S.RIDE足立様の笑顔で佇んでいる

急成長のタクシーアプリでFAQを強化。問い合わせ発生率の3割減で人員増を抑制

S.RIDE株式会社

業界:Webサービス・デジタルコンテンツ旅行・レジャー

使用用途:顧客向けFAQ

課題:問い合わせを削減したい顧客満足度を向上させたい

記事の要約

【導入背景】

・アフターコロナで移動需要が回復し、タクシーアプリユーザーからの問い合わせが急増

・顧客満足度の向上と業務効率化を目指し、自己解決を促す情報提供を模索

 

【導入の決め手】

・既存のFAQコンテンツから流用が容易で、初期構築の工数少なく移行が可能

・特にHelpfeelの「軽快な操作性」と「言い換え表現に強い点」を評価

・問い合わせ間際に自己解決を促せる、Helpfeelの「問い合わせフォーム機能」にも期待

 

【導入効果】

・1年間でアプリDL数が1.7倍と増大する中、問い合わせ発生率を約3割抑制

・カスタマーサポートは事故などの有人対応に注力できるようになり、増員も1名に留まった

 

【今後の展望】

・Helpfeelの「問い合わせフォーム機能」をアプリにも適用予定

・問い合わせの過半数を占めるアプリでの活用によって、さらなる導入効果の上積みが見込まれる

オンラインで幅広いユーザー層をターゲットとする一般消費者向けWebサービスは、成長に伴って問い合わせの増大という課題に直面します。アプリや情報提供の改善を通じ、それらをどこまで抑制できるかは、事業効率・顧客満足度の双方に大きく影響します。

東京・大阪・名古屋など全国でサービスエリアを拡大中のタクシーアプリ「S.RIDE(エスライド)」を提供するS.RIDE株式会社は、タクシー需要の回復が鮮明になった2023年12月にHelpfeelを導入。疑問点を素早く自己解決できるFAQの充実で問い合わせ発生率を約3割改善した結果、アプリの累計ダウンロード数が1年で1.7倍になる成長フェーズにあっても、顧客対応担当者の増員を1名に留めることに成功しています。

Helpfeelの導入経緯や得られた効果、今後の展望を、同社パートナーDX推進部 シニアマネジャーの足立 昌史様に伺いました。

1年間でアプリDL数が1.7倍。疑問をすぐ解消できる体制で、ファンの増加と業務の効率化の両立を目指す

真剣な表情でお話しされる足立様、手前にはS.RIDEのステッカーを貼ったノートパソコンがある

パートナーDX推進部 シニアマネジャー 足立 昌史様


―― はじめに、足立様のご担当業務をご紹介ください。

2019年に東京でサービスを開始し、2024年8月現在で10都府県を走る約1.9万台のタクシーの配車に対応しているアプリ「S.RIDE」のカスタマーサポートチームで、メンバー5人のリーダーを務めています。

私たちのチームは、配車を注文される方と、アプリに対応しているタクシー会社の双方から寄せられる問い合わせへの対応業務を中心に、アプリストアのユーザーレビューへの返信や、いただいた声・ユーザー動向に基づくアプリの改善提案などを行っています。また、配車注文される方のためのFAQとして導入しているHelpfeelの運用も担当しています。

―― Helpfeelの導入に至った背景や、導入前の課題について伺えますか。

私は「よりスムーズな問い合わせ対応を通じてサービスのファンを増やす」ことが、S.RIDEのカスタマーサポートのミッションだと考えています。ただ、こうした顧客満足度への貢献は正確な測定が難しい面もあるため、より明確な目標としては、サービスが成長していく中でも窓口対応の人員を極力増やさず、定時内で業務を完結できる仕組みを工夫し、効率的な事業運営に貢献することを重視しています。

定量的な指標としては、サービスが拡大中であることを踏まえ、問い合わせの実数を減らすというよりは、アプリのユーザー数・配車の注文件数に対する問い合わせ件数の「割合」を引き下げていくことを意識しています。

