paid

お客様自身の自己解決を目指し、あえてカテゴリーを非表示に。会員数30%増でも問い合わせ率1%未満を維持

株式会社ラクーンフィナンシャル

業界:金融・保険・FinTech

使用用途:顧客向けFAQ(toB)

課題:問い合わせを削減したい

記事の要約
  • 自社FAQサイトを開設したが2年以上も更新が止まっていた。何度も同じような質問が寄せられ、問い合わせ対応をしているオペレーターの負担が課題に
  • 検索型FAQ「Helpfeel」を導入し、問い合わせ発生率を0.9%に抑えることに成功。カテゴリー表示をなくし、検索性を高めることでお客様の「真の課題解決」を促す
  • 普段は見落としがちなお客様の要望・心情を、Helpfeelのカスタマーサポートチームとともにフォローし、より良いサービスに落とし込んでいきたい

企業間決済サービス「Paid(ペイド)」を展開している、株式会社ラクーンフィナンシャル。東証プライム上場企業であるラクーンホールディングスのグループ会社として、2010年に設立されました。

「Paid」は、B to B取引の請求業務を代行し、代金の遅延・未払いの際にも支払いを100%保証するサービス。毎月の請求業務にかかっていた時間・コストを大幅に削減できることから、4500社以上の企業に導入されています(※)。

2022年5月には検索型FAQ「Helpfeel」を活用し、「Paid」に関するFAQページを改修した同社。その経緯や効果について、Paid推進部 事業開発 田中 博章様よりお話を伺いました。

電話・メールでの問い合わせが毎月2500件以上。請求書が紙で届くため、Web上のFAQは見られていないのでは?という仮説を立てた

── まずは、御社のカスタマーサポートの体制について教えてください。

 

企業間決済サービス「Paid」は、申し込み手続きがWebで完結できるサービスで、取引先の与信審査を行っています。導入企業は取引情報をPaidに連携するだけで、取引先への請求書の発行・代金の回収/保証をPaidが代行します。請求に関わる業務をすべて代行しているのがPaidのサービスです。

 

売り手となる導入企業様および、買い手となるその取引先様(会員様)に対して、それぞれ専用の電話とメールによる問い合わせ窓口を開設しております。


会員様からは請求書に関することや入金に関することなど多岐にわたるお問い合わせをいただいておりますが、まずはご自身で解決できるように自社でFAQサイトを構築していました。


── Helpfeel導入前は、どのような課題を感じていましたか?

FAQサイトを構築したものの、毎月2500〜3000件ほどの問い合わせが寄せられていることが大きな課題でした。

 

Paidをご利用いただく会員様の増加に比例して、問い合わせ件数も増加する相関関係があり、オペレーターの負担も日に日に増していました。一方でFAQに記載してあるが、ご覧いただければ自己解決できるような簡単な問い合わせが繰り返し寄せられることも気になっていました。

 

これらの課題は①FAQサイトの認知が低いことと、②アクセス導線を上手く引けていないこと、③FAQサイトの使いにくさ、に原因があると考えていました。


導線の点で言うと、紙で届く請求書には問い合わせ窓口として電話番号を記載しています。ユーザー視点に立つと、知りたいことがある状態で、そこからFAQサイトに移動、つまり紙からWebへ誘導するのはなかなか難しいと感じました。
FAQサイトのクオリティが高くなく、FAQの存在を前面に押し出し切れないというジレンマも抱えていたのかもしれません。

 

── どのようなお問合せ内容が多かったのでしょうか?

「請求書はいつ発行されるのか」という質問です。Paidは締め支払いのサービスのため、取引の発生から請求書の発行まで時間が空くことがあります。


「売り手から商品を購入した時点で請求書が届くと思っていた」というお客様からそのようなお問い合わせをいただくことが多かったです。

 

Paidのサービスを理解していただけていれば、「請求書は月ごとで締めて後日届く」と自己解決していただけるので、そういったお問い合わせは起きづらいと思いますが、実際にそこがお客様に伝えられていなかったのだと思います。


ありがたいことではあるのですが、支払いに対する意識が高いお客様が多いのでことさらこういった問い合わせが頻発していたのだと思います。

 

── そうした課題に対し、具体的な取り組みはされていましたか?

自社でFAQサイトを開設していましたが、ほぼ活用されていませんでした。私が担当になったのが2018年の夏ごろだったのですが、とあるコンテンツの最終更新日は「2016年10月」。2年近く更新が止まっていました。
お客様専用のマイページもあったのですが、何も手をつけていない状態でした。そこでまずは自分でできるところから進めようと、「マイページ」の改修から着手。マイページにログインしていただければ、請求書の発行日などが簡単にわかるように表示させるなど、プロジェクトを通じて少しずつ改善を試みていました。

 

しかしこうした取り組みをしても、問い合わせ件数そのものが劇的に変わることはなかったため、FAQサイトそのものの見直しに力を入れていく方向へ舵を切ることになりました。

 

── Helpfeelを知ったきっかけについて教えてください。

2021年の年末に「田中さん、このサービスを知ってますか?」と同僚から紹介されて、初めてHelpfeelを知りました。「FAQサイトをリプレイスしないと」とは常々思っていたので、他社の資料を取り寄せたり、商談を進めたりはしていたのですが、構築費用が高すぎる点やランニングコストがネックになっていたところ、教えてもらったのがHelpfeelでした。

 

特に他のツールと比較したわけではなかったので最終的には「Helpfeelを導入するか、しないか」に絞って社内で議論し、導入が決定されました。私の中では、「FAQサイトをより多くの方に使ってもらえるようにしたい」との気持ちが大きかったと思います。

 

お客様自身で解決できるようになれば、問い合わせ件数が減るのはもちろん、お客様満足度も高まっていく。そうした好循環を作っていきたかったんです。

 

── Helpfeelの導入によって実感された効果はありますか?

