- 「業務用PCやスマートフォン、各種ツールの操作などに関する質問が、情報システム部門へ頻繁に寄せられている」
- 「年末調整の時期になると、毎年同じような質問を経理部門が受けている」
部門ごとの悩みとして耳にするこのような状況は、組織全体の業務効率の低下につながります。その対策として社内向けのよくある質問(FAQ)を構築して社内問い合わせの削減に取り組む企業が増えてきています。
本コラムでは、社内FAQの導入メリットや成功例などを解説していきます。
- 社内FAQとは
- 社内FAQ導入のメリット
- 良い社内FAQとは?
- 社内FAQに適したツール
- 社内FAQの作り方
- 社内FAQ作成時によくある質問
- 社内FAQサイトの運用で注意すべきKPI(重要効果指標)は?
- こんな場合は社内FAQシステムがおすすめ
- 社内FAQシステム導入で業務はどう変わる?
- 検索ヒット率98%の社内FAQシステム「Helpfeel」で業務効率・生産性アップへ
社内FAQとは
FAQとは、Frequently Asked Questionsの略語で、「よくある質問」のことです。そして、特に従業員向けによくある質問と回答を体系的に整理したものが社内FAQです。社内FAQを導入すると、問い合わせを受ける部門だけでなく、問い合わせをしている従業員にもメリットが生まれます。
社内FAQは、人事、経理、総務、情報システム管理といったバックオフィス部門から寄せられる以下のような定型業務の質問の回答で活躍します。
- パソコンやシステムの操作、設定方法
- 年末調整の帳票の記入方法
- 各種手当の申請方法
- 休暇の申請方法
- 経費精算の手順
- 営業ツールや消耗品の購入申請方法
FAQについては、下記のコラムで詳しく解説しているのでご一読ください。
FAQの意味は? 〜読み方やQ&Aとの違い、効果などを解説!〜
社内FAQ導入のメリット
1:担当部門の業務負担を軽減できる
社内FAQを導入することで、各従業員は疑問やトラブルを自ら解決できるようになります。その結果、これまで所管部門の担当者が有人で対応していた問い合わせの一部を削減することが可能です。
特に各部門からの問い合わせが集中しやすい情報システム部門や経理部門といったバックオフィス部門を中心に、担当者の業務負担を軽減することができます。
2:ナレッジが蓄積され、属人化を防ぐことができる
どの部門においても、従業員ごとの業務遂行レベルには差があります。知識が豊富で、熟練した従業員に問い合わせが集中し、本来の業務に支障が出てしまうという状況は少なくありません。
特定の従業員にナレッジが集中し属人化してしまうと、その従業員の休暇や異動、退職といった場面で大きな損失が出ます。
社内FAQを導入すると、熟練した従業員が持つ知識やノウハウを、ナレッジとして蓄積し、ほかの従業員と共有することができます。新人教育においても、社内FAQを参照することで、効率的に業務レベルを高めることができます。
3:問題をスピーディーに解決できるようになる
- 「経費申請の方法を確認したいけれど、担当の○○さんがいないからすぐには確認できない…」
- 「新しく導入したシステムの設定方法を情報システム部門に問い合わせたが、『確認して返答します』と言われてから3日も経っているのに返答がない…」
- 皆さんも、このような状況に出くわしたことがあるのではないでしょうか?
前述したように、社内FAQを導入することで各従業員は疑問やトラブルを自ら解決できるようになります。そのため、上記のように担当者の不在や担当部門からの回答の遅れといった事情で、疑問やトラブルの解決が遅れてしまう状況が生まれにくくなり、問題をスピーディーに解決できるようになります。
4:業務時間外に発生した疑問・トラブルにも対応できる
予期せぬ問題やトラブルは時間帯に限らず発生します。とはいえ、その際に解決策を知っている担当者が業務中であるとは限りません。企業によっては、そもそも部門ごとに業務時間帯が異なることもあります。
社内FAQを導入すれば、業務時間に関係なくFAQを参照できるので、担当者の業務時間外に疑問やトラブルが発生した場合でも、各従業員が自己解決できるようになります。
良い社内FAQとは?
