コールセンターのKPI10個を解説!【概要・算出方法がわかるー覧表付】

コールセンターのKPI10個を解説!【概要・算出方法がわかるー覧表付】

KPIの設定は、コールセンターを戦略的に運営するうえで欠かせない要素です。とはいえ、「どのようなKPIを設定すれば良いのかわからない…」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。

そこで本コラムでは、コールセンター関連の代表的なKPIを10個解説していきます。

  1. KPIとは?
  2. コールセンター運用でKPIを明確化することの重要性
  3. コールセンターの代表的なKPI10個
  4. インバウンドコールセンターでは「自己解決率」も重要なKPI!
  5. インバウンドコールセンターの「自己解決率」を飛躍的に高めるFAQツールとは?

 

KPIとは?

KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)は、特定の部門あるいは組織全体の業績を評価するうえで特に重要となる指標のことです。今日では、多くの企業がKPIの設定を経営・組織運営手法として実践しています。

とはいえ、前述の通り「どのようなKPIを設定すれば良いのかわからない…」という悩みを抱えている企業が多いのが実情です。一口にKPIと言っても、その選択肢は多岐にわたるからです。後述の通り、コールセンターひとつをとっても、SL(Service Level/サービスレベル)、応答率、AHT(Average Handling Time/平均処理時間)といった様々な指標をKPIとして設定することができます。

KPI設定の前提としてまずはKGIを設定しよう

適切なKPIを設定するには、その前提としてまずはKGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)を設定する必要があります。

  • 「2025年度までに○○市場でシェア第3位を達成する」
  • 「来期は新事業として○○を立ち上げることで、売上を1.5倍、収益を2倍にする」

KGIは、このように期限や数値を含む具体的な目標のことです。組織が目指すべき、目的地とも言えます。

そして、KGIを目的地とするならば、KPIはその途中経過を示す物差しです。目的地が決まっていなければ後どれだけの道のりを進めば良いのかわからないように、KGI(=目的地)が決まらなければKPI(=途中経過)を測ることはできないのです。

コールセンターのKPI図1「KGI・KPI・Sub KPIの関係」

一方で、最近では目標管理の方法としてOKR(Objectives and Key Results/目標と主要な結果)が注目を集めています。OKRは、米国のインテル社が生み出し、その後GoogleMetaといった先進企業での導入が相次ぎました。

OKRとKPIの間には、大きく下表に挙げたような違いがあります。

コールセンターのKPI図2「OKRとKPIの違い」

コールセンター運用でKPIを明確化することの重要性

  • 業務の効率化
  • 顧客満足度の向上
  • 解約率の改善
  • 顧客単価の向上

皆さんが在籍しているコールセンター部門でも、このような目標を設定しているのではないでしょうか?

残念ながら、これらはいずれも目標としては非常に曖昧だと言わざるを得ません。たとえば業務の効率化で考えてみると、何をもって「業務が効率化した(=目標を達成した)」と評価するのかという基準がわかりません。これでは、せっかく目標を設定してもそれを達成できたかどうかを判断しようがないのです。

そのため、業務の効率化を目指すのであれば、具体的な数値で評価できるKPIとして設定する必要があります。たとえば、「2025年までにAHT(Average Handling Time/平均処理時間)を現状の2/3に改善する」といったものです。このようにKPIを明確化することで、目標を達成できたのかどうかを客観的に評価できるようになります。

また、KPIとして具体的な数値にもとづく目標を設定すると、それに関連するデータを収集する必要性が生じます。たとえばAHTをKPIとして設定した場合には、問い合わせ件数、各問い合わせでの通話時間や通話後の履歴作成時間といったデータを収集する必要があります。そのため、仮に目標を達成できなかったとしても様々なデータを分析することで課題を発見できるので、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善していくことができます。

コールセンターの代表的なKPI10個

では、コールセンター関連では具体的にどのような指標をKPIとして設定できるのでしょうか?ここでは、大きく4つのカテゴリ別に代表的なKPIを解説していきます。

【代表的なKPI10個の一覧表】

コールセンターのKPI10個を解説【一覧表付】_20220526

応対品質に関するKPI

日々の応対がお客様の体験にどのような影響を与えているのかを把握したいという場合には、下記のKPIを設定しましょう。

●その1:SL(Service Level/サービスレベル)

  • 算出方法:設定した時間内に応答した件数/総受信件数

(例):