S.RIDEを通じたタクシーの配車はコロナ禍の影響で低調な時期がしばらく続きましたが、マスク着用が任意になった2023年の3月頃を境に、移動需要が再び活発化しだしました。24年1月までの1年間で、S.RIDEアプリの累計ダウンロード数は1.7倍となる急激な伸びをみせ、私たちのチームも「増大する問い合わせへの対応が追いつかない」という、今までにない局面を迎えつつありました。

こうした状況の中で、問い合わせ対応の最適化が必要でした。FAQを読みさえすれば解決できるお困りごとは、該当のコンテンツに素早く行き着く仕組みを整え、有人の問い合わせはトラブル対応など「人の介在が不可欠な業務」に集中できるようにしたいと考えるようになりました。

“問い合わせフォーム送信間際”に問題解決ができるHelpfeelへ移行

身振りを交えて説明される足立様

―― よりスムーズな自己解決を促す手段として、Helpfeelを選ばれた決め手は何でしたか。

それまで別のFAQツールを使って200件弱の記事を作成・公開していたので、この状態から移行するメリット・容易さを検討した結果、Helpfeelを選びました。

実は従来のFAQはそのまま、対話形式のチャットボットを追加して回答に誘導する方法も考えたのですが、操作性のよいFAQツールに入れ替えて一本化したほうがシンプルで、運用面でも対話のシナリオを作り込む手間がないほうが有利と判断しました。

新たなFAQツールとしてHelpfeelを選んだのは、既存コンテンツをそのまま移行して使い始められることに加え、他製品にない機能に魅力を感じました。具体的には、入力へのレスポンスが早く軽快な点や、入力したキーワードを直接含まなくても関連する回答を提示できる「意図予測検索」でさまざまな言い換え表現に対応しやすいことです。

また、入力中の問い合わせフォームにHelpfeelを適用できる機能にも注目しました。私たちの場合、寄せられる問い合わせの大半は問い合わせフォーム経由です。そのため問い合わせフォーム送信の間際に自己解決を実現し、返答をお待たせしないで済むことを期待しました。

ユーザー数・配車注文が増加する中、問い合わせ発生率は約3割減少

笑顔でお話しされる足立様

―― 2023年12月の導入後、Helpfeelをどのように運用されてきましたか。

まず、既存の記事をほぼそのままHelpfeelに移して使い始め、私が日々のユーザー動向をチェックした結果や、Helpfeelの担当者と毎月開くミーティングの成果を踏まえて改善を続けてきました。

特に力を入れたのは、ノーヒット(検索されたキーワードに対し回答候補を全く提示できなかったケース)の解消と、反対に回答候補が多く絞り込みづらい「タクシー」「アプリ」といったキーワードへの対策です。

このうち後者については、「タクシーの迎車料金」といった個別のトピックを見つけやすくするため、FAQの操作画面内にある「言葉のヒント」欄を活用しました。「タクシー」というキーワード入力があったとき「迎車料金」の項目をハイライト表示させるなどの設定をしています。


FAQ画面で「タクシー」と検索すると、言葉のヒントとして関連する言葉がハイライトされる

 

また操作画面では「迎車料金」「領収書」などの頻出ワードを「よく見られている言葉」として一覧表示し、各ワードをクリックすると関連トピックを参照できるようにもしています。

さらに社内では、カスタマーサポートの責任者である私と、アプリのサービス企画責任者が、ほぼ毎日話し合う機会を持っています。Helpfeelの利用動向を常時追い掛けていると、ユーザーが探しているのに十分に説明できていない情報が見えてくるので、例えば「アプリ内のクリックで概要を説明し、詳細なFAQ記事へのリンクも表示させる」など、ユーザー体験全体を意識した調整を行っています。

――「カスタマーサポートへの問い合わせが生じる割合を抑えて業務効率を高める」という狙いに対し、現在Helpfeelでどのような効果が得られていますか。

アプリのダウンロード数が大きく伸び、MAU(月間アクティブユーザー数)や配車注文件数も増加傾向にあるため、問い合わせ件数そのものは、やはり増えています。

ただ、そうした中でも問い合わせ数の伸びは比較的緩やかで、カスタマーサポートはタクシー需要の回復を受けて1名のみ増やした5人体制で、定時内に業務を完結できています。もっと深刻だったはずの業務増をHelpfeelで抑え込んだかたちで、狙いどおりの成果が出ていると思います。

