コールセンターの代表的な課題とは?
1.在宅勤務の導入
新型コロナウイルスの影響で、首都圏企業を中心に在宅勤務の導入が広がりました。一方で、業務内容によっては在宅勤務での対応が難しいものが少なくありません。コールセンター業務もそのひとつです。
在宅勤務でコールセンターを運用するとなると、それぞれのオペレーターが自宅から安全に顧客情報へアクセスできる仕組みや、電話機やPCなどの貸与などを検討しなければならず、準備に時間がかかるうえにかなりのコストを要するため、在宅勤務導入は容易ではありません。
2021年度コールセンター企業実態調査(※1)でも、在宅テレコミュニケーターの有無に関して、「すでに採用」と回答した企業は41社中13社(37%)にとどまっています。
一方で、新型コロナウイルス収束への道筋は不透明なままとなっています。そのため、いずれにしても中長期的な視点に立って、在宅勤務によるコールセンター運営を実現できる、体制づくりをしていくことが大きな課題となっています。
※1出典:一般社団法人日本コールセンター協会「2021年度コールセンター企業実態調査」
2.現場での感染防止対策の徹底
在宅勤務の実現には一定の時間とコストが必要になります。そのため出社勤務での運営を基本として、まずは現場での感染防止対策を徹底していくというのが現実的です。
- 人と人の距離はできる限り2メートル、最低1メートル確保
- 座席を一つ飛ばしにするなど席の配置を見直す
上記のような対応を実施する場合、席数が減ってしまうため稼働するオペレーターの数が減り、結果として応答率も低下してしまうことになります。感染防止対策と、応答率などのKPIとのバランスを見ながら舵取りをしていく必要があります。
3.顧客行動の多様化への対応
従来、顧客は製品マニュアルや説明書を読んでわからないことがあったり、トラブルが起きた場合には「電話」で問い合わせを行っていましたが、インターネットの一般化により、電話コミュニケーションだけではなく、顧客行動の多くがオンライン上で行われています。
顧客の多くは不明点やトラブルが生じた際には、まずはサービスサイトやFAQページ、ユーザーコミュニティ、SNSといった様々なWebサイトを閲覧して解決方法を探します。
このようなWebでの顧客行動の多様化に対応しつつ、メール、チャットといった電話以外の多様な顧客接点を持つことが今日コールセンターを円滑に運用するために必要になっています。
4.人手不足
コールセンターの中には24時間、365日の営業体制を敷いている企業も少なくなく、人手不足は、長年にわたってコールセンター業界を悩ませてきた代表的課題です。
月刊コールセンター2022年4月号(※3)を見ると、新型コロナウイルスの影響が出始めてから席数削減の動きがあるため徐々に減少傾向にあるものの、たとえば東京都では2021年1月の新規求人倍率(季節調整値)が2.60%に達しています。
チャットボットやFAQシステムをはじめとするITシステムの活用によって、人手に頼らないコールセンター運営を目指していく必要があります。
※3:月刊コールセンタージャパン2022年4月号
コールセンターの課題を解決するために、まずは何から取り組むべき?
これまでコールセンターが直面している代表的な4つの課題を紹介してきました。いずれもコールセンターの運営上とても重要な課題であり、「どれから解決すべきか判断がつかない」といった方が多いのではないでしょうか?
問い合わせ数の削減がコールセンターの課題を解決
まずは問い合わせ件数の削減から取り組んでみてはいかがでしょうか? 顧客からの問い合わせ件数を削減することができれば、下記のようにコールセンターの代表的な4つの課題を解決していくことが可能です。
- 各オペレーターの業務環境を整えやすくなる
- 現場内のソーシャルディスタンスなどの感染防止対策を講じやすい
- オペレーターに過度な業務負担がかからない
- 人手不足の解消につながる
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