ユーザー同士の知見や経験を持ち寄って、広げる場に。
2023年4月14日、 「Helpfeel Community」第1回を都内で開催しました。
このイベントは、Helpfeelをご利用いただいている企業様から、活用時の工夫や今後の取り組みなどを共有いただくことで、新たな気付きを得るきっかけにしてもらえたらと企画しました。また、担当者様同士が交流したり、情報交換をし合う場にできたらと思っています。
当日、約35人の方が参加。今回は、株式会社ニュートンの北見朋之様、株式会社お金のデザインの古川雷介様、シロカ株式会社の堀内清太郎様に登壇いただきました。
顧客が意思決定をするうえで、重要なメディアの一つ
最初に登壇いただいたのは、ニュートンの北見朋之様です。ホテルやブライダル、テーマレストランなどレジャー産業の企画運営を行う同社。代表的なブランドとして「カラオケパセラ」があるほか、最近では産後ケアホテル「マームガーデン葉山」といった新規事業も展開しています。イベントでは、カラオケパセラにおけるHelpfeelの活用例を共有いただきました。
もともと店舗ごとにFAQを運用していたカラオケパセラでしたが、北見様は「なかなか効率よく使えていなかった」と話します。なぜなら、各店舗にFAQの運用を任せており、誰がどう更新するのか、更新頻度なども定まっていなかったからです。そのため、多くの顧客がFAQだけでは問題解決ができず、電話で問い合わせをしている状況でした。
転機が訪れたのは、新型コロナウイルスの感染拡大です。2020年4月から2か月間にわたって全店舗が休業を余儀なくされたことから、問い合わせコストの削減に向けてメール対応やFAQの運用を本部で一括対応する形へと変更します。その際、いくつかのFAQシステムを比較検討する中、Helpfeelの「意図予測検索」に関心を持ち、導入いただきました。
導入後、約1か月で有人対応すべき問い合わせ件数は約60%削減。問い合わせフォームの入力欄にもFAQに誘導する機能(Contact Sense)を追加し、顧客が問い合わせを行う寸前にも、自己解決をサポートするようにしています。
また、一つひとつの問い合わせに対して十分に時間をかけられるようになったことから、対応に対する満足度も「導入前より高くなった」といいます。
今後の課題には、十分に対応ができていない「利用は決めたが、どのプランを購入するか決めていない方」に向けた施策を行うことを挙げます。カラオケパセラの特徴の一つは、顧客の4割以上がWebや電話から事前に予約することです。そのため、部屋の広さや設備の内容といったWeb上でプラン・部屋を検討する際に役立つ記事をつくる、としました。
北見様「当社にとってHelpfeelは単なるFAQシステムではなく、比較・検討をしている顧客が意思決定をするうえで重要なメディアの一つなんですよね。実際、予約をする方の約2割はFAQサイトを訪れています。今後もさまざまな活用を検討したいと思います」
Helpfeelは「もう1人の社内メンバー」と思える存在に
次に登壇したのは、お金のデザインの古川雷介様です。同社はおまかせ資産運用サービス「THEO」や個人型確定拠出年金サービス「MYDC」などを手掛けています。特に世界約70の国・地域で2万銘柄以上に分散投資をすることでリスク低減を図るTHEOは成長を続ける主力事業であり、2023年2月時点で運用者は約13万人、運用資産額は1600億円を超えます。
顧客は投資未経験者が半数以上を占めるため、顧客対応をするうえで「専門的な金融用語を使わず、馴染みのある分かりやすい言葉を使うこと」を方針に掲げた同社。次に、カスタマーサポートチームとしては、まずは顧客にとって最適な問い合わせ方法を模索するため、「どのような手段をとるべきか検討することから始めた」と古川様は語ります。
実際に顧客に対してヒアリングを行ったところ、既存の金融機関で使われている「電話」などよりも、はるかに「FAQ」「ネットで検索」の割合が高いことが分かったそうです。つまり、想定していた以上に顧客は「自己解決したい」という思いを抱えていました。
そこで同社は、まず「キーワード検索型FAQサイト」と「チャットボット」の導入を試みました。それぞれ一定の成果は得られたものの、キーワード検索型FAQは検索に入力する言葉に揺らぎがあり必ずしも望んだ記事にたどりつけない、チャットボットでは顧客が必ずしも正しい選択肢を選ぶことができない、といった課題が生まれてきました。結果的に自己解決につながらず、メールや電話での対応コストが発生してしまったそうです。