まず、お問い合わせ内容の質が変わってきました。FAQサイトで調べたらすぐに分かるような、簡単な質問は少しずつ減っています。その結果、オペレーターの負担も、だいぶ軽減されました。検索利用率を上げるため、請求書を送る際はそこにHelpfeelのURLを載せるなど、FAQへの導線も工夫しています。

 

また、以前に運用していたFAQサイトは表記統一が徹底されていませんでした。『支払い』と検索された時のみの表示設定しか対応していなかったため、お客様が『支払』『しはらい』と入力するとヒットせずエラーになってしまっていたんです。非常に使いにくく、お客様に「FAQサイトがあります」と自信を持って紹介もできない状態でした。

 

ところがHelpfeelの導入で検索性が高まったことにより、FAQサイトを軸足に置いたカスタマーサポートが実現できるようになりました。問い合わせ発生率は1.1%から0.9%ほどへと約20%減少。「Paid」の会員数は、Helpfeel導入前と比較して30%アップと右肩上がりで伸びているので、20%の差は大きいと感じています。

 

── Helpfeelを活用してみて、率直に感じたことをお聞かせください。

カスタマーサポート部門の担当者からは「ガラケーがスマホに変わったぐらいの衝撃」と言われました。それぐらいUI/UXともに以前のFAQと比較すると大きく進化しました。FAQサイトを軸足に置いた情報の開示により、カスタマーサポート部門の業務負荷も変わってきているのだと思います。我々の様子を見たグループ会社の株式会社ラクーンコマースも興味を持ち、新たにHelpfeelの導入が決まりました。弊社の成功体験が、波及した形になっています。

 

さらに検索の機能性においては、全社的にも高く評価させてもらっています。Helpfeelのカスタマーサクセス(CS)チームに伴走していただき、細かな調整についてサポートいただいている点はとても助かっています。普段の業務において手をかけられない部分まで、一気通貫で担当してもらっており、ありがたいです。

上司から「検索でつまづく人はいない」の言葉でカテゴリ分けを停止に。キーワードによる言語化が真の解決への近道

── 検索利用を高めていくための調整として、工夫されていた点はありますか?

 

まず大切にしていたのは、検索してもヒットしない「Nohit」(ノーヒット)にならないようにすることです。Nohitだったキーワードを抽出してもらい、CSチームからどのようなコンテンツでカバーしていけば良いかを提案していただきました。検索されている内容に近い言葉も含めて表示してもらい、お客様の検索ニーズに応えられるようにしました。

 

ここまで検索にこだわっていた理由は、自分自身がオペレーターとしてお客様対応をしていた時の経験に基づいています。問い合わせをするお客様は、「何が分からないのかを、分かっていない」ことが多かったんです。

 

お客様が本当に知りたいことは、何か。そこをつかみとって、明確な回答をお届けすることがカスタマーサポートにとっては、とても大切です。「検索」は、お客様の中のモヤモヤした分からなさが言語化されていく行為でもあります。「なぜ分からないのだろう?何が分からないのだろう?」と立ち止まって問い直すプロセスが、真の課題解決には必要なんじゃないかと考えていました。

 

そうは言っても、最初からパッと検索キーワードが思い浮かばないこともあるでしょう。Paidは多くの会員様にご利用いただいており、PCのリテラシーの高低など属性もさまざまです。どんなお客様でも必要な情報にたどり着けるよう、当初はカテゴリー表示もしていました。でもそれだと「検索を通じて解決を促し、問い合わせを減らしていきたい」と願ってHelpfeelを導入した目的から、大きく外れてしまうことになります。本音は不安でいっぱいでしたが、思い切ってカテゴリー表示は停止しました。

 

── カテゴリーを停止してみて、いかがでしたか?

上司から受けたアドバイスが、私の不安をすべて払拭してくれました。「Google検索でつまずく人って、見たことありますか?」と。確かに、Google検索のページは社名ロゴとキーワードを入力する枠しかありません。それでも全世界共通のプラットフォームとして、認識されています。

 

またもう一つの要因として、弊社は電話でのサポート体制も整えております。Webサポートだけではない点が強みと考えており、お客様一人一人に最適な形でのカスタマーサポートを提供すればいいと考えられた点も大きかったです。

 

── 最後に、改めて御社の今後の展望をお聞かせください。

これから目指していきたい展望としては、「Paid」を使う際のストレスを、お客様に感じさせない仕組みを作っていきたいです。お問い合わせ内容をじっくりヒアリングしていると、「これが気になるならば、あれも気になるかもしれない」と予測が立つようになります。そうした派生した疑問が合わせて解決できるように、FAQサイト内で完結していきたいです。

 

さらに、数値の成果だけに縛られたくないとも思っています。お客様にアンケートを取って満足度を調べても、実態との乖離は必ず発生するでしょう。オペレーターに「ありがとう」とわざわざ言葉にしてくれるお客様は、決して多くはありません。お客様がFAQサイトを使っている時の気持ちが分かるツール ──例えばMAツールのようなユーザー評価機能──があればいいのですが。

 

そうしたお客様が求める要望や気持ちは、HelpfeelのCSチームにうまくキャッチアップしてもらっています。日常の業務に追われて抜けてしまいがちな視点を、しっかりフォローしてくれるよきパートナーとして、これからも一緒に、お客様満足を追求していければ幸いです。

(※)2023年1月現在

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