ノンボイス対応の「本丸」としてHelpfeelを採用。繁忙期の電話増加率を8分の1に抑制

ノンボイス対応の「本丸」としてHelpfeelを採用。繁忙期の電話増加率を8分の1に抑制

SOMPOひまわり生命保険株式会社

業界:金融・保険・FinTech

使用用途:顧客向けFAQ

課題:社内業務を効率化したい問い合わせを削減したい

記事の要約
  • 生命保険の契約者対応業務のノンボイス率向上に向けた施策で、PDCAサイクルを持続できる社内体制の強化を決定
  • FAQをノンボイス対応の「本丸」と位置づけ、操作性・機能・サポートの各点で自社の希望にマッチしたHelpfeelの導入を決定
  • 例年、契約内容を郵送通知した直後に数割増える電話問い合わせが、Helpfeel導入後は2%増にとどまる
  • 契約者に対し、より的確・効果的な情報提供が可能となったのを踏まえ、FAQを起点に登録制Webサービスのさらなる利用促進や、受電内容を元にしたコンテンツの充実などに注力する計画

コミュニケーション手段の変化や人手不足などを背景に、企業の顧客対応の現場では近年、電話による応対を他のチャネルにシフトさせていく「ノンボイス」の取り組みが進んでいます。

そうした中、約470万件(2023年6月現在)の保険契約を保有するSOMPOひまわり生命保険株式会社は、FAQの充実をノンボイス対応の「本丸」と位置づけ、2022年12月にHelpfeelを導入。契約者向けのFAQを刷新して検索性を高めた結果、繁忙期の電話問い合わせを抑制するなどの効果が得られているといいます。

 

FAQに注力する狙いや、Helpfeelを選んだ理由、導入後の効果や今後の展望について、同社コンタクトサービス部 企画グループの染矢 武様(担当部長 グループ長)、山口 久美子様(業務課長)、小松 知子様(課長代理)に伺いました。

自己解決率の向上に向け、FAQの利用実績からデータに基づくFAQ運用を模索

――はじめに、今回お集まりいただいたお三方のご担当業務についてご紹介ください。

染矢様 当社のお客さま向けコールセンターを所管するコンタクトサービス部で、私は各種設計・システムの運用管理を担う企画グループの責任者をしています。企画グループは現在「ノンボイス化」、つまりご契約者さまからの問い合わせへの対応を電話以外にシフトさせ、ストレスフリーな自己解決を促すデジタル化の推進を大きなミッションとしており、その一環としてFAQの運用も担当しています。

山口様 私はこの4月からグループ長の補佐として、企画グループのメンバーが作成するFAQの記事内容をチェックし、またHelpfeelの担当者との定例ミーティングにも参加しています。直近までコールセンターの現場担当だったこともあり、「お客さまが知りたい内容をすぐ得られるFAQ」を目指し、日々改善を続けています。

小松様 私はHelpfeelの導入前後にわたって、FAQ関連の実務の取りまとめをしています。具体的には、FAQの利用動向や使い勝手を検証しながら、Helpfeelの担当者から受けた提案内容を各メンバーに説明したり、反対に現場の意見を集約してHelpfeel側に伝えたりといった、プロジェクトの全体調整・マネジメントを担当しています。

――Helpfeelを導入するまで、顧客対応業務に関してどのような課題がありましたか。

小松様 ノンボイス化を担うチャネルはチャットボットやSNSなど複数あり、当社も現在それらを併用していますが、中でもFAQがノンボイスの「本丸」だと考えています。もっとも従来は、FAQを指標に基づいて継続的に改善する仕組みが整っておらず、そうした運用改善の基礎となるデータも、十分に得られていませんでした。

当社のFAQ運用担当者はコールセンターと同じフロアで勤務しており、やり方次第では最新の電話問い合わせ動向を、FAQに即反映する体制も取れる環境にあります。しかしこれまでは、FAQの運用改善が、各担当者の判断による一時的なものに留まりがちでした。

そうした課題点をFAQの利用実績から可視化できれば改善の糸口もつかめるのではと考え、私が現担当となった2022年4月以降、前任者などとも相談を重ねた結果「データとして取れる指標が多く、サポートも厚いFAQツールが新たに必要」との結論に至りました。

染矢様 ストレスフリーな自己解決を実現するには、問い合わせを受ける側が的確な情報をしっかり提示することで、ユーザーによる入力作業を極力減らすことが大切です。

こうした観点から私たちは、短いキーワード入力、あるいはスマートフォンをタップするだけでもふさわしい情報を入手できるFAQが、ノンボイス対応の核を担うと考えています。

確認したい本意が同じであっても、お客さまによって「保険料」「掛け金」など検索するキーワードは違ってきます。お客さまが知りたいことに対して正確な回答を用意しているのはもちろん、専門用語に詳しくない方を含め、誰もがその回答まで容易にたどり着けるのが、私たちの理想とするノンボイス対応です。ツールの見直しを含むFAQの運用体制強化にあたっては、そうした理想に近づくことも念頭に検討を進めました。

高い検索性、継続改善が可能なサポートなどを評価しHelpfeelを導入

――契約者向けFAQの運用体制を刷新するにあたり、Helpfeelを選ばれた理由についてもお聞かせください。

小松様 ご契約者さまにとっての操作性や、自己解決率の向上につながる機能を重視した結果、Helpfeelを選びました。

「確認したいことがあるときFAQに到達できているか(検索後の離脱率)」「ぴったりの回答が見つからずキーワード検索を繰り返していないか(再検索率)」などを推測できる指標がリアルタイムで得られるのに加え、入力キーワードの部分一致や類義語からでも回答がヒットする検索性の高さ、さらに導入後も伴走支援を得て一貫したPDCAサイクルを維持できる点が、特に大きな決め手となりました。

