FAQとは?
FAQとは、顧客やユーザーからの質問と回答をまとめたものです。顧客自身で疑問を解決できるように自社サイトに公開したり、コールセンターのオペレーターが問い合わせに回答する際の参考にしたり、さまざまな用途で活用されています。
FAQはQ&Aと混同されることがあり、厳密に定義されているわけではありませんが、以下のような違いがあります。
FAQ:よくある質問と回答をまとめたもの
Q&A:問われる頻度に関わらず質問と回答をまとめたもの
FAQは「Frequently Asked Questions」の略です。「頻繁に」という意味の「Frequently」が使われているとおり、問われる頻度の高い質問と回答をまとめたものをFAQといいます。
FAQに盛り込むべき内容とは?
FAQには、一般的に以下の項目を盛り込みます。
・質問文
ユーザーが検索するであろうキーワードを含めた上で、質問内容を端的にまとめた文章。
・回答文
質問への回答をわかりやすく記載した文章。必要に応じて箇条書きや図解を活用する。
・参考ページのURL
補足情報や参考情報が記載されたWebページのURL。
・関連するFAQ
関連する内容の質問や併せて確認して欲しい質問へのリンク。
参考ページと関連するFAQは必須ではありませんが、これらも掲載しておくとより使いやすいFAQになります。
FAQの種類とは?
FAQの用途として、主に次の3つが挙げられます。
- 顧客向けFAQ
- コールセンター向けFAQ
- 社内向けFAQ
以下で、それぞれのFAQの特徴を見ていきましょう。
顧客向けFAQ
顧客向けFAQは、顧客自身で問題や疑問を解消できるように自社サイトなどに公開するものです。質問内容を検索すると回答がすぐに見られるので、カスタマーサポートに問い合わせるよりも手軽かつ早急に解決方法が得られ、顧客の利便性向上につながります。
カスタマーサポートへの問い合わせが減ることで、企業側にも工数やコストの削減といったメリットがあります。
コールセンター向けFAQ
コールセンター向けFAQは、オペレーターの業務や教育をサポートするためのFAQです。問い合わせ対応の際に参考にしたり、業務のナレッジやノウハウを共有したりするために使われます。コールセンター向けFAQを充実させることで、応対品質の均一化や新人の早期戦力化が目指せます。
社内向けFAQ
社内向けFAQは、総務や経理、情報システムといった管理部門に寄せられる質問と回答をまとめたものです。社内向けFAQを用意しておくと社内からの問い合わせが減り、管理部門の負担軽減や業務効率化につながります。
FAQを作成するメリット
企業がFAQを作成すると、さまざまなメリットがあります。FAQの必要性を検討している人は、4つのメリットをチェックしてみてください。
顧客満足度の向上につながる
顧客向けFAQを公開するとユーザーが疑問や不安を自分で解決しやすくなり、顧客満足度の向上につながります。わからないことや困ったことがあったとき、「とりあえず検索してみる」という人も少なくありません。
検索からFAQにアクセスし、疑問に対する回答や困りごとへの対処法が見つかれば、わざわざ問い合わせをしなくても問題を解決できます。問い合わせには「コールセンターに電話をかけてもつながらない」「Webフォームへの入力に手間がかかる」といった課題があり、FAQはこれらをカバーするツールとして役立ちます。
問い合わせ対応の工数削減と効率化につながる
FAQによってユーザー自身で問題を解決できるようになると、問い合わせの件数は自然と減っていきます。コールセンターのオペレーターや管理部門の社員の工数削減につながるのも、FAQを作成するメリットのひとつです。また、有人対応が必要な問い合わせにリソースを集中できるようになるため、業務の効率化も目指せます。
ナレッジが蓄積される
FAQは重要度の高い質問と回答をまとめたものなので、ナレッジ蓄積ツールとしての側面もあります。FAQの内容が充実していれば、そのまま業務マニュアルとしても活用できるでしょう。
個々が持っているナレッジの共有が不十分では、業務の属人化や業務効率の低下を招きます。これらを回避できるのも、FAQを作成するメリットです。
サイトのSEOになる
自社サイトでのFAQの公開は、SEO(検索エンジン最適化)のひとつです。内容が充実したFAQはユーザーの検索ニーズに応えることになり、結果として検索エンジンでの表示順位が向上する可能性があります。
自社サイトの表示順位が上がるとFAQ以外のページもユーザーに見てもらいやすくなるため、認知度や売り上げの拡大といった副次的効果も期待できます。
6ステップでわかるFAQページの作り方
ただ思いつく質問と回答をまとめただけでは、使いやすいFAQとは言えません。利便性の高いFAQに仕上げるには、正しい作成方法と流れを理解しておく必要があります。
ここでは、FAQページを作成する際の手順を詳しく見ていきましょう。
ステップ1:FAQの目的を明確化する