  • 目標応答時間:20秒
  • 目標応答時間内に応答した件数:8件
  • 総受信件数:10件
  • SL:8÷10=0.8(80%)

SLは、あらかじめ設定した時間内にオペレーターが応答できた件数の割合を示したKPIです。最終的にオペレーターが応答したとしても、それまでの待ち時間が長くなってしまうとお客様の不満につながってしまいます。そのため、顧客満足度や解約率の改善を目指すうえで特に重要なKPIです。

●その2:ASA(Average Speed of Answer/平均応答速度)

  • 算出方法:受信時の待ち時間の合計/総受信件数

(例):

  • 受信時の待ち時間の合計:180秒
  • 総受信件数:9件
  • ASA:180÷9=20(20秒)

SLに対して、ASAは応答までの所要時間が平均でどの程度かかっているのかを示した指標です。SLとASAという2つのKPIを組み合わせることで、お客様をお待たせした時間をより詳しく分析することができます。IVRを導入している場合には、IVRでの自動応答に要した時間も含めてASAを算出する場合があります。

●その3:応答率

  • 算出方法:受信件数/着信件数

(例):

  • 受信件数:8件
  • 着信件数:10件
  • 応答率:8÷10=0.8(80%)

応答率は、着信した電話をオペレーターが受信できた割合を示したKPIです。オペレーター数が不足している場合には、着信件数に対してオペレーターの受信が追い付かず、多くのお客様が途中で電話を切ってしまうので、応答率が低下します。

●その4:モニタリングスコア

  • 算出方法:応対履歴や通話音源を参考に各応対をスーパーバイザーが5段階で評価

モニタリングスコアは、各応対をスーパーバイザーがモニタリング・評価して、定量的な数値に落とし込んだKPIです。SL、ASA、応答率に加えてモニタリングスコアをKPIとして設定することで、受信までの所要時間や処理時間だけでは測りきれない応対品質を分析できるようになります。

業務効率に関するKPI

オペレーターが効率的に業務を遂行できているかどうかを把握したい場合には、下記のKPIを設定しましょう。

●その5:AHT(Average Handling Time/平均処理時間)

  • 算出方法:ATT+ACW

(例):

  • ATT:10分
  • ACW:5分
  • AHT:10+5=15(15分)

AHTは、受信後の応対に要している時間を平均したKPIです。顧客との通話そのものだけではなく、通話後の履歴入力などに要した時間も含んで算出するのが一般的です。そのため、ATT(Average Talk Time/平均通話時間)とACW(After Call Work/平均後処理時間)を足して算出します。

●その6:稼働率

  • 算出方法:(応対時間+保留時間+後処理時間+待機時間)/契約労働時間

(例):

  • 応対時間:40時間
  • 保留時間:15時間
  • 後処理時間:15時間
  • 待機時間:10時間
  • 契約労働時間:100時間/月
  • 稼働率:(40+15+15+10)/100=0.8(80%)

稼働率は、契約労働時間内でオペレーターが顧客応対にかけた時間の割合を示したKPIです。生産性を考えると、稼働率は限りなく100%に近いほうが良いと思われがちです。しかし、そうとは限りません。稼働率が100%に近いというのは、オペレーターは引っ切り無しに顧客応対に追われていることを意味します。このような業務負担が大きい状況では応対品質の低下につながります。また、各種研修や自習にも時間を使えなくなってしまいます。

運営に関するKPI

オペレーターの人的配置を最適化したいという場合には、下記のKPIを設定しましょう。

●その7:離職率

  • 算出方法:起算日から1年以内の離職者数/起算日の在職者数

※用途によってさまざまな算出方法が存在

(例):

  • 起算日から1年以内の離職者数:30名
  • 起算日の在職者数:100名
  • 離職率:30/100=0.3(30%)

コールセンター運営において、離職率は最も重要なKPIです。こちらのコラムでも解説しているように、今日では多くのコールセンターがオペレーターの離職に頭を悩ませているからです。そして、生産年齢人口の減少に伴って採用も難しくなっているなかで、離職が相次いでしまうとコールセンター運営に必要となる人員数を確保できなくなります。

●その8:欠勤率

  • 算出方法:欠勤日数/予定勤務日数

(例):

  • 欠勤日数:2日
  • 予定勤務日数:20日
  • 欠勤率:2/20=0.1(10%)

欠勤率は、出勤予定日のうち欠勤した日の割合です。オペレーター数だけを見ると十分な数が揃っていたとしても、欠勤率が高いと実態として日々オペレーターが不足した状態でコールセンターを運営せざるを得なくなってしまいます。