顧客の疑問に寄り添い、改善が回しやすい仕組みを構築するにはどうすればいいか。そう考えたとき、検討いただいたのがHelpfeelでした。Helpfeelであれば、具体的なキーワードが思い浮かばなかったとしても、イメージしやすい言葉で検索が可能です。また、顧客の実際の行動に基づき、随時アップデートができることも導入の決め手になったといいます。
導入後、主要な指標としていた直帰率(36%→29%)や検索による離脱数の割合(18%→11%)が下がるなど、FAQにおける満足度が向上。問い合わせ件数も導入前の月平均と比較して38%削減し、顧客の自己解決をサポートすることにつながりました。
古川様「当社はスタートアップなので、まだまだ少数のメンバーで顧客対応を行なっています。そのため、どうしても日々の業務に追われがちで、改善業務がおざなりになってしまいます。しかし、Helpfeel社のカスタマーサクセス担当者に伴走してもらい、FAQの利用状況や行動分析を月次の定例会で共有いただいているのは、とても有難いです。今ではHelpfeelがもう1人の社内メンバーといえるくらい、身近で頼れる存在だと思っています」
重箱の隅をつつく小さな改善が「寄り添い」につながる
最後に登壇したのは、シロカの堀内清太郎様です。同社は「ていねいに、うつくしく、こだわって」というメッセージを掲げ、電気圧力鍋やオーブントースターなど調理家電の企画開発を行っています。2000年10月に設立以降、多くの人気ブランドを生み出してきました。
そんな同社が大切にしているのが、体験によって商品の価値を向上させ、顧客満足度を高めることです。例えば、購入を検討する顧客向けに、疑似体験としてSNSでライブイベントを実施したり、Webサイトでレシピページをつくるなどの施策を行っています。
しかし、購入後についてはカスタマーサポートチームが一つひとつの問い合わせ内容をもとに、手の空いたときにWebサイトを修正する運用が続けられてきました。そのため、電話での問い合わせが減らず、「アナログな運用をしていた」と堀内様は当時を振り返ります。
そうした状況を改善するべく、同社は顧客満足度向上プロジェクトチームを組成。新しくFAQを作ることになったのをきっかけに、Helpfeelを導入いただきました。導入後、取り組んだことには、「ニーズのあるコンテンツを見やすくカスタマイズすること」を挙げます。
具体的には、取扱説明書を探したい顧客がスムーズに自己解決できるよう、検索窓のすぐ下に「取扱説明書を探す」と記載されたラジオボタンを設置したり、季節やトレンドに合わせて検索をサポートするキーワード一覧を改善したりといった施策を行ったそうです。
また、検索キーワードを分析し、顧客ニーズを発見することにも取り組みました。例えば、「ホームベーカリー おもち」という検索が多いことを発見し、新たな記事を追加するなど、想定していなかった顧客ニーズを発見することにもつながったといいます。
こうした施策の成果が生まれ、Webサイトを見てから電話で問い合わせをした顧客の割合は、Helpfeel導入後の7か月で27.20%減(アンケート結果より)。導入前と導入後の1年を比較すると、FAQのPVが35.83%減少したのに対して、ユニークPVが83.80%増になったことから、顧客が以前よりも迷わず目的の情報にたどり着けていることが分かりました。
堀内様「大きな成果が数字として出ましたが、一つひとつの施策は重箱の隅をつつくような改善が多いです。ただ、そうした地道な積み重ねが、顧客に対して寄り添うことにつながると考えています。今後もFAQの改善を通して、顧客満足度の向上に取り組みたいです」
実践を共有した後は、担当者様同士で交流する場に
当日は、ChatGPTを活用したFAQ作成支援ツール「Helpfeel Generative Writer」といったプロダクトの展開についても、CEOの洛西やCTOの秋山から説明を行いました。セッション終了後は懇親会を開催し、各企業の担当者様同士が交流できる場もつくっています。
参加いただいた企業様からは、「また同じイベントがあったら参加したい」「各社さまざまな工夫を重ねていることを知り、これからの励みとなった」「普段FAQ担当者と交流することがないので、貴重な話を聞けた」といった嬉しい声をいただきました。
今後もこうしたイベントを開催する予定なので、Helpfeelを活用するうえでの悩みの解決や横のつながりをつくる機会として、ぜひ活用いただけたらと思います!
▼ 第2回 Helpfeel Communityイベントレポートはこちら
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