山口様 運用を重ねるにつれ蓄積していくFAQの回答は、最新情報への更新はもとより、検索ニーズの変化に対応できているか絶えず検証し、修正を図る必要もあります。

当社の場合、FAQ担当者はジョブローテーションのため数年ごとに交代します。そうした中、運用改善の取り組みを属人的な要素に左右されず継続するには、顧客対応経験者の知見を生かすとともに、利用状況の指標を取って推移を確かめながら、技術面からの分析・提案も定期的に受けることが重要です。これらをそろって実現できるツールが、Helpfeelでした。

繁忙期の電話増加率は、前年比の8分の1と大幅抑制

――現在のHelpfeelの活用状況をお聞かせください。

小松様 FAQの運用は、企画グループのチーム7人と他部署数名で分担しています。コンテンツである問答は、従来の内容を一部修正して引き継いだものを含めて約540項目を作成済みで、引き続き随時追加しています。

FAQのデザインや機能については、Helpfeelから提案された内容、またFAQ作成担当からの要望を併せて、継続的に改良しています。

あわせて、FAQページ冒頭にある「よく見られる記事」「よく検索される言葉」は、直近のアクセス数や実際のお問い合わせデータ、送付物スケジュール等を加味して随時調整しています。ご契約者さまからお問い合わせがありそうなトピックを先回りして提示することで、スムーズな自己解決を促す工夫をしています。

Helpfeel導入ページ
――ノンボイス化の狙いの一つである電話問い合わせの抑制について、効果はみられましたか。

染矢様 当社では例年、保障内容などをご確認いただくためご契約者さま宛てに郵送している「ご契約内容のお知らせ」への反響で、7月の電話問い合わせが前月より大幅に増加します。今年は当初、対前月比2割増を見込んでいたところ、実際には2%増にとどまりました。

本来かかってきたはずの問い合わせ電話を抑制できたのは、それだけ実際に電話応対したのと等しい効果があります。「16%増だった昨年に比べ、繁忙期の電話増加率を8分の1に抑制できた」ことは、私たちにとって非常に大きなインパクトがありました。

山口様 こうした電話の抑制に、今回のFAQの刷新がどこまで寄与したかについて、現状では入電までの経路を、個別に全て把握しているわけではありません。

もっとも、ホームページなどデジタルのチャネルを経由してお電話いただくケースは常時一定数に留まること、また「郵送物をきっかけにFAQにアクセスした総人数」は、昨年とほぼ同数とみられることから、「検索性が向上したFAQで目的の回答にたどり着けるようになり、自己解決率が高まったこと」が、問い合わせ電話減少の大きな要因だったと考えています。

FAQからデジタルチャネルへの移行を推進し、「ノンボイス率5割」の定着を目指す

――そのほかに感じられた効果や、伴走支援への評価についてもお聞かせください。

小松様 生命保険業界各社のWebサイトでは、以前の当社のようにカテゴリ別一覧の中から回答を自力で探し出す方式のFAQが、今なお主流です。キーワード入力やタップで関連項目が自動的に提示されるHelpfeelをいち早く採り入れた当社のFAQは現在のところ、業界トップクラスの高い検索性を実現できていると自負しています。

FAQの社内運用も格段に強化されており、例えば担当者の意欲と感覚に任せて従来年1回程度行っていた記事内容の見直しは現在、月1回のHelpfeel担当者とのミーティングのたび、実績値を踏まえた検討の対象になっています。

技術面でも、FAQの離脱率が高いポイントについて提案いただいた対策を実行し、翌月には改善がみられるなど、スピーディーな改善サイクルが定着したのは私たちの希望通りで、それをかなえてくれたHelpfeelのサポート体制には「100%満足」しています。

――最後に、今後のHelpfeelの活用について展望をお聞かせください。

小松様 ノンボイス化にとって重要と知りつつ十分手を掛けられていなかったFAQに、Helpfeelでようやく注力できるようになりました。今後は新たな施策とも組み合わせてデジタルチャネルへの移行を推進し、ノンボイス率(電話やチャット、LINE等を含んだ利用者からの総コンタクト数に占める電話以外の割合)を現在の4割前後から、恒常的に5割以上となるよう引き上げていくつもりです。

染矢様 Helpfeelの導入1年目は、可視化されたFAQの課題に順次対策を取ることで概ね期待通りの成果が出ましたが、2年目を迎える今後は「Helpfeelのユーザー行動から何が分かり・それらを指標にどういう手を打てるか」判断し、ワンランク上の施策にチャレンジしたいと思います。また同時に、ノンボイス推進をはじめとする社内方針の実現にもFAQは役立つと考えています。

山口様 現在当社では、ご契約者さまとの関係強化やストレスフリーな手続き、さらにノンボイス率向上を目的に、ご自身で契約内容確認などが可能な登録制Webサービス「マイリンククロス」の普及を進めています。そこで、FAQからも同サービスへの登録を促したり、利用中の操作をサポートしたりといった貢献にも注力したいと考えています。

 

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FAQのコンテンツを通じ、ご契約者さまに対する情報提供を充実させる際には、「意図する内容を指す専門用語をあらかじめ知らないケースへの対策」が、常に求められます。お客様からの受電内容をもとに、より自己解決に繋がりやすいコンテンツ内容へ改善していく予定です。

どういったコンテンツが最もスムーズな自己解決に役立つか、実績をもとに検証できるよう、これからもHelpfeelと二人三脚で取り組んでいけたらと思います。


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