カスタマーサポート向けのチャットボットの4つの種類
まずは、4種類のカスタマーサポート向けチャットボットを紹介します。
- ルールベース(シナリオ)型
- 辞書型
- ハイブリッド型
- AI型
それぞれの特徴を確認し、目的に合わせたチャットボットを導入しましょう。
▼チャットボットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
ルールベース(シナリオ)型
ルールベース(シナリオ)型のチャットボットは、事前に決めたシナリオに沿って複数の選択肢を提示し、ユーザーが知りたい質問を選んでもらう形式です。ユーザーが選択肢を選ぶことでシナリオが進行し、最終的な回答に辿り着きます。
ルールベース型はシナリオ通りに会話が進行するため、チャットボットに登録されていない質問には回答できません。
「パスワードを忘れた」「商品の使い方を知りたい」「会員サイトにログインできない」「送料がどれくらいか確認したい」など、ユーザーの質問に対して明確な回答やフローが決まっているケースに向いています。
辞書型
辞書型は、キーワードとなる単語と回答を組み合わせ、辞書として登録する形式のチャットボットです。ユーザーがフリーワードで質問を入力すると、キーワードに対応した回答が提示されます。
例えば「商品の価格を知りたい」とユーザーが質問を入力した場合、「商品の価格一覧について」「入金方法について」「月額料金について」など、キーワード「価格」に対応する回答が候補として表示されます。
想定される質問と回答を適切に設定できれば、まるで人と会話しているような印象を与えられます。フリーワードで入力できるため、幅広い質問に対応できるのも特徴です。
ハイブリッド型
ハイブリッド型は、自動応答と有人対応を組み合わせたチャットボットのことです。自動応答できる質問はチャットボットが回答し、自動応答が困難な場合は有人対応に切り替わります。自動応答のスピードと、有人対応のきめ細やかさを両立できるのが利点です。
チャットボットは24時間いつでも迅速に対応できる一方で、事前登録した範囲から外れる質問や複雑な状況には対応できない場合も少なくありません。
自動応答で対応しきれないケースでは、有人対応へ切り替えることで柔軟なサポートが可能となり、ユーザーの満足度向上につながります。
AI型
AI型は、事前に機械学習させた対話ログをベースに、ユーザーが入力したフリーワードの質問に対する回答を提示します。対話ログの学習量が増えれば精度が高まり、ユーザーが求める回答を提示できるようになるのが特徴です。
例えば「単語Aが入力された場合、回答Bが正答となるパターンが多い」とAIが学習すれば、ユーザーが「単語A」を入力した際に「回答B」を示せるようになります。
また、人間のように自然な会話ができるのもAI型の利点です。「チャットボット上の雑談を通じて、ユーザーとコミュニケーションを取りたい」「質問内容が多岐にわたる」などのシーンに役立ちます。
▼AIチャットボットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
カスタマーサポートでチャットボットを活用する目的
カスタマーサポートでチャットボットを活用する、4つの目的を紹介します。
- 顧客満足度の向上
- オペレーターの業務負担軽減
- 人件費削減
- データの収集と活用
それぞれについて、詳しく確認していきましょう。
▼コールセンターのチャットボット活用について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
顧客満足度の向上
チャットボットは、24時間いつでもユーザーの質問に自動応答が可能です。カスタマーサポートが対応していない時間帯や休日も、チャットボットでユーザーの疑問・問題を解消できれば、顧客満足度の向上につながります。
また、カスタマーサポートの待ち時間短縮にも、チャットボットの活用は有効です。カスタマーサポートへの問い合わせが増えると、電話がつながりにくくなり、ユーザーにストレスを与える可能性が高まります。
オペレーターが対応しなくても解決できる簡単な問い合わせはチャットボットで回答する体制にすれば、ユーザーを長時間待たせるリスクを減らせるでしょう。
簡単な問い合わせが減ることでカスタマーサポートへの電話がつながりやすくなり、複雑な対応が必要なユーザーへもきめ細やかにフォローできます。
オペレーターの業務負担軽減
チャットボットを導入して問い合わせ件数が減れば、オペレーターの業務負担が軽減されます。