「FAQへの訪問→質問をKWで検索→回答を得る」という一連の体験が、スムーズに行われているものが良いFAQです。良いFAQの具体例は次の通りです。
- 問題が発生した時に、すぐに社内FAQにアクセスできる
- 社内FAQの存在が周知され、アクセス方法が明示されていると、問題が発生した時にすぐにアクセスすることができます。業務時間外の利用も考慮し、社内FAQをクラウド上で展開するのがおすすめです。
- 適切なFAQにすばやく辿り着ける
- 社内FAQにアクセスしても、適切なFAQになかなか辿り着けなければ、従業員は社内FAQの利用を諦めてしまいます。FAQをカテゴリごとにきちんと整理する、あるいは、検索機能を使って目的のFAQを見つけることができるしくみを作る、といった工夫が必要です。
- FAQを読むと問題解決策が理解できる
- 適切なFAQに辿り着いても、内容が不十分もしくは難解であった場合、従業員は問題を解決することができず、やはり社内FAQの利用を諦めてしまいます。良いFAQにするには、問題解決に必要な情報を、簡潔に分かりやすくまとめることが重要です。
社内FAQに適したツール
社内FAQの作成にあたり、まずはツールを選択する必要があります。次のような選択肢の中から、自社の利用状況に適したツールを選択しましょう。
選択肢1:表計算ソフト
ExcelやGoogleスプレッドシートといった表計算ソフトを用いて部署別もしくはテーマ別にシートを用意すれば、一覧性も確保できます。
デメリットとしては、テンプレートを自社で整備する必要があること、そして検索機能が弱いため、比較的簡素な社内FAQにしか対応できないことなどが挙げられます。
選択肢2:FAQページ
社内向けWebサイトに、FAQページを追加する方法です。インデックスページの設置や、キーワード検索機能、カテゴリ、タグの活用などで、閲覧性や検索性を高めることができます。
デメリットとしては、ページの作成・管理に、HTMLをはじめとする専門知識が必要なことが挙げられます。
選択肢3:FAQシステム
FAQの作成・運用に特化したシステムを導入する方法です。FAQ作成の機能を使用して、専門知識がなくても使いやすい社内FAQが作成できます。解析ツールが搭載されているシステムであれば、各ページへのアクセス数や検索キーワードなどを解析して、社内FAQを効率的にブラッシュアップできます。
デメリットとしては、システムの導入に専門知識を必要とすることが挙げられます。
選択肢4:チャットボット
顧客向けFAQで利用されることの多いチャットボットは、社内FAQにも活用できます。社内ポータルや業務システムの画面上に、社内FAQのチャットボットを設置すれば、その場で自己解決を促すことができます。
デメリットとしては、十分なデータを集めて蓄積させなければ、回答の精度が低くなってしまい、期待通りの利用率や解決率に到らないことが挙げられます。
社内FAQの作り方
どのようなツールを選んだ場合も、社内FAQの作成は次のような手順で行うと、効率的に進められます。
STEP1 質問をリストアップする
まずは、これまでに寄せられた問い合わせを収集して、頻度が高いものを抽出します。そして、緊急性や優先度の高いものから並び替えて、FAQ作成の優先順位をつけていきます。
この際、「対象部署と問い合わせ内容」をグルーピングし、タグをつけてカテゴリ分けをしておくと、後から情報検索がしやすくなります。
また、カテゴリ分けした質問を見直し、可能な限り細分化を試みることも重要です。たとえば経費計上に関する質問なら、「経費計上の仕方は?」のように漠然とした質問ではなく、「経費計上申請書のテンプレートは?」「経費計上のタイミングは?」など、従業員が知りたい内容に沿って質問を分割することで、自己解決に結び付けやすくなります。
STEP2 回答を作成する
社内FAQに掲載する質問が整理できたら、作成の優先順位が高いものから回答を作成していきます。簡潔で分かりやすい表現を心がけ、新入社員が見ても十分に理解できる内容を目指しましょう。必要に応じて、参考資料やテンプレートファイルへのリンク、説明画像、説明動画も挿入すると、より有益な回答になります。
回答を作成できたら、記載内容に間違いや不備がないか、社内の担当部署に確認作業を行ってもらいましょう。
STEP3 運用・更新
社内FAQの質問と回答が完成したら、運用を開始します。社内FAQの運用で最も重要なのは、定期的な項目追加や見直しです。最初から完璧を求めるよりも、ある程度の情報量が確保できた段階で運用を開始し、利用者にフィードバックを求め、追加と修正を繰り返すほうが、結果的には効率よく完成度を高められます。
社内FAQ作成時によくある質問
どの質問から対処すべき?
質問の量や内容によっては、緊急性や優先度を判断しづらい場合があります。まずは、年間を通して問い合わせ数が多いものから優先度をつけていきましょう。年末調整のような、特定の時期に問い合わせが集中するものについても、ピックアップしていきます。
すでに社内FAQを運用しており、リプレイスを検討している場合は、アクセス解析を用いて、質問の検索回数をチェックすると効率的です。
状況によって回答が変わる場合はどうすれば良い?
