告や外部の商品比較サイト、インターネット広告などを通じ、新規顧客獲得に取り組む部署です。メンバー5人で業務を分担しており、私はサイトへの流入を図る記事コンテンツや、お申し込みまでの動線といったユーザー体験(UX)の改善を担当する一環として、FAQの運用も行っています。

 

―― Helpfeelを導入するまで、顧客対応業務に関してどのような課題がありましたか。

 

オンラインの窓口・情報提供を徐々に強化してきた中で、「よりスムーズで一貫したUXが必要」という課題感がありました。

現在当社は死亡保険・医療保険・ペット保険・地震補償保険という4分野で、少額短期保険の商品を展開しています。死亡・医療保険で60代以上の加入が多いこともあり、カスタマーサポートに占める電話応対のウエートは大きく、重要な手続きは、すべて自社拠点の電話窓口につなぐ体制を採っています。

取扱保険4分野のアイコン

同時に、ペット保険など契約者層が比較的若い分野については、すぐ結果が分かるオンライン見積りやWeb割引を実施するなど、デジタルチャネルにも注力してきました。

ご契約いただいた後のサポートに関しても、Webサイト内に電話窓口へのリンクや問い合わせフォーム、さらに不明点の自己解決に役立つFAQを設けていました。しかしFAQの訪問者は少なく、どこから改善すればよいか見当がつかない状況でした。

そのほか「問い合わせフォームに記入いただき、返答のメールをお待たせしたうえ、あらためて電話での手続きをお願いする」といった迂遠な対応も生じており、もっと手際よくご案内したいという思いもありました。

メンテナンス効率や検索性などを重視、FAQをHelpfeelに変更

―― UXを改善する取り組みの中で、FAQツールの見直しが検討課題となったのですね。


はい。従来当社が使っていたFAQツールには、ユーザー向けの検索機能がありませんでした。また管理側でユーザー行動を把握できず、英語の操作画面や、煩雑な作業を伴う仕様もネックとなり、記事作成後のメンテナンスが行き届かない一因となっていました。

こうした状況を踏まえ、「保険のご契約前後を通じてサイトを訪れる全ての方の不安・疑問を素早く解消するには、動線や内容をユーザー動向に基づいて継続的に改善する仕組みと、そのためのツールが新たに必要」と考えました。

―― Helpfeelを導入した決め手は何でしたか。


2023年春のイベントでHelpfeelを知り、まず触れてみて印象的だったのは、キーワード入力に対して回答候補が自動表示されるという「検索性の高さ」でした。

 

FAQが表示されたパソコンとスマホ

 

競合製品とも比較した結果、伴走支援を得ながらユーザー行動データに基づく運用が可能なことや、それによってFAQの利用者増や自己解決率向上を目指す改善サイクルを回せることが、Helpfeelを導入する決め手となりました。

さらに運用担当者の立場からは、「複数の質問を共通の回答に関連付ける設定」が可能となり、記事作成と更新を効率化できる点も魅力的に感じました。

―― FAQの移行はスムーズに進みましたか。


はい。コンテンツ移行はHelpfeel標準のサービスとしてお任せできたため、切り替えに伴う作業負担は少なく、既存の130記事を1カ月あまりですべて移せたので助かりました。

この間には、既存の内容をそのまま引き継ぐだけでなく「この質問文をこう言い換えては」といった具体的な改善提案もあり、「さすがプロの仕事」と感心しました。

接点をすぐ増やせる機能の活用で自己解決に積極誘導

―― 現在のHelpfeelの活用状況をお聞かせください。

 

2023年8月の公開以来、毎月2、3項目のペースでFAQの記事を追加し続けており、2024年1月時点で147記事を公開しています。

所管部署が異なるため従来触れていなかった「LINE公式アカウントからの手続き」もFAQに盛り込むなど、ユーザー視点で利便性を高めてきた私たちのコンテンツは、Helpfeelの担当者によると「既にかなり充実している」とのことです。そうした回答まで確実にたどり着けるよう、検索キーワードとの関連付けにも力を入れています。

――「サイト来訪者の疑問・不安を素早く解決したい」という導入目的に対し、どのような効果が得られていますか。


まず挙げられるのは、Helpfeelの導入前まで月間2,000件前後だったFAQの閲覧数が、導入後は4,000件以上と倍増したことです。

サイトの来訪者数自体に大きな変動はなく、Helpfeelのポップアップ機能でタッチポイントを増やす施策が成功した、つまりサイト内の主要なページから直接FAQを使えるようになり、不明点の素早い自己解決に誘導できる率が高まったことの現れとみています。

※HelpfeelのボタンをWebサイトに埋め込み、ポップアップさせるウィジェットとして表示する機能。

 

 

サイト右下の「FAQ」タブをクリックすると、Helpfeelがポップアップで表示される


FAQに誘導した後についても、検索キーワードに対して回答候補を何も表示できないケース(ノーヒット)への対策を続けた結果、求めていた回答までたどり着ける割合(FAQ記事到達率)を導入当初の7割から8割超まで改善するなど、大きな手応えを感じています。

最終的に電話対応となる手続きをご案内するFAQ記事が多く読まれるようになったことで、問い合わせフォームを経由せず、直接お電話いただけるケースも増えています。この結果、フォーム問い合わせへの対応件数も減っており、トータルでは約1割、申込時からWeb利用が多いペット保険関連に限定すると約3割の抑制効果が得られています。
FAQ閲覧数は倍増を示す棒グラフと、フォーム経由の問い合わせは最大3割抑制

ユーザー行動に基づくPDCAが定着。マーケティングへの貢献も期待

―― 導入から半年ほどで、かなりの効果があったとのことですが、Helpfeelに対するここまでの評価をお聞かせください。


立ち後れていたFAQの運用で定期的なPDCAのサイクルが確立でき、成果も数字に表れているため、「すごく順調にきている」というのが率直な感想です。

Helpfeelの充実した機能と使いやすい管理画面のおかげで、記事メンテナンスの作業負担は、体感で従来の数分の1に減りました。Helpfeel側からの分析・提案を参考にしつつ、改善のポイントを徐々に自分たちで判断し、実行できるようになってきたと思います。

―― 最後に、今後の活用についても展望をお聞かせください。


改善効果が実証されたことを受けて、当社では近く、コールセンター部門の社内FAQとしてもHelpfeelを導入する予定です。

ツールが共通となれば、部門・拠点をまたぐ連携が一層容易になるので、例えば電話対応の結果からフィードバックを得て、社外向けのFAQをさらにブラッシュアップすることもできると期待しています。

またUXの観点からは、FAQを不明点の解消にとどめず、新たな購買行動への橋渡しにも活用できると考えています。Helpfeelを起点に、商品紹介や資料請求などへの動線をどう構築していくか、今後も研究を続けたいと思います。


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