例えば「問い合わせの頻度が高い簡単な質問はチャットボットが対応」「複雑なコミュニケーションが必要な質問はオペレーターが対応」など、それぞれで役割分担を決めておけば、適切な業務の割り振りが可能です。
オペレーターは、膨大な問い合わせ数に追われるだけでなく、同じような質問が幾度も繰り返されることにストレスを感じる場合も少なくありません。オペレーターの負担が大きくなれば離職のリスクが高まり、カスタマーサポート業務全体に支障が生じることもあるでしょう。
チャットボットで負担を軽減することでオペレーターの定着率が上がり、安定したカスタマーサポートの運用を実現できます。
人件費削減
人件費に関わるコスト削減も、チャットボットの重要な目的です。チャットボット導入後、オペレーターはチャットボットが回答できなかった問い合わせだけに集中して対応できるようになります。
簡単な質問や何度も繰り返される質問に対応する必要がなくなることで、労働時間が短縮されるため、人件費の削減が見込まれます。
また、業務負担の軽減により人手不足が解消された場合は、新たにオペレーターを雇うコストや新人研修コストも抑えられます。
問い合わせ業務と他業務を兼任している場合は、チャットボットによって問い合わせ数が減ることで他業務に集中できるようになります。業務に集中できる分だけ残業時間が減り、残業代にかかるコスト削減もできるでしょう。
データの収集と活用
チャットボットは、日々の問い合わせデータを収集・蓄積できます。収集した問い合わせデータを分析すれば、ユーザーが求めていることや疑問に感じていることを把握できるため、マーケティングに役立てられます。
例えば、FacebookやLINEなどのSNSにチャットボットを導入した場合、ユーザーとコミュニケーションを取りながらデータの収集が可能です。データ分析をもとに「SNS上でユーザーの関心が高い商品を勧める」などのマーケティング施策を実践できます。
また、問い合わせデータから商品の問題点や課題を洗い出し、改善策を検討することも可能です。収集・蓄積したデータは定期的に分析し、ユーザーのニーズをくみ取るよう、工夫しましょう。
カスタマーサポートでチャットボットを導入するときの注意点
ここでは、チャットボット導入時に意識したい注意点を3つ紹介します。
- 導入・運用の手間がかかる
- 複雑な質問には対応できない
- セキュリティ対策が必要になる
どのような点に気をつけるべきか具体的に確認し、失敗を防ぎましょう。
導入・運用の手間がかかる
チャットボットを導入する際は、初期設定や準備が必要です。
例えば、ルールベース型の場合、想定されるシナリオやルールを決めることになります。辞書型は、登録するキーワードと回答を検討しなければなりません。AI型は、事前に大量の対話ログを学習させ、精度を高めることが大切です。
また、チャットボットは導入したら終わりではなく、定期的なメンテナンスを繰り返しながら運用しなくてはなりません。
メンテナンス作業にリソースを確保しておかないと、チャットボットの精度が低下し、期待した効果を得られない可能性があるため、注意しましょう。
複雑な質問には対応できない
ルールベース型や辞書型のチャットボットは、事前に登録したシナリオやキーワードと合致しない質問には答えられない可能性があります。
AI型も、学習が不十分な質問や想定していない質問には、適切な回答を提示できない場合があるでしょう。
また、チャットボットは複数の質問に対して同時に回答できません。聞きたいことが2つ以上ある場合、ユーザーは1つずつ質問する必要があります。ユーザーによっては、1回の質問で全ての疑問を解消できないことにストレスを感じるかもしれません。
複雑な質問があった場合は、有人対応に切り替える体制を整えておくことが大切です。
セキュリティ対策が必要になる
チャットボットは、ユーザーの機密情報を扱う場合があるため、セキュリティ対策が必須です。セキュリティが脆弱(ぜいじゃく)な状態では、情報漏えいや不正アクセスのリスクが高まります。
主なセキュリティ対策は、以下の通りです。
- 生体認証やパスワードなど、複数のログイン方法を併用
- ログインパスワードの定期的な変更
- システムの定期的なアップデートと監視
- SSL/TLSを活用した通信暗号化
- セキュリティポリシーの策定と運用
- 情報セキュリティ研修の実施
情報漏えいの原因は誤操作などの人的ミスが原因になることが多いです。
技術面だけでなく、セキュリティに関する十分な知識を得られる機会の提供や、ミスを防ぐマニュアル整備をしていきましょう。です。
カスタマーサポートでチャットボットを導入するときのポイント
ここでは、チャットボット導入時のポイントを4つ紹介します。
- 導入目的を明確にする