たとえば「業務システムにログインできない」という問い合わせでは、IDやパスワードが分からなくなった、ログイン画面に辿り着けない、VPNなどネットワーク自体に接続できない、といった複数の状況が考えられます。
問い合わせ側の状況によって解決方法が変わる場合は、最もシンプルな「業務システムにログインできない」という質問を用意しておき、回答として、想定される状況とそれぞれに応じた解決方法を記載すると良いでしょう。記事のボリュームが大きくなりすぎる場合は、状況ごとの解決方法を個別にFAQとして作成し、リンクを貼るのも有効です。
社内FAQサイトの運用で注意すべきKPI(重要効果指標)は?
Web上に社内FAQサイトを構築した場合には、アクセス解析を用いて、次のようなKPIを確認すると、効果的な改善が行えます。
- ①直帰率:1ページのみのセッション数をすべてのセッション数で割った値のこと
- ②検索利用率:セッション中に検索を利用した割合
- ③検索ヒット率:ユーザーが検索を行って検索結果が表示された確率
- ④平均検索深度:検索結果からサイトを訪問したユーザーが閲覧したページ数
- ⑤再検索数の割合:ユーザーが検索を行った直後、または何ページかヘルプページを閲覧した後に再検索した確率
これらの指標に問題がある場合は、次のような課題が考えられます。
- FAQへの導線とユーザーの目的が合っていない
- ユーザー目線で見た時に選択肢が多すぎる
- 入力するキーワードが検索に対応できていない
- 該当する記事がない
- 言い換えに対応できていない
KPIによる分析は、高度な知識を必要とするため、自社内に適任者がいない場合は、外部への委託も検討してみてください。
こんな場合は社内FAQシステムがおすすめ
前述したように、社内FAQのツールにはいくつかの選択肢があります。中でも社内FAQシステムの利用が効果的なのは、以下のような場合です。
- 社内FAQとして整備すべき質問回答の数が多い
- 社内FAQの導入、運用にかけられる人的コストが限られている
- 社内FAQを運用しているが、問い合わせが減らない
- 社内FAQを運用しているが、使い勝手や検索機能に不満がある
社内FAQシステム導入で業務はどう変わる?
実際に社内FAQシステムを導入した企業では、どのような効果が得られているのでしょうか。Nota株式会社では、最先端の検索テクノロジーを搭載した革新的なFAQシステム「Helpfeel」を開発・提供しています。Helpfeelを社内FAQとして導入された企業様では、問い合わせ率の削減や、運用コストの削減といった目に見える効果が出ています。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
従業員約4,600 名からの問い合わせに対応する「コンシェルジュデスク」に Helpfeel を導入していただきました。以前利用していたFAQシステムは、検索性能に課題があり、検索ヒット率が低かったそうです。しかしHelpfeel導入後は、わずか1ヶ月で、問い合わせ件数が約25%減少しました。さらに、Helpfeelの優れた検索機能によって、FAQページのメンテナンスの手間が減ったと同時に、検索キーワードに固執しない、読者目線での記事作りが行えるようになったとのことです。
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
グループ会社を含め2,000名以上の従業員が在籍し、社内ヘルプデスクでは毎月1,000件を超える問い合わせに対応していたそうです。Helpfeelの優れた検索性能が導入の決め手となり、コンテンツの改善提案や伴走支援の手厚さという点も心強く、既存システムからのリプレイスを決断されました。導入後、問い合わせ数は減少し、社内アンケートにおいても回答者の約7割が「使いやすい」と回答しました。導入5ヶ月で検索のヒット率はさらに向上し、ヘルプデスク担当者の業務負荷は大幅に改善されたとのことです。
>>デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社の成功例
検索ヒット率98%の社内FAQシステム「Helpfeel」で業務効率・生産性アップへ
本コラムで解説してきたように、社内FAQによって業務効率や生産性をアップさせるには、目的とするFAQにすばやく到達できることが非常に重要です。
Nota株式会社が開発・提供している社内FAQシステムHelpfeelは、最先端の検索テクノロジーによって、検索キーワードの表記ゆれにも柔軟に対応し、検索ヒット率98%という性能を実現しています。
また、Helpfeelでは、システム導入からリリース後の運用にいたるまで、専任チームが手厚いサポートを行う伴走体制を整えています。
- 「社内FAQによって、業務効率や生産性を確実にアップさせたい」
- 「社内FAQの導入やリプレイス、運用にかかる人的コストを抑えたい」
このようにお考えの企業様は、ぜひHelpfeelについてお気軽にご相談ください。