まず、FAQを作成する目的を明確にしてください。「何のためにFAQを作成するのか」「FAQの作成によってどのような課題を解消したいのか」などを明らかにすることで、作成すべきFAQの種類や記載内容が定まります。
例えば、顧客向けFAQとコールセンターのオペレーターが応対時に参考にするFAQは「顧客からのよくある質問と回答をまとめる」という大まかな目的は共通です。しかし、顧客向けFAQは回答をわかりやすく端的に記載すべきであるのに対して、コールセンター向けFAQは細かく回答するために背景情報や補足情報もあると良いでしょう。
このように、目的や対象者によって適した記載内容が変わってくるため、最初に目的を明らかにしておくことが大切です。
ステップ2:問い合わせ内容の収集
目的やFAQの種類に応じて、記載する問い合わせ内容を検討します。FAQには問い合わせ頻度の高いものを記載するため、まずはこれまでの問い合わせ内容を洗い出して材料集めを行いましょう。
例えば顧客からの問い合わせなら、コールセンターの応対履歴やWebフォームの受信ログなどを集めます。社内向けFAQの場合は問い合わせ内容を記録していないケースも多いため、問い合わせを多く受けている社員からヒアリングするなどの対応が必要です。
ステップ3: 収集した内容の分析と重要度・優先度の順位付け
問い合わせ内容を収集したら、質問内容について重要度・優先度の順位付けを行います。ABC分析など優先度を可視化するためのフレームワークを活用しながら、FAQに記載すべき内容を絞り込んでいきます。
FAQで対応できるのは、回答が明確に決まっている質問です。要望やクレームといった決まった回答のない問い合わせや、相手から詳細な状況をヒアリングした上で対応すべき問い合わせなどは適していません。
そのためFAQへ記載する優先度が高いのは、「問い合わせ件数が多い」かつ「FAQで解決可能」な問い合わせになります。
ステップ4: 回答情報の収集と質問との紐付け
FAQに記載する質問をピックアップしたら、回答情報を収集して質問との紐付けを行います。オペレーターや担当者からの回答履歴や業務マニュアル、製品カタログなどを確認し、それぞれの質問に対する適切な回答情報を収集しましょう。
回答情報の収集と紐付けは、FAQに記載する質問の数が多いほど手間と時間がかかります。『Helpfeel FAQのドラフト生成機能』のように過去の問い合わせデータから質問と回答案をAIで自動作成できるツールなどもあるため、必要に応じてぜひ導入を検討してみてください。
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ステップ5: FAQの作成と内容のチェック
FAQに記載する質問と回答情報を集めたら、実際にFAQとして公開できる形に整えていきます。呼称や表現に関するレギュレーションを決め、それに基づいて質問と回答の文章を作成してください。
利便性の高いFAQに仕上げるには、ユーザー視点で分かりやすい回答になるよう表現や言い回しなどを工夫する必要があります。「専門用語を多用していないか」「端的で分かりやすい表現になっているか」など、FAQ作成後に必ずチェックを行いましょう。
ステップ6: FAQの公開と分析
FAQが完成したら、ユーザーに公開します。公開後はアクセス数や問い合わせ件数などを確認し、「FAQが十分に活用されているか」「問い合わせ件数は減ったか」など効果測定を行いましょう。想定する効果が出ていない場合は、原因を特定して改善策を検討しなければなりません。
FAQは公開して終わりではなく、効果測定と改善を繰り返しながら質を高めていくことが大切です。
FAQページを構築するためのツール
FAQページを構築する上で役立つツールを紹介します。ツールごとにメリット・デメリットがあるため、自社の用途や解決したい課題に応じてツールを選ぶことが大切です。
Google スプレッドシートやExcel
社内向けのFAQページを構築する場合、Google スプレッドシートやExcelが活用できます。これらのツールは、FAQの項目や問い合わせ内容を整理するのに便利です。
Google スプレッドシートやExcelを活用するメリットとして、FAQページを簡易的に構築・管理できる点が挙げられます。特に、FAQ構築の初期段階では、問い合わせ内容の収集や優先度・重要度の設定を効率的に行うことが可能で、簡単に管理できる点が大きなメリットです。
複数の担当者が同時に編集できる機能を活用すれば、チームでの作業も円滑に進みます。また、Google スプレッドシートは無料でも利用できるほか、すでにOffice系ソフトがある場合は、Excelをそのまま使えるため、導入コストもかかりません。
ただし、Google スプレッドシートやExcelは、デザインの制約があるため、見やすいFAQページの作成は難しいでしょう。また、データ量が多くなると動作が重くなるため、ユーザーにとっての利便性が低下します。さらに、ファイル管理のルールを明確にしないと、意図せぬ削除や改変が起き、バージョン管理が煩雑になるリスクもあるため注意が必要です。
FAQシステム