- 目的に合ったチャットボットを選定する
- 運用体制を整える
- チャットボットの利用を促進する
それぞれのポイントを踏まえた上でチャットボットを活用してください。
▼チャットボット導入手順について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
導入目的を明確にする
チャットボットを導入する際は、まず初めに自社で解決したい課題を整理し、導入目的を明確にすることが大切です。
目的が曖昧なままだと何をすべきか分からなくなり、狙った効果を得られない可能性があります。
主な導入の目的は、以下の通りです。
- 問い合わせ件数を削減する
- オペレーターの業務負担軽減・人件費の削減を図る
- 24時間対応を実現する
- 問い合わせのハードルを下げ、機会損失を防止する
- 顧客情報と連携させ、資料請求などのコンバージョンまでを自動化する
- レコメンドエンジンと連携して商品購入を促進する
このように、チャットボット導入の目的は多岐にわたります。関連部署や担当者にヒアリングし、達成したい目的を検討しましょう。
目的に合ったチャットボットを選定する
チャットボットを選定する際は、自社の導入目的を達成するために必要な機能を備えているか確認することが大切です。
例えば「ユーザーが自由に質問を入力できるチャットボットで、問い合わせ件数を大幅に削減することが目的」であれば、人間のような対話が可能なAI型チャットボットが有効です。
一方で「複雑な質問が寄せられることが想定されるため、自動応答とオペレーターを併用したい」という場合には、チャットボットと有人対応のハイブリッド型が役立ちます。
また、機能だけでなく予算や運用工数を考慮することも大切です。選定において外せない基準を明確にし、それぞれのツールを比較検討しましょう。
運用体制を整える
チャットボットを導入する際は、運用担当者を決めて定期的なメンテナンスを継続する必要があります。担当者を選任する際には、複数人でチームを作り、知識やノウハウを共有するのがポイントです。
運用作業が属人化すると、担当者が欠勤したり退職したりした際にチャットボットの管理が困難になるため、注意が必要です。
また、社内の受け入れ体制を作ることも大切です。例えば、チャットボットから有人対応に切り替える場合は、オペレーターの協力・連携体制の構築が求められます。
社内の関係部署にチャットボット導入を周知し、協力体制を整えることで、チャットボットのスムーズな運用を目指しましょう。
チャットボットの利用を促進する
チャットボットでカスタマーサポートの業務負担を軽減するには、利用率を上げることが大切です。
利用率が上がらなければ、カスタマーサポートへの問い合わせは減らず、チャットボット導入の効果が薄れてしまいます。
利用率を向上させるポイントは、以下の通りです。
- ユーザーの目を引くデザイン・配色にする
- 「問い合わせページ」を開くと自動的にチャットボットが表示されるようにする
- フリーワード入力の場合、問い合わせの入力例を示す
- ユーザーからのニーズが高い問い合わせ内容を追加する
チャットボットの利用状況データを集計・分析し、課題を明らかにした上で、必要に応じて対策しましょう。
カスタマーサポートの効率化にはFAQの改善も効果的
カスタマーサポートの業務効率化を目指す場合は、「FAQ(よくある質問)」のコンテンツを改善するのも効果的です。FAQを充実させることで、ユーザーの自己解決が促進され、カスタマーサポートへの問い合わせを減らせます。
FAQを改善するなら、高い精度を備えた検索型AI-FAQシステム「Helpfeel」がおすすめです。独自の検索技術により、ユーザーの誤字・スペルミス、曖昧な言葉があっても、スピーディーに適切な回答を提示できます。
Helpfeelは、現在までに500サイト以上で導入されており、問い合わせを約64%削減した事例もあります。カスタマーサポートの効率化を目指すときには、ぜひHelpfeelのサービス資料をご覧ください。
チャットボットでカスタマーサポートを進化させましょう
チャットボットは、カスタマーサポートへの問い合わせ件数を減らし、業務負担を軽減できるツールです。24時間いつでも利用が可能で、カスタマーサポートの待ち時間を短縮できることから、顧客満足度の向上にもつながります。
チャットボットを導入する際は、運用体制を整備し、利用率の向上を目指すことが大切です。また、カスタマーサポートの効率化には、FAQを改善してユーザーの自己解決を促すことも効果的です。
本記事を参考に、自社に合った形でチャットボットやFAQシステムの導入を検討し、業務効率化を図りましょう。