カスタマーサポートによるクレーム対応が重要な理由
クレームとは、利用した製品やサービスに対して不満を抱いた顧客が、適切な製品やサービスの提供を求め、企業や販売店などに意見や要望を伝える行為です。
顧客ロイヤルティ協会のデータによると、製品やサービスに不満を感じた人のうち、実際にクレームをしたことがある顧客はわずか4%でした。
残り96%の顧客は、不満を感じていながらも企業にクレームを入れることはないのです。1件のクレームの背後には、不満を感じている多数の顧客が存在していると想定し、早期に改善策を講じる必要があります。
クレームが頻発してしまう恐れ
クレームを防止するためには、カスタマーサポートによる一時的な対応に限らず、クレーム発生の問題を根本から解決する必要があります。
製品の不具合やサービスの構造上の欠陥が原因である場合、根本的な問題を解決できなければ、その後も同じ原因をきっかけとしたクレームが頻発します。何度も同じ不満を抱いた顧客は、利用を停止してしまうかもしれません。
悪評が拡散されてしまう恐れ
さらに危惧される問題が 、悪評の拡散による顧客と見込み客の減少です。
顧客ロイヤルティ協会が提言する顧客行動のフレームワーク『グッドマンの法則』では、クレーム対応に不満を抱いた顧客による非好意的な口コミは、好意的な顧客の口コミに比べて2倍の拡散力があるとしています。
悪評の拡散を未然に防ぐためにも、クレームへの迅速かつ的確な対応は非常に重要です。
カスハラはクレームと別物なので区別する
カスハラとは顧客からの理不尽な要求や暴言などの迷惑行為であるのに対し、クレームは顧客からの苦情や改善要求を指します。
とはいえカスハラとクレームの違いは曖昧です。ただ、行き過ぎた理不尽なクレームや顧客からの単なる嫌がらせは、クレームではなく明らかにカスハラとして見なされますので対応策は区別していきましょう。
▼カスハラについてはこちらの記事でも解説していますので、併せてご覧ください。
クレームの原因とそれぞれの対応方法
1.製品・サービス自体が原因のクレーム
製品の品質不良、内容物の不足、サービスの不調など問題はさまざまですが、その本質は、次の2点に集約されます。
- 顧客が満足する製品・サービスを提供できなかった
- 広告と実際の製品・サービスの仕様に差異があった
▼対応方法
製品・サービス自体が原因の場合、カスタマーサポート部門による迅速な一次対応と、中長期的な全社対応が求められます。
クレーム対応の際、まずは一次対応として、新品との交換や修理(製品の場合)、利用期間の延長(サービスの場合)など、補填行動を行いましょう。発生している課題を分析し、適切な補填をする必要があります。また、問題の影響がクレームを入れた人以外にも及ぶ場合は、購入者全員へ対象商品・サービスの補填を行いましょう。対応が問題発覚から早期であればあるほど、クレームの拡散を抑えられます。
中長期的に、今後のクレーム対応数を削減するためには、社内共有に共有して全社的な対応の設計も重要です。カスタマーサポートに届いた情報を、製品の開発を担当する部署やサービスの運営部署と共有し、製品やサービスの改善に努めましょう。
2.顧客対応品質の低さが原因のクレーム
製品やサービスそのものではなく、以下のような顧客への対応もクレーム発生の要因になります。
- 「カスタマーサポートに電話を何度かけてもつながらない」
- 「メールで問い合わせたのに、一週間以上連絡が来ない」
また、顧客からの指摘に対して言い訳をする、適切な回答ができないまま、他の担当者・部署にたらい回しにするといった行為も、対応品質のクレームに発展するため厳禁です。
▼対応方法
顧客対応品質に対するクレームは、カスタマーサポート部門での対応が直接的な要因です。企業はこれを、担当者の個人的な対応スキルに責任転嫁せず、カスタマーサポート全体の運営体制の問題ととらえ、担当チームの教育やオペレーションの磨き込みに取り組む必要があります。
具体的には、カスタマーサポート部門全体で研修やメンターといった教育制度を整え、顧客対応に必要な技術や意識を向上させましょう。各々のスキルが向上すれば、カスタマーサポート全体の品質改善と能力の底上げがはかれます。また、担当者の対応精度を上げるためには、オペレーションの磨き込みも必要です。製品やサービスにまつわる知識をすぐに参照できるように整えたり、クレームやイレギュラーが発生した際の対応手順を、整えて明示する、といった対策をおこないましょう。
これらを通して、顧客に対し適切で丁寧な対応ができるようになれば、対応品質に起因するクレームを減らし、顧客満足度向上にもつながります。
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クレーム対応の手順【フローチャート付】
クレームの内容や対応の必要性に応じて、一定のフローに従った対応をする必要があります。
クレーム対応のフローは、以下のチャートを参考にしてください。
①②クレームに対するお詫び
クレームを受けた際は、顧客の怒りを収めるために、まずは謝罪から入りましょう。誠意を伝えることで、企業として顧客に誠実に向き合う姿勢を示すことが重要です。
特に顧客が感情的な状態では、状況を正確に把握し、課題解決をすることが困難になります。まずは顧客としっかりとコミュニケーションをとれる関係性を構築しましょう。
③クレーム内容の分析
顧客からのクレームはどのような問題に起因しているのか、クレームが発生した状況を分析します。
商品やサービスに関する不備、カスタマーサポートに対する不満などが原因となる『自社に落ち度がある』クレームなのか、あるいは顧客側の勘違いや確認ミス、操作の間違いが原因の『自社に落ち度がない』クレームなのかを判断します。
自社に落ち度がなければ④へ、あれば⑤の対応へ進みます。
④クレームに悪意があるかを判断