FAQシステムとは、FAQの作成・管理・公開・分析を一元的に行えるプラットフォームのことです。顧客向けはもちろん、コールセンター向けや社内向けなど、あらゆる用途に対応できます。
一般的に、AIを搭載したFAQシステムであれば、顧客の検索履歴や行動データにもとづくパーソナライズされた回答を自動的に提供できます。AIが問い合わせデータを学習し、使用するほどに回答の精度が向上するため、顧客が求める情報に素早くたどり着きやすくなる点がメリットです。
顧客満足度の向上を重視したい場合は、AI搭載のFAQシステムの導入がおすすめです。ツールによっては、VOC(Voice Of Customer:顧客の声)から最適なFAQを自動作成することも可能。管理者のメンテナンス工数の削減にも寄与します。
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FAQページを作成する際の5つの注意ポイント
ユーザーから活用されるFAQページに仕上げるには、作成時にいくつか意識しておくべきポイントがあります。ここでは、FAQページを作成する際のポイントについて解説します。
ポイント1: 正しい情報をわかりやすい文章で伝える
FAQ作成時の大前提として、正しい内容が記載されていることが重要です。誤った情報が記載されていては、ユーザーの課題や疑問を解決できません。
また、知識がないユーザーでも理解しやすい言い回しや表現を意識してください。専門用語を使い過ぎないことも大切です。
ポイント2: キーワードで検索できるようにする
ユーザーが目的の質問にすぐにたどり着けるように、キーワードで検索できる機能を持たせましょう。掲載する質問の数が多い場合、検索機能がなければ目的の質問を探すのに手間や時間がかかってしまいます。
せっかくFAQを公開しても回答にたどり着くまでに多くの手間がかかるようでは、ユーザーに活用してもらえません。FAQは内容を充実させるだけでなく、使い勝手や機能性も重要なポイントです。
ポイント3: カテゴリー分けを行う
質問をカテゴリー分けしておくと、ユーザーが目的の質問を探しやすくなります。FAQの利便性を高めるために、キーワード検索機能の実装と併せてカテゴリー分けもしておきましょう。
質問の数が多い場合は、カテゴリーを階層構造にするとより分かりやすくなります。例えば1階層目を商品名やサービス名で分け、その配下に「使い方」「契約手続き」「故障・修理」「解約手続き」など詳細な項目を用意するイメージです。
カテゴリー分けを行う際も、ユーザー視点を忘れないようにしてください。
ポイント4: 定期的な更新と内容の改善を行う
先述の通り、FAQは公開して終わりではなく効果測定と改善を繰り返すことが大切です。最初から完璧なFAQを作成できるとは限らないため、公開後もブラッシュアップを続けましょう。
また、新たな商品・サービスの追加や仕様変更などがあると、FAQの内容を更新しなければなりません。情報が古かったり足りなかったりするとFAQの質が下がるため、定期的な内容確認と更新も忘れず行ってください。
ポイント5: ユーザー目線で構築する
どのような方法でFAQを作成する場合でも、ユーザー目線で構築するのが重要です。FAQページは顧客や社員など、対象とするユーザーの検索ニーズに応えることが最終的な目的だからです。
ユーザーにとっての使いやすさを決定付けるのは、掲載されている情報の正確性やわかりやすさといった要素だけではありません。ページの見やすさや操作のしやすさ、どこにどのような情報が掲載されているのかといった構成が一目でわかる工夫など、UI/UXにこだわる必要があります。
社内FAQの場合も、この点については基本的に同様です。ただし、Google スプレッドシートやExcelで簡易的なFAQの仕組みを構築した場合、利便性が低くなることも想定されます。社内向けに特化したツールを構築する場合も、FAQシステムの活用を検討する意義は十分にあるでしょう。
FAQシステムでFAQ作成を効率化しよう
よくある質問と回答をまとめたFAQを作成しておくと、顧客満足度や業務効率の向上が目指せるなど多くのメリットがあります。顧客向け・コールセンター向け・社内向けなどFAQには複数の種類があるため、自社の目的に合ったFAQを作成しましょう。
利便性の高いFAQを作成するには、これまで蓄積した問い合わせの中から重要度が高いものを洗い出し、回答と紐づける作業が必要です。
問い合わせの量が多いほどこれらの作業が大変になります。FAQはExcelやGoogle スプレッドシートでも作成は可能ですが、必要に応じてFAQシステムの活用も検討してみてください。
問い合わせ削減も、CX改善も実現できるFAQシステム
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▼検索型FAQシステム「Helpfeel」の活用方法や利用事例はこちら
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