Helpfeel導入前と比べた数値で見ても、MAUや注文件数を分母にした問い合わせ数の割合は最大3割低下しました。問い合わせ全体に占める自己解決可能な内容の割合が最大で約2割減ったことからも、Helpfeelを利用されたお客さまが不明点の自己解決に至るケースが多いとみています。この結果カスタマーサポートは、事故・苦情といった人によるきめ細かい対応が求められる内容に集中できるようになっています。

移動手段の進化とともに、変化に即応できる情報提供を

sride_img_4

―― Helpfeelを導入後に実感されたメリットは、他にもありましたか。


Helpfeelは、実際のユーザー行動を手がかりに、効果的なポイントを見定めて改善を進められる点がメリットだと思います。

当社では、対応するタクシー会社の車両にS.RIDEのロゴを大きく掲げていることもあって「忘れ物が届いているか」といった直接把握できない事項をお問い合わせいただくケースが少なくありません。そのためFAQでも適切な問い合わせ先が分かるよう、さまざまな場面を想定した回答をブラッシュアップしています。

例えば、「陣痛」という検索履歴があったのを踏まえ、タクシー会社ごとに提供している出産前後の優先利用サービスについて確認できるよう、各社の連絡先一覧をご案内するなどのカスタマイズを行っています。

 

「忘れ物のお問い合わせ」に関するFAQ画面

タクシー会社への問い合わせに「マタニティタクシーの申込方法について」を掲載

 

操作性について言うと、キーワード入力に対し関連するトピックを提示するHelpfeelの反応速度と精度は、私自身が日々使っていても心地よいと実感できるものです。意図予測検索のおかげで幅広い検索キーワードと回答をひも付けられ、200弱の回答コンテンツで4,900通りの質問をカバーできている点は、社内からも評価されているポイントです。

また、当社のHelpfeelは本来社外向けのFAQですが、内容を常時更新しており操作性も優れていることから、自社サービスに関する説明は社内向けにも “原本”として扱い、不明点があれば、まず社員各自で検索してもらう運用ができるようになりました。

これにより社内問い合わせの抑制、社内資料の一元化といった成果が出つつあるほか、社内の多くの目にさらすことで「記述が古い」「誤字や重複項目がある」「用語を統一して」といった指摘、意見が集約でき、早期の改善にもつながっています。

―― 最後に、今後のHelpfeelの活用に向けた展望をお聞かせください。

Webに加え、アプリの問い合わせフォームにもContact Senseを対応させる改修を近く実施予定です。これにより、問い合わせの過半数が発信されている経路上で入力内容をもとにしたFAQへの誘導が実現するため、自己解決率はさらに上昇すると期待しています。

タクシー業界では2024年4月からタクシー事業者によるライドシェア事業がスタートし、S.RIDEもライドシェア車両を含む配車注文に対応したほか、FAQでも利用方法の説明などを追加しています。モビリティ関連の制度や規制は今後も変更が見込まれるため、対応する機能を担うアプリと並び、新たな利用法をお客さまに素早く周知するHelpfeelの役割も大きくなっていくと思います。

 

sride_SPS.RIDEに導入されたFAQページ

 

現在、S.RIDEは、多忙なときでも、タクシーをすぐ配車注文できるアプリ事業を柱に黒字転換を達成していますが、主要な出資元であるソニーグループからは「自動運転の実用化を視野に、誰でも利用できるアクセシビリティの向上や、移動自体が目的になるような体験提供を目指してほしい」とのリクエストを受けており、今後もサービスを拡大していく計画です。

ご利用いただく方々へのご案内事項を絶えずアップデートし、より快適な顧客体験を提供できるよう努めてまいります。そのために、メンテナンス性に優れたHelpfeelを引き続き活用していけたらと思っています。


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