高校英語「論理・表現」とロイロノート・スクール活用方法
令和4年度から、高等学校の英語の授業において新設される「論理・表現」についてまとめました。
「論理・表現」とは?
平成30年告示学習指導要領で、「英語表現」に代わって「論理・表現」が新設されました。
この科目では,「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」「書くこと」といった英語のアウトプットを強化することを目標としています。
「論理・表現」の授業では、スピーチ,プレゼンテーション,ディベート,ディスカッション,一つの段落の文章を書くことなどを通して,英語の発信力強化を目指します。
「英語表現」から「論理・表現」へ
「英語表現」から新科目「論理・表現」へ変わるにあたってのポイントは「論理的に表現する能力」の育成に、より焦点が当てられたという点です。
インプットで身につけた知識を活用して、実際に運用する技能を身につけることは継続
語彙、文法や言語の働きについて学んだ知識を活用して、実際に使える運用能力を身につけていくという目標は変わりません。
構成や展開を工夫した、『さらに論理的に表現する力』の育成を目指す
新科目「論理・表現」では、論理の構成や展開、効果的な表現などの知識を活用しながらスピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッション、まとまりのある文章を書くことを目指します。
つまり、「原因・理由と結果をわかりやすくつないだり、例証をあげたりするなど」のパラグラフ・ライティングのルールを活用して発信することが期待されています。
「論理・表現」の授業デザインのポイント
アウトプットに必要な語・表現、論理の構成や展開を身につける
・「スピーチなのか、ディベートなのか」「説明文なのか、意見文なのか」など、アウトプットの目的や場面・手法によって、それぞれに適した表現や論理構成は様々です。
・そのため授業で取り扱う活動によって、適宜必要な「効果的に伝える表現」や「論理の構成や展開」を身につけさせるようデザインしましょう!
・また、表現や論理展開などは、「授業で使いながら身につける」ことがポイントとなります!
表現活動には、2種類をバランスよく組み込む
①何かを聞いたり・読んだりする活動を受け、「話したり書いたりして、情報や自分の考えを適切に表現する」
②情報や考えを一方的に伝えるのではなく、「情報や自分自身の考えなどを伝え合う」
いわゆる「発表」と「やりとり」の表現活動をバランスよく取り扱い、それぞれに適した論理の構成・表現力を伸ばしましょう!
表現活動をより効果的に行うためのポイント
生徒へのフィードバックについては,英語の間違いの訂正に偏らないように注意しつつ、効果的に行うことが大切です。
情報のやりとりを行う際には、インフォメーション・ギャップがある状況で活動を行うことが、活動へのモチベーションや意義を持たせるために必要です。
プレゼンテーションを行う際は、発表をより分かりやすくするため、写真や実物,ポスターやスライド,タブレット端末などの視覚的な補助を活用しましょう。
書くことの活動の後には、「読み合ったのちに、質疑応答をしたり、意見や感想を伝え合ったりする活動」を取り入れることが大切になります。
発表後に,生徒同士が,内容や発表の仕方について感想や意見を伝え合うことも効果的です。
「論理・表現」の授業デザイン 事例発表
ご紹介いただく先生
日本大学三島高等学校・中学校 英語科 相磯雅宏先生 大川幸祐先生 萩庭祐樹先生 早坂知也先生
動画で見る
オンライン研修会 教科別研修会「英語×ICT ロイロで変わる英語の授業!」で発表された「論理・表現」の授業デザインのポイントや模擬授業の内容をまとめてご覧いただけます
授業デザインを見る
授業デザイン・模擬授業の詳細はこちら → 英語 高校新科目「論理・表現」の授業デザイン(日本大学三島高等学校・中学校)
説明資料 当日説明で使われた資料はこちらからダウンロードできます
「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」「書くこと」といった英語のアウトプット場面でのロイロノート・スクールの活用
生徒のアウトプット活動を目標にした英語の授業では、ロイロノート ・スクール が非常に有効に活用されています。
英語のアウトプット場面でロイロノート・スクールを活用するメリット
①スピーチやプレゼン活動で 作成・発表・評価が簡単にできる!
テキスト、画像、音声、Webページ、PDFファイルなど、様々なデータを指でつなぐだけで簡単にプレゼンテーションを作成できます。
生徒が、クラス全員の端末画面に自分のプレゼンテーションを配信しながら発表をすることが可能です。
スピーチやプレゼンを行っているところを動画で撮影して、送り合ったり、その場で確認したりすることができます。
スピーチやプレゼンの様子や原稿は、提出箱にてクラス内で共有することもできるので、自己評価・相互評価に活用できます。またポートフォリオとして保存しておくことで、長期的にアウトプット力の成長を把握することができます。
「話すこと(発表)」での実践例
②ディスカッションやディベート
議論に必要な資料やデータをロイロノートでまとめて、互いに共有しながらディスカッションやディベートをすすめることができます。共有の方法も、生徒同士でデータを送り合ったり、資料箱に保存しておきいつでも確認できるようにするなど、さまざまです。
・シンキングツール(思考ツール)を活用することで、論理や構成の展開を可視化することができ、生徒が自分自身の考えをまとめることができます。
「話すこと(やりとり)」での実践例
③ライティング活動
生徒が書いた英文を提出箱に提出させたら、先生が「回答共有」をします。
生徒同士互いの英文から学び合うことが、その場でスムーズに行えます。
・提出された課題を、先生はその場で添削・返却ができるので、生徒のライティング能力向上をサポートすることができます。
「書くこと」での実践例
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発信力強化を目的とした英語の授業でロイロノート・スクールを活用方法を紹介するページをまとめました。
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