一部のクレームには、悪意をもった作為的なものが紛れ込んでいることがあります。悪意のあるクレームの場合、不当な謝罪や、ときに金銭や物品による補償を求めるケースがあるので注意が必要です。自社側に落ち度がない場合は、毅然とした態度で要求を断りましょう。
悪意がない、または悪意があっても金品の要求がない場合には、状況の説明を行ったうえで意見を寄せてくれた行為に対する謝意を伝え、対応を終了します。
⑤問題の即時解決ができるか判断
クレーム内容を分析した結果、自社側に落ち度があった際は何らかの対応が必要です。この場合は『即時対応が可能か否か』を目安に、対応を切り分けましょう。
即時対応が可能なのは、顧客の不満に対する謝罪で解決可能なケースです。問題解決につながる対応とともに顧客へ謝罪し、その後社内で再発防止策を検討します。
対して、顧客に対して弁済の必要性が検討される場合は即時対応が不可能なため、⑥の対応へ進みます。
⑥顧客への弁済が必要か判断
返金や製品の交換といった、弁済対応が必要であるかを判断します。弁済の有無は顧客の感情を左右する大きな要因です。このフェーズでは、多くの顧客が企業側からの弁済を受けて、課題解決することを望んでいます。
しかし、安易に弁済対応を行うと弁済の基準を低くしてしまうため、注意が必要です。弁済対応の有無はカスタマーサポートの一存で決めるのではなく、上司に報告して、社内のさまざまな部署と検討する必要があります。
弁済が必要と判断した場合は、具体的な対応策を検討し、該当の顧客への対応をおこないます。なお、弁済の対象は、問題の規模によって異なります。どのような範囲の顧客に何を弁済するかの対応策は、弁済の要否と同様に、各部署と連携して対処しましょう。
弁済が不要と判断された場合には、⑤の『即時解決が可能』と同じく、顧客への謝罪とともに、問題の解決策や再発防止策の検討をおこないます。
クレームはお客様をリピーターにするチャンス
クレームは企業にとってマイナスなことばかりではありません。
『グッドマンの法則』において挙げられた例によれば、カスタマーサポートによる対応の結果、クレームの申し立てをした高額商品の購入顧客のうち『解決に満足』した顧客の54%が再購入を決定、『迅速に解決』した顧客においては82%が再購入を決定しました。また、低額商品の購入顧客も『解決に満足』した顧客の70%、『迅速に解決』顧客の95%が再購入をしています。
一方で、不満を持ちながらクレームの申し立てをしなかった顧客の場合、高額商品の購入者のリピート率は9%、低額商品の購入者は37%という結果にとどまっています。この比較から、適切なクレーム対応をおこない不満を解消することで、多くの顧客をリピーターにできることがうかがえます。
クレーム対応を通して、顧客を尊重する気持ちを言葉で伝えることで、顧客の製品やサービスへの印象を180度変えられるケースがあります。クレームは裏を返せば、製品やサービスに対する思い入れの大きさです。優良な顧客を増やすための大きなチャンスと捉え、企業側の対応を設計しましょう。
検索ヒット率98%のFAQシステムを導入してクレームを減らそう
顧客からクレームが絶えない原因のひとつに、問い合わせに対する待ち時間の長さがあります。特に電話対応が重要なチャネルである場合は、顧客の待ち時間が、クレームの温度感に直結します。
企業側としても、常に顧客の待ち時間を最小限にする人員配置をすることは容易ではなく、課題を抱えているケースも多いでしょう。しかし多くの場合、問い合わせの内容は必ずしも、カスタマーサポートでなければ解決できない問題ばかりではありません。
もし顧客が自力で解決できる問い合わせが多いようならば、FAQシステムの活用で、問い合わせの件数そのものを大きく減らせる可能性があります。
FAQシステムで自己解決を促進
FAQシステムとは、顧客が抱える『よくある質問』とその回答を管理するシステムです。顧客から頻繁に寄せられる質問と回答を企業側でまとめ、Webページ上に掲載できます。顧客はFAQシステムを通じて、疑問を自己解決できるのです。
Helpfeel株式会社が開発・提供する『Helpfeel』は、最先端の検索テクノロジーを搭載した革新的なFAQシステムです。顧客の質問に対して都度回答を探すのではなく、入力されたキーワードにマッチする質問を提示する方式により、FAQ検索ヒット率98%という精度の高い問題解決を実現しました。
カスタマーサポートへのHelpfeelの導入には、以下のようなメリットがあります。
- 単語や短文での検索でも関連度の高いFAQを表示できるため、顧客が自己解決に至りやすい
- 数百件に及ぶような膨大な量のFAQを一元管理でき、カスタマーサポート業務を効率化できる
- 検索されたキーワード、閲覧されたページの解析により、顧客が抱えやすい問題や新たに発生したトラブルを抽出可能
- 抽出した新たなトラブルや疑問は即座にFAQへ追加・編集が可能、カスタマーサポートの不可を軽減できる
- 顧客の疑問に対し即座に回答できるため、顧客に不満が溜まらない
顧客による問題の自己解決を促し、問い合わせ件数を減らしたいとお考えなら、ぜひFAQツールの導入をご検討ください。
FAQシステムで問い合わせが削減された成功事例
Helpfeelはすでに多くの企業様に導入をいただいています。ROLLCAKE株式会社様では、問い合わせ数削減を目指しHelpfeelを導入。顧客自身による自己解決率を40%向上させたことで、有人対応が必要な問い合わせへの回答に要する時間を短縮し、顧客満足度の向上に成功しています。
Helpfeelの導入時には専任チームが手厚くサポートするため、専門知識がないお客様でも安心です。顧客からの問い合わせを最適化し、クレーム数を削減したいとお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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