株式会社ディー・エヌ・エーが運営するライブコミュニケーションアプリ「Pococha(ポコチャ)」。ライブ配信を行うライバーと、視聴するリスナーが活発にコミュニケーションを行う独自のカルチャーが人気を集め、ダウンロード数は2020年8月31日時点で累計180万以上です。
そんななか、Pocochaはサポート業務の効率化を目的として、2020年の3月にFAQシステム「Helpfeel」を導入しました。今回はPocochaでカスタマーサポートを務める中川彩葉さまから、Helpfeelを導入した理由や利用用途などを伺いました(2020年9月にインタビュー実施)。
オンラインイベントも開催する手厚いカスタマーサポート。コロナ禍による需要拡大に備えてFAQを見直すことに
── はじめに、Pocochaのカスタマーサポートの体制や取り組みについて教えてください。
ヘルプデスクは約10名体制で、ユーザーさんからの問い合わせをメールで受け付けています。その他、LINEのチャットボットによる自動応答を活用したり、オンラインイベントを定期的に開催したり、カスタマーサポートには日頃から力を入れています。
── オンラインイベントとはどういったものですか?
ユーザーさんに向けてPocochaのプロデューサーがPocochaの最新情報を伝えるイベントで、約50名〜100名程度のユーザーさんがオンラインで参加してくださいます。
Pocochaにはたくさんの機能があり、アップデートも頻繁に行うので、運営側はユーザーさんに常に最新の情報を発信していく必要があります。ユーザーさん同士のコミュニケーションが活発に行われるカルチャーですので、良いこともある反面、『こういうことをすると通報されるらしい』『この機能はあと数ヶ月で使えなくなるらしい』など、間違った情報が噂として広まってしまうことも少なくありません。
オンラインイベントは、運営側から正しい情報を発信する場であり、同時にユーザーさんからのご意見が聞ける貴重な場でもあります。そこでいただいたご要望をもとに機能を見直したり、ご質問に対する回答をFAQに追加したりしています。
── ユーザーと一緒にPocochaを盛り上げていこうという考え方なのですね。今回FAQシステムとしてHelpfeelを導入いただきましたが、以前のFAQシステムには何か課題があったのでしょうか?
正直なところ、以前のFAQシステムを使っていたときから課題意識をもっていたわけではありませんでした。しかし、Helpfeelを導入してみて、今の方が検索の機能性が上がり、編集もしやすくなったと思います。
── なぜFAQシステムを新しくしようという考えたのでしょうか?
これからサービスをさらにグロースさせていこうと考えていたなか、新型コロナウイルスの感染が広がりはじめ、“巣篭もり需要”によるユーザー数のさらなる増加が見込まれました。そこで、カスタマーサポートの効率化が喫緊の課題となり、まずはユーザーさんの自己解決を手助けするFAQシステムの在り方を見直すことになりました。
── 数あるFAQシステムの中からなぜHelpfeelを選んだのでしょうか?
いろいろツールを探していたときに、プロデューサーも含めて何人かの人が『これいいんじゃない?』と別のSlackチャンネルで話題にあげていて、ユーザー視点の感覚的なキーワードでも答えを導き出せるというところに興味を惹かれました。ご担当の方にお話をお伺いすると、その場でFAQシステムが目指すべき指標を具体的に示していただき、改善の方向性が明確になりました。
ユーザーがTwitterでFAQをシェア。検索性能と活性化されたコミュニティの力で問い合わせは激減
── Helpfeelの導入期間はどれくらいでしたか?
実質2カ月くらいでした。コンテンツは既存のFAQから大きく変えていませんが、Helpfeelの担当者さんから細かい表現について『ユーザー視点でこの方が伝わりますよ』とご提案いただき、一部修正を加えました。
── 既存のFAQシステムから移行する際、業務への支障はなかったですか?
検索キーワードの設定を含め、移行作業はお任せできたので、こちらでリソースを使う必要はほとんどなく、スムーズでした。Pocochaはアプリ内のいろいろな箇所にFAQの記事へのリンクを仕込んでいるので、こちら側での作業といえばそのリンク先を変更することくらいでした。
── 実際にHelpfeelを導入して効果は得られましたか?
使い始めた最初の月からすぐに効果が出始めました。問い合わせ率は大幅に下がり、同時にFAQページへのアクセス数が増えました。検索性能が高く、編集もしやすいと社内でもポジティブな意見があがっています。
── 懸念されていたコロナの影響による需要拡大には対応できましたか?
実はユーザー数が以前の数倍という単位でかなり急激に増えましたが、お問い合わせの数はそこまで増えず、サポート体制もパンクせずに増員することなく乗り切れました。
── TwitterでFAQをシェアしているユーザーさんもいるようですね。
そのようですね。Helpfeelを導入したことで、困ったときにFAQを見に行くというユーザー行動が促進されたようです。また、Pocochaは正しい使い方やルールを多くの人に伝えたいと考えてくれる熱量の高いユーザーさんが多く、こうした行動にとても助けられています。
ユーザー向け・ライバーノウハウ集・事務所向け・社内向け。4つの使い方でHelpfeelをフル活用しカルチャー浸透を推進
── 今回Helpfeelをユーザー向けFAQとして導入いただいてから、3つの違った用途でも導入いただきましたよね。
はい。Helpfeelの高い検索性能と編集のしやすさを活かして他のコンテンツとしても利用させていただきました。ひとつは、ユーザーさんのなかでも配信を行う側のライバーさんに向けて、トップライバーの方が経験やノウハウを動画で伝える『教えて先輩ライバー』です。
── ライバーさんが知りたいことがわかりやすく動画で解説された良いコンテンツですね。これは以前はどのような形だったのでしょうか?
公式ツイッターで発信していて、動画はストックされていませんでした。それらの動画をYouTubeにまとめ、Helpfeelを入り口として検索できるようにしました。
── 他にはライバーさんをマネージメントする事務所向けのFAQと、社内用のツールとしてもご利用いただいていますね。
はい。『事務所向けFAQ』は、事務所の担当者様向けに手続きの方法などををまとめたものです。以前はPowerPointの資料を提供していましたが、サービスのグロースに伴って連携する企業様も増えてきたため、ユーザーさんとは別軸でこちらもサポートを厚くする必要がありました。
さらに以前は、社内のノウハウ共有でスプレッドシートを使っていましたが、これもHelpfeelの裏側で動いているドキュメントサービス「Scrapbox」に移行しました。編集しやすいうえに検索もできるので、とても使い勝手が良いです。
── ありがとうございました。それでは最後に、今後のカスタマーサポートの展望についてお聞かせください。
Pocochaはユーザーさんの要望を捉えて変化を恐れず、成長し続けます。ユーザーさん同士のコミュニケーションやニーズがリアルタイムで変化していくなかで、サポートもアプリの属性がリアルタイムである以上、サポートもリアルタイムでなければいけません。Helpfeelを導入することで『ユーザーさんが疑問に思っている情報の収集』と『正確な回答作成』を迅速に実行することが可能になりました。これからもHelpfeelとともに、ユーザーさんの支援速度の向上や、カルチャーの浸透に努めていきたいです。