顧客満足度に関するKPI

オペレーターの応対はもちろん、サービスそのものの使いやすさも含めてトータルでお客様の満足度を把握したいという場合には、下記のKPIを設定しましょう。

●その9:C-SAT(Customer Satisfaction/顧客満足度)

  • 調査方法(例):応対終了後に、5段階で満足度を問うアンケートをSMSで配信

SLやAHH、応答率が高い場合でも、その応対に対して多くの顧客が不満を抱いているとクレームや解約が増加します。そのため、コールセンター運営ではC-SATも重要なKPIです。顧客全体に行う調査はもちろん、コールセンターに問い合わせた顧客に対して応対完了後にメールやSMSでアンケートを送付してピンポイントで調査することも選択肢のひとつです。

また、顧客満足度をKPIとして設定する場合には、仮にオペレーターの応対品質が優れていたとしてもサービス自体への評価が原因で数値が低下することがある点に留意する必要があります。

●その10:NPS(Net Promoter Score/ネットプロモータースコア)

  • 調査方法:応対終了後に、自社や自社商材を友人・知人に薦める可能性を11段階のスコアで問うアンケートをSMSで配信

NPSは、顧客ロイヤルティを測定する指標です。具体的には、自社や自社商材を友人・知人に薦める可能性を11段階のスコアで質問します。そのうえで、スコアに応じて顧客を「批判者」「中立者」「推奨者」に分類する。そのうえで、推奨者の割合から批判者の割合を引いた値がNPSになります。NPSは業績との相関関係が認められているとされているので、顧客満足度にかわる新たな指標として注目されています。

また、顧客満足度と同様にNPSをKPIとして設定する場合にも、仮にオペレーターの応対品質が優れていたとしてもサービス自体への評価が原因で数値が低下することがある点に留意する必要があります。

コールセンターのKPI図4「NPS」

 

インバウンドコールセンターでは「自己解決率」も重要なKPI!

このほかにも、コールセンターにかかわる様々なKPIが存在します。

たとえばインバウンドコールセンターでは、自己解決率にも目を向けることが重要です。自己解決率とは、FAQサイトやチャットボットなどを通じて顧客自身がトラブルや疑問を解決できた割合のことです。特に、最近ではFAQツール導入してFAQサイトでの自己解決率の向上に取り組んでいる企業が少なくありません。自己解決率が向上すれば、オペレーターへの問い合わせ件数を削減でき、限られた人員数で円滑にコールセンターを運営していくことができるからです。

FAQツールに必要な機能は「ページ作成・編集」「お客様の使いやすさ」だけではありません。「FAQページの閲覧数」「検索ヒット率」など、お客様の自己解決率向上につながるKPIを計測・分析できる機能があることも重要です。

インバウンドコールセンターの「自己解決率」を飛躍的に高めるFAQツールとは?

Helpfeelは、独自の革新的な技術である「意図予測検索」によって、検索ヒット率98%を実現したまったく新しいFAQツールです。圧倒的な検索ヒット率によって、最大で60%以上も問い合わせ件数を削減することができます。たとえばラクスル様ではFAQページを導入したものの、期待していたほどの効果を得られず、内容の見直しとFAQツールを使ったページの作り直しを実施。その結果、1週間でFAQ検索ヒット率が50%改善し、TVCMの放映による問い合わせ増加にも、カスタマーサポートの品質を下げずに対応することに成功しました。

※ラクスル様事例の詳細はこちら

FAQページの企画・制作や検索辞書作成は、Notaのテクニカルライティングチームが行うので、検索ヒット率の劇的な向上をスピーディーに実現できます。AIでは対応が困難な専門用語が多い製品・サービスのFAQサイトへの導入もお任せください。

また、毎月カスタマーサポート担当者が貴社のFAQサイトを分析してKPI設定から達成までの改善策をご提案します。「導入して終わり」ではなく、継続的な改善によって問い合わせ件数のさらなる削減を実現します。

問い合わせ件数の削減や問い合わせ対応業務の効率化/負担軽減に向けたFAQサイトの改善に取り組んでいるという方は、ぜひお気軽にご相談ください。





著者
Helpfeel
どんな質問にも答えられる本当に役に立つFAQシステム「Helpfeel(ヘルプフィール)」。お客様の質問になんでも答え、CS担当者やコールセンターの負